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昭和生まれゲイと男子大学生の実話⑧ 嫌いになりたくて

私はまだ
彼のことを好きだと思っていた。
だからまた会いたいと伝えた。
でも思ったように返事は返ってこない。

返事のない期間に
中村佳穂さんのライブに行ったら
号泣してしまった。

「さよならクレール何気ない
すれ違いの中を泳ぎ続けたね。」


「みんなおんなじ辛いのよ。
そうやってあの子は慰めますが。
私の気持ちが見えるのかい。
それならどうして、どうして。」


隣の人、引いてたと思う。
肩を震わせながら泣いた。
たくさん泣いたけどたくさん笑った。

かけがえのないものを失ってしまった。

そう思った。

彼が好きだったSaucy Dogのライブ。
彼とのデートの口実にしたくて
当時はそんなに興味がなかったのに
私から誘った。

けど

きっともう一緒にはいけないんだろうな。

どうにかして
彼のことを嫌いになろうとした。
嫌だったところを思い出して
全部書き出して
特徴をネットで調べてみたりして。

そうやってなんとか嫌いになった。

はずなのに。

逆効果だった。

なぜだかもっと

苦しくなった。


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