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【エッセイ】植物と相性が悪い

せっかく庭付き一軒家に引っ越したので
植物を育ててみようと
カモミールとラベンダーの種をまいてみた。

と言っても庭はまだ工事中だから
種を育てる用のポット?
みたいなやつで育てている。

上手に育てられるだろうか。

なんといっても私は植物との相性が悪い。

これが何度目の正直だったか
思い出すことすら出来ない。

なぜだったか忘れたが
子供のころにラベンダーの鉢植えを
買ってもらったことがある。

ろくに水やりもせず室内で放置していたら
いつの間にか元気がなくなって
木の枝みたいになっていた。

そのころの私はそれが
枯れている状態だと認識してすらいなかった。

そのうちまた
花が咲くだろうと思っていたのである。

なんという浅はかな考え。

こんなんだからたぶん私は
植物に嫌われてしまっているのだ。

数年前に仕事関係のお客さんから
自宅で採れたというハーブをいくつかもらった。

挿し木で増やすことが出来るというので
挑戦してみようと鉢やらなんやらを買って
ネットで調べた通りの手順で挿し木をしてみた。

まずは肥料を入れた水につけて
根が出るのを促す。(たしか)

そして根が出たものを土に刺していく。

全てが上手に育ったわけでは無いが
いくつかは成長の兆しを見せていた。

「おぉ!これは上手くいきそうだ!」

そう思ったのは一瞬で
あっという間にその期待は打ち砕かれた。

私は根気がないので大人しく待つとか
放置するということが苦手だ。

植物もまたしかり。

毎日成長の度合いを確認したくなる。

せっかく根が生えたので
その様子を見たくて仕方がない。

ある程度時間がたつと少しだけ
刺したハーブを引っ張って
根っこの様子を観察してしまう。

こうなったら上手く育つはずがない。

元気そうに見えていた
植物たちは少しずつしおれて
地面に植わっていたころの姿は
見る影もなくなっていた。

挿し木事件をきっかけに(?)
植物を育てることに
本格的に興味を持った私は
「コーヒーの木」を買ってみた。

水やりはそんなにしなくて良いらしいし
きっと上手に育つはず。

そう思ったがやはり上手くいかない。

ちゃんと我慢して土が乾くまで水やりをせず
葉っぱに触れたい気持ちを抑えつつ、
窓際のそれなりに陽が当たる場所に置いていた。

のに。

いつの間にか葉っぱが黄色くなり始めて
またもや一つの生命をこの世から消してしまった。

自分が招いた結果だが
かわいそうで申し訳なくなった。

次こそは!と
「ルコウソウ」という花の種を買って
当時のアパートのベランダで育て始めた。

実はこれはそれなりに上手くいった。

ツタがみるみるうちに伸びて
ベランダの柵に絡みついて
綺麗な赤や白の花を咲かせることが出来たのだ。

達成感で満たされた私。

毎日終わった花を摘み
アブラムシを撃退し
長く鑑賞できるように手を尽くした。

と言いたいところだが
それが出来たのはほんの数日。

最終的にすべて枯らしてしまった。

それはなぜか。

単純に

飽きてしまったのだ。

花を咲かせることが出来た時点で
満足してしまった。

植物を育ててはダメな人間であることが
ようやく自分で分かったような気がする。
(遅すぎ)

だがしかし私は再び植物の栽培に
手を出してしまっている。

せっかく庭を手に入れたし。

家の中は暖かいので
観葉植物にだって良い環境だし。

色々育ててみたい。

次こそ上手くやるから。

神様どうか許してください。

植物はやっぱり好きなのだ。

日常の中に緑の葉っぱや
かわいい花たち。
良い香りのハーブなんかがあったら
最高に幸せではないか。

植物と相性が悪い私でも

何とか植物に愛されたい。

だからもっと植物を愛さなければ。

今度こそ。

頑張ります。


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