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昭和生まれゲイと男子大学生の実話③ 幸せ

私たちが正式に付き合ったのは
3月15日。
なぜ覚えているか。
「最後(315)の日じゃん、やばい」
と私が言ったら彼は
「最高(315)の日ですよ!」
と言ったから。

またくだらないことを言って笑った。

ホワイトデーが近かったので
彼が好きだと言っていた
抹茶チョコとほうじ茶ラテを
プレゼントした。
うれしくて泣きそうだったと
後で言ってくれた。

「引っ越しをするから、
初めてのお客さんとして来てほしい。」
と言われて遊びに行った。
ちょうど次の日、
彼の家の近くで仕事だったので
泊ってそのまま仕事に行った。

まるで家族みたいだと思った。

毎日、毎日、
くだらない事で
連絡を取り合って、
毎日、毎日、
幸せで。

だけどなぜだか
毎日、毎日
苦しかった。

彼は、将来は結婚して
子供が欲しいと言った。
大学院に行くけど
就職は県外でしたいと言った。

どんなに長くても
一緒に居られるのは3年だ。
少なくともその間だけは、
本気で大切にしたいと思った。
いつか離れ離れになっても、
たまには連絡を取り合ったり。
もし結婚したら
報告してくれたりなんかする。

そんな未来を想像してしまった。

苦しいかもしれないけど
笑って彼の幸せを
祝えるようになりたい。

本気でそう思った。


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