恋の流星群
(コンコン)
とある冬の夜、2階の自分の部屋でお風呂上がりのストレッチをしていると、部屋の窓が鳴った。
(シャー)
芽:…何してんの?
カーテンを開けると窓の外に、隣に住む幼馴染みの〇〇がいた。
〇:(ア・ケ・テ)
口パクで開けてと言うので仕方なく開けると、
〇:早く開けろよ〜(笑)寒いだろ〜(笑)
芽:いや、他人の家の屋根で何してんの?
〇:今夜、流星群見れるらしいだろ?見に行こうぜ!
今朝、そんな内容のニュースをやっていたのを思い出した。
芽:やだ、寒い、めんどくさい
そう言って窓を閉めようとしたら、
〇:俺に貸しあるだろ?
と窓のサッシを抑えられた。〇〇の言う通り、先週家の鍵を忘れた時に、両親が帰ってくるまで〇〇の家に居させてもらったのだ。
芽:…支度するから自分の部屋で待ってて
〇:そう来なくっちゃ!
そうして20分後、今度は私が〇〇の部屋の窓を叩いた。
芽:お待たせ
〇:遅いぞ(笑)
芽:女の子は色々準備があるの!
〇:はいはい、行くぞ
私の家と〇〇の家の間に予め設置していたらしい梯子で下に降りた。
芽:みんなにバレてない?
〇:たぶん大丈夫
23時を超えているため、巡回中の警官に見つからないように移動する。
芽:裏山の展望台でいいの?
〇:あぁ、あそこが1番景色が良いからな
30分後、山を登り展望台に着いた。
芽:どのくらいで始まるの?
〇:さぁ、知らない
芽:…ちゃんと調べてきなさいよ
〇:まぁ直に始まるだろ(笑)
芽:はぁ…
楽観的な幼馴染みに呆れながらも、待つことさらに30分、
〇:あ、見えた
芽:ほんと?
〇:7時の方向
芽:ふ〜ん、あ、見えた
〇〇に言われて空を見上げると、確かに流星が見えた。
芽:あ、まただ
さらにぽつりぽつりと流星が流れる。
〇:…綺麗だな
芽:ふふっ、感傷に浸るなんて〇〇らしくないぞ(笑)
〇:うるせぇ(笑)
展望台のそばの芝生に2人で寝転ぶことにした。
芽:はぁ〜、ずっと見ていたい
その頃には空いっぱいに流星群が溢れていた。
〇:…最初乗り気じゃ無かったくせに(笑)
芽:静かにして…
〇:…はいはい
それからもしばらく2人で流星群を眺め続けた。
約1時間後、
芽:っはっくしょん…寒っ
〇:(笑)そろそろ帰るか?
芽:うん
手袋を外し、そっと左手を〇〇に寄せる。
〇:…ん?あぁ(笑)ほらよ...//
そう言って〇〇は私の左手を握って自分のコートのポケットに入れた。
芽:...//
〇:...//
芽:……誰も恋人繋ぎとは...//
〇:……して欲しかった癖に...//
私はいつの間にか幼馴染みにそういう感情を抱いていたみたい...//
to be continue...
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