風邪を引き、ホテルで寝込む
好花:疲れた~
〇〇:早く風呂入ろ?
この日は一日中レッスンがあり、ホテルに着くころにはへとへとだった。
菜緒:…明日もレッスンよ?
〇〇:うへぇ~……
お風呂に入り、髪を乾かすとベッドに入った。
〇〇:8時起床でいいの?
好花:いいんちゃう?
菜緒:おやすみ
〇〇、好花:おやすみ
◇
そして夜中3時過ぎ、吐き気を催し目が覚める。
〇〇:うっ…!(トイレ……!)
ユニットバスに駆け込み、便器の中に嘔吐物を吐き出す。
好花:〇〇…!?
音に気付いた好花が起きて駆け寄ってくる。
好花:大丈夫!?…ちゃうよね…!
好花が部屋に戻り、フロントに電話をかける。
菜緒:…大丈夫?他に症状は?
〇〇:……眩暈とたぶん発熱
菜緒:そう……
菜緒も起きてきて、背中をさすってくれる。
好花:ごめん、フロント行ってくるから〇〇のことよろしく
菜緒:分かった
しばらくして、好花が体温計を持ってくる。
好花:ちょっと冷たいで?
好花が私のパジャマの襟から体温計を入れ、脇に挟む。
(ピピピピッ)
好花:…38.9℃、風邪やな…
好花:マネージャーさんには連絡したから…
再度フロントに連絡して、タクシーを呼んでもらう。
好花:夜間救急センターまでお願いします
病院に着き、問診票を書く。
看護師:藤宮さん、藤宮〇〇さん
〇〇:はい
看護師:中にお入りください
名前を呼ばれ診察室に入る。
医師:藤宮〇〇さん…、始めにインフルエンザの検査だけしちゃいますね
〇〇:はい
鼻の穴に綿棒を入れ、粘膜を採取する。
医師:外で少々お待ちください
〇〇:はい
しばらくして再度名前を呼ばれ中に入る。
医師:検査の結果、陰性でしたので、恐らく単なる風邪でしょう
〇〇:そうですか…
〇〇:ありがとうございました
医師:お大事に
受付で会計を済まし、ホテルに戻る。
〇〇:ただいま…
菜緒:ん……お帰り…
待ち疲れて眠っていた菜緒がベッドから起き上がる。
菜緒:病院は何やって?
好花:風邪やってさ
菜緒:…とりあえず大人しく寝とき?
〇〇:んっ……
ベッドに入ると、菜緒がコンビニの袋から経口補水液と冷却ジェルシートを取り出す。
菜緒:おでこ出して?
菜緒が私のおでこにシートを貼る。
菜緒:じゃあ飲み物ここに置いとくから
〇〇:ありがと
菜緒と好花もマスクをしたまま眠りについた。
……………………………………………………
そして翌朝、私のスマホにマネージャーさんから電話が来た。
(プルルルッ……)
〇〇:んっ…
〇〇📞:もしもし…
MG📞:もしもし?体調の方はどう?
〇〇📞:……変わらないどころかむしろ悪化してますね…(ケホッケホッ…)
MG📞:マジか…(苦笑)体温は測った?
〇〇📞:いや、今起きたとこなので…
枕元の体温計を手に取り、体温を測る。
〇〇📞:……、39.4℃です…
MG📞:高いな…
MG📞:まぁ、今日はゆっくり休みな?
〇〇📞:はい……(ケホケホッ……)
マネージャーさんとの電話を終え、再びベッドに横たわる。
好花:おはよう
〇〇:おはよう
好花たちも起きてきた。
菜緒:じゃあまぁ、フロントには伝えてあるから寝とき
〇〇:ん~……
準備を終え、二人は部屋を出て行った。
〇〇:…暇やな……(ケホケホッ……)
二人が出ていってから数時間が経ち、暇を持て余していた。
(ピンポーン)
すると、部屋の呼び鈴が鳴った。
〇〇:…は~い
ドアを開けるとそこには……、
飛鳥:〇〇、ほい…
コンビニの袋を持った飛鳥さんが立っていた。
〇〇:わざわざありがとうございます…(ケホッ……)
飛鳥さんを部屋の中に招き入れる。袋の中には、お粥のパウチと経口補水液、ゼリー、冷却ジェルシートが入っていた。
飛鳥:体調はどう?
〇〇:見ての通りです…
(ピピピピッ)
飛鳥:…何度?
〇〇:38.3℃です…
飛鳥:…明日までいるんだっけ?
〇〇:えぇ……
身体が重くなってきたので、ベッドに入る。
飛鳥:…まぁ、なんかあったらメンバーなりマネージャーさんなりに連絡しな?
〇〇:はい、ありがとうございました
飛鳥:うん、お大事に
そう言って、飛鳥さんはホテルの部屋を後にした。
〇〇:いただきます…
部屋のレンジで温めたお粥を開封し、一口食べる。
〇〇:(ケホッケホッ…)…ごちそうさまでした
ご飯を食べ終え、再びベッドに入ると、そのまま眠ってしまった。
◇
好花:〇〇っ
〇〇:んっ…
好花:ただいま
〇〇:ん、おかえり
いつの間にか好花と菜緒も帰ってきた。
好花:体調はどう?
〇〇:…朝に比べたら少しマシにはなったかな……
菜緒:体温は?
〇〇:ちょい待ち…
(ピピピピッ)
〇〇:37.6℃
好花:おぉ、大分下がった?
〇〇:うん、まぁ…
菜緒:夕飯食べたん?
〇〇:いや?まだ…
好花:じゃあ、食べれるか分かんないけど…
そう言って好花は、楽屋弁当の入った袋を差し出してきた。
〇〇:ありがと
こうして翌朝には熱も下がり、レッスンに参加できるようになった。
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