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田舎育ち

田舎育ちだった子どもの頃の話や、転職する前のブラック企業の話。レモンハイに頬を染めた君が話し出す昔の話が、私は、大好きだ。

私が決して触れられない時間の地層に嫉妬を感じながら、君を形作ってきた重なりの中に埋もれたストロマトライトを探す。

だけど、君が決まって話をそらす地層がある。君にとっては、つまらない地層なのか、辛い地層なのか、君はそれを語りたがらない。

エゴにすぎない、と分かりつつ、私は、包帯のような過去を注意深く解いていく。大丈夫、傷はまだ見えない。大丈夫、あるいはもう、傷は癒えている。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。何らか反響をいただければ、次の記事への糧になります。