ザ・フーのギタリスト、ピート・タウンゼントは、いいました。

「ロックン・ロールは、別に俺たちを苦悩から解放してくれも、逃避させてくれもしない。ただ、悩んだまま踊らせるんだ」。

旅もまた、これに似ています。

日常のウサから逃れたくて、しばしば私たちは、旅に出ます。けれど多くの場合、ウサが晴れないまま、手荷物を携えて日常に帰って来る。

それでも、ときどき、旅という非日常は、終わりなき日常を生きていく糧を旅人に与えてくれます。

ウサを抱えながら生きてみよう。しばらく、そういう気持ちにさせてくれます。