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楽に旅立ちたいのに。

どもです。
また開いちゃって。もう気にしない。

あっという間に年度始め。4月。ですね。
新たな旅立ちをする人たちでいっぱいの日本。
そんな今日も、病棟にいる患者さんたちは、日々それぞれに過ごしています。

入院して1ヶ月近くの方がいました。
初めは会話もしていて、圧迫骨折かもという理由で来て、
入院してからしばらくは、車椅子にも座ったし、食事も食べてました。

圧迫骨折かもなのに、少し認知や年相応の認知機能低下もあって、
ベッドや車椅子から起きあがろうとして困ってました。
それでも、スタッフと和気藹々として入院生活を送ってました。

でも、体のあちこちが痛いと言ってて、
少し触れるだけでも叫ぶほど痛くなり、原因はわかりませんでした。
食事もだんだん欲しくなくなり、栄養のあるジュースや水を飲むばかりになってきました。

食事を食べないのは、年齢によるものもあるのかなと、
ほんのり思いつつ、点滴をしながら食事もすすめてました。
でも、意思があるので食べることはないし、無理にスプーンを口に持っていくこともできません。

なぜ痛いのか。痛み止めを飲んでいるし、点滴もしている。
レントゲン、血液検査…繰り返し検査をしても、わかりません。

そして今日、朝になって呼吸状態が悪くなり、
諸々の事情で転院になりました。
転院の準備を進めながら、ベッドサイドに出向き、
手を握って髪を撫でて過ごしました。

「世話をかけたね、ありがとう」
酸素マスクをつけた状態で、何回もそう言ってました。
「気にしないでね、大丈夫だからね」
「本当に、これまでよく頑張ってきてましたよ」
そう声掛けをしながら、短い時間だったけど過ごしてました。

そうした時間を持てたのも、
今日は看護師が普段より多く勤務していたからです。
大抵は、4人。今日は6人。これだけでだいぶ違う。

私の今日の受け持ち患者は8人。
状態が心配な人はこの人以外に2人いたので、ちょっと気がかりだったけど、
きっとなんとかなる。

この患者さんに限らないけど、結局原因がわからない苦痛が無数にある。
高齢になって、こんなに苦しみを抱えていなければいけないんだろうか?

「もうなにもしないで…なにもしないで…なにもしないで死なせて…」

何度もこう言いながら、転院して行きました。
きっと、もうすぐ旅立つ。
苦痛を取る以外、なにもしないで静かに見送れたらいいのに。

そんなふうに感じる、本日でした。
それではまた。

このページの桜の写真は、まごころ写真家・山中研吾さまからいただきました。
上野公園の素敵な桜です🌸

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