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うさぎコンサルタントの「痴漢被害マッピングシステム」の顛末 #痴漢DBPJ

2019年に走り始めていたプロジェクト #痴漢DBPJ を振り返りたいなとここで改めてnoteに書くことにしました。私としてもとても素敵な経験だったし、みんなの盛り上がりを一度まとめておきたいと思いました。当時を知る方は、思い出しながら読んでみてください😊

痴漢対策がTwitterで話題に

2019年の5月ごろTwitterにおいて、安全ピンで自衛する、シャチハタハンコで犯人を逃がさない、など様々な痴漢対策が話題になっていました。twitter上で痴漢対策について話題になっていました。安全ピンで自衛する、シャチハタハンコで犯人を逃がさない、などいろいろな案が出ていました。

被害データを一覧で見られるようにしたらいいのでは?と思いつく

痴漢対策について多くのアカウントが意見を出し合う中で、あるツイートから着想を得て、誰も傷つかない、対立を生まない方法が必要だと考え「痴漢被害をマッピングしてビッグデータ化して共有したらいいのでは」と思いつきました

このツイートがバズって、とても多くの人に「ぜひ実現してほしい」「応援します」などお声がけいただきました。これが2019年5月24日の出来事です。

とはいえ私にはシステム構築のスキルがないので、その後は「誰か、システム構築しないかしら?」など発信していました。笑


私の一連のツイートに共鳴してくれた人は本当にたくさんいました。
ブログを書いてくれる方もいました。

構築してくれる人が!案が実現に!?

5月26日、ついにシステム構築に協力していただけるSEさんが現れました。まだ企業などから声がかかっていなかったので、覚悟を決めて私自身が先頭に立ってでプロジェクトを進めていくと決心しました。

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ただそこで、ユーザーは「痴漢被害者」という前提があったので、被害者からさらに費用を負担してもらうことは心苦しいので、ボランティアでスキルを集結して作り上げたいという気持ちがありました。これが2019年6月26日

システムの名前どうしよう、など考えたときに、私一人で作るモノにしたくなかったので、アンケートをとったりしました。みんなで投票したほうが愛着が湧くものになるのでは、と思いました。

こういった中で、既存の性犯罪防止や警戒アプリをみなさんが多数教えてくれるようになりました。紹介いただいたものを、ツリーで一覧にまとめました。こういった役に立つ実用的な情報をみんなが届けてくれてまとめられたことも、ビッグデータ発信して良かったなと思うところです。

プロジェクト #痴漢DBPJ スタート

そして、SEの方との定期的な打ち合わせが始まりました。

その後、ウェブメディアにも記事にしてもらい、ここでフォロワーさん以外、またTwitterユーザー以外にもリーチできて広く知られることとなりました。

システムのモックを作りながら、平行してユーザ座談会をしよう!となりました。ユーザー視点を取り組まずに作っても、使い勝手が悪い・こういう情報は求めていない、などユーザーの気持ちがついてこないシステムは利用されないから、というSEのプロならではの視点でした。

そして、2019年7月31日にユーザ座談会を開催しました。6名ほどの方にご協力いただき、システム画面やシステム名、必要な要素、知りたい情報などをじっくり話し合いました。参加者の方々から、「これからも引き続きできることでサポートしていきます!」という声をいただき、私自身「プロジェクトメンバーができた!」と感じとても心強かったです。
たくさんの新しい声を拾い、多くの方々と共にシステムを作っていると実感しました。

その後も、「応援したい!」とおっしゃってくれる方々からのツイートやDMは後を絶たず、とにかく、みんなの声を集めて、みんなの思いをまとめる、みんなのシステムを作るために、コミュニケーションをとり続けました

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いやここで致命的な誤字・・・😂

そして運命の2019年8月1日

2019年8月1日、痴漢レーダーがキュカさんからリリースされました。フォロワーさんから私のところに「こんなアプリができたみたいです」「これはうさコンさんのプロジェクトですか?」といった声が多く届きました。私の周りはみんな痴漢被害対策にアンテナの高い方ばかりだったので、あっというまに情報をキャッチしてくれました。(笑)
実を言うと私は、フォロワーの皆様からの連絡に、とても驚きました。なぜなら、痴漢レーダーの存在も、リリースされることも一切知らなかったからです。

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正直最初は、私たちの動きを見て、企業が構築してくれたのかなと思いました。それにしても、一言くれたらいいのに、と思いながら、「リリースしました」という連絡がくるのだろうか、なんて思っていました。しかし、その後もキュカさんから私に連絡はなく、私たちもシステム構築始めていたので、同じアプリを作ってもユーザーが分かれてしまったりデータが集まらないと意味がないと感じ、こちらからキュカさんに連絡をとってみました。私のプロジェクトは記事にもなっていたので、それをシェアする形でDMしました。

すぐに会って話そうということになり、キュカさんのオフィスへうかがいました。痴漢レーダーが誕生した経緯を聞いていくと、キュカさんたちも同じように5月ごろの痴漢対策ムーブメントをTwitterで見て、痴漢被害登録システムを思いついて作ったそうです。そして、私のツイートやこちらの経緯については知らなかったということでした。

「同じ時期に同じソリューションを思いついたのかぁ偶然もあるもんだなぁ」と思い、今後については私も交えて一緒に「痴漢レーダー」プロジェクトを進めていくことで合意しました。社会から痴漢被害者がいなくなることがゴールなので、それを誰がやるかは私の中では重要ではありませんでした。また、こちらのシステムは構想段階でしたが、キュカさんのは既に出来上がっていたので、それを広めていくほうが痴漢撲滅というゴールに近道だろうという考えでした。厳密に言うと、登録データやUIについてはこちらも意見がありましたが、今後アップデートしていくにつれて登録できるデータや情報も増やすことができる、とのことでしたので納得しました。

キュカさんはメンバーがは当時3人でしたが、本当に「声を上げられない人をテクノロジーで救いたい」を言葉だけでなく体現している方たちで、熱い思いがあり、話もとても盛り上がりました。yahoo!知恵袋を構築したという経験やノウハウ、人脈があるようで自信を持ってプロジェクトを進めているように見えました。

Twitterでこのように発表し、協力してくれていた方々にも報告の連絡をしました。この時のイメージは、キュカと #痴漢DBPJ は合併、のようなイメージでしたので、これまでのメンバーや応援してくださる方も巻き込んでいくと想定していました。

当初は、マーケティング領域を担当する話でしたが、次にキュカさんのオフィスへ行ったときには別にマーケター担当の方がいたので、実質その後はほぼ痴漢レーダーPJをサポートはできていませんでした。今思えば、もっと関与すべきだったと感じています。あの盛り上がったツイートに賛同してくれた、応援してくれたみなさんの意見をもっと大事にすべきだったと今は反省しています。うさコンを応援してくれる方も多くいたと感じています。このような形で #痴漢DBPJ の活動がなくなってしまったこと(実際はキュカに引き継ぎ?吸収?されたのですが)は、私のPJのたたみ方が下手くそだったというしかありません。

社会課題を解決する、というゴール

キュカさんは、痴漢撲滅に関してかなり思いがあって活動されていると感じました。ソーシャルグッドビジネスはなかなかお金にならない日本の現状がある中で、自分たちのスキルを使って盛り上げていきたいという思いに感銘を受けました。
ビジネスとしてプロジェクトの進め方はとても素晴らしく、「痴漢レーダー」のプロダクツやその広め方は完璧だと思います。実際に多くのメディアを介して全国に広がっていると思います。

ただ、そこに「Twitterで痴漢対策が話題になっていた」などが語られないことは一抹の寂しさもあります。この寂しさを私のPJを応援してくれていた方も感じていたとしたら、すごく申し訳ないと思います。このような形で #痴漢DBPJ を消滅させてしまったことは、ひとえに私のドライブが下手だったということです。

Twitterの声の重要性

Twitterは独特の世界です。私はその雰囲気が好きでTwitterにいます。ネットの世界ではありますが、そこにも「被害者」はいて、私たちが助けたい「ないことにされている声」があるのは事実です。
リアルの世界の社会問題を解決したい、は正しいです。ただ、問題はリアルの世界だけでなくてもネットの世界にも声を上げている人はたくさんいるということ。私はTwitter住民としてその声を無視はできないと感じています。

今後もTwitterから社会を変える声が上がっていくことを信じています。

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