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前の恋人を思い出して私と布団に入らないで

彼の飼っていたペットが死んだ
長生きしていたんだって

彼は泣いていた

私はなにも出来なかった

彼の前の恋人も同じときに
同じ動物を飼っていたらしい

一緒に育てていたらしい

そんなことを聞かされた

正直どうでもよかった

彼のペットの死に対する悲しみと
彼の前の恋人に抱く私の中の嫉妬心

私が彼の前の恋人との出来事を
一切聞こうとしないのは

聞けば、自分と比べて
自分がとても情けなくなるから

私の知らない過去の彼は
前の恋人との生活で出来ていて
それを思い出している彼の頭の中は
私じゃなくて前の恋人に染っている

それがとても気持ち悪かった

彼の悲しみを癒してあげられなくて
彼と共に悲しみを素直に分かち合えうことが
できない私は
『冗談みたい』と言われてしまった。

a.m.5:25
彼の横で彼の腕を枕にして
彼に背を向けながら
静かに泣いた

ふと彼の親指が私の目尻に触れたとき
彼は私に優しくしてくれた

こんな姿、傍から見たら
死んだペットより私をみて
と言っているような感じだ

そうじゃない
そうじゃないけど
私は最低だと思う

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