高尾山に生きるゴミたち
ゴミの寿命クイズに参加していただきありがとうございます!
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では、結果発表!
いかがですか?
この数字はある条件下で「有機質の土に埋まった」時の微生物による分解年数を示しています。さらに分解年数は日光・酸素・標高や土壌の様子によって年数は変わりますので、あくまでも参考値になりますが、よくその辺に落ちている物の多くは、私たちが一生かけても分解されない、或いは世代を超えて残ってしまう物たちがたくさんいるのです。
昔は山でのゴミ処理について「埋める」ことが善い行いとされてきた時代がありました。1960年代のキャンプ技術書には「ゴミは埋める。缶は燃やして酸化させたうえで埋める」と指導する文章が垣間見えたり、有名な漫画でも、釣り師がゴミを埋めて帰るのが「いいアウトドアマン」と描写されているものもあります。
これが良かった悪かった…ではなく、当時はそうだった。今は新しい知見によって、フィールドにゴミがない方が良い、となっている。さてこの先高尾山で遊ぶ私たちはどうあるべきか?が問われているわけです。
LNTを使って高尾山の自然を守りながら楽しむ
Leave No Trace(LNT)は自然を積極的に楽しみながら今ある美しい自然を次の世代にも残すことを目的にしています。そのためにユーザーが配慮したい簡単な原則的な行動指針を7つ提唱しています。
せっかくお読みいただいたみなさんへ、7原則を軸にLNT的高尾の楽しみ方を提案してみたいと思います。
原則1:事前の計画と準備
✔登山予定のルートや所要時間、水場などを調べておこう
✔ケーブルカーやリフトを使う人は時間を調べておこう
✔ピークシーズンを避けられたら避けよう
✔ゴミになりそうなものは、あらかじめ外してこよう。できるだけゴミになりそうなものを持ち込まない準備をしよう
原則2:影響の少ない場所での活動
✔登山道はぬかるんでいても真ん中を歩くようにしよう
✔登山道の範囲を守ってインパクトを集中させよう
✔インパクトが始まりかけた場所での休憩などは避けよう
原則3:ゴミの適切な処理
✔全ての食べかすやゴミは持ち帰ろう
✔トイレは山中に用意されたトイレを使うようにしよう
✔山中の緊急時トイレも水辺から60m以上は離すようにしよう
原則4:見たものはそのままに
✔貴重な文化遺産は触れずに見るだけにしよう。
✔石や植物等全ての自然物は置いて帰ろう
✔下山後は靴裏についた泥と種子を取り除いて帰ろう
原則5:最小限の焚き火の影響
✔山中ではストーブを使おう
✔ストーブを使う時は山火事に十分な注意を払おう
原則6:野生生物の尊重
✔野生動物は遠くから観察しよう
✔野生動物にはエサを与えないようにしよう
✔人間の食べ物に野生動物が触れないようにしよう
✔ペットにはいつもリードをつけるか、家でお留守番にしよう
原則7:他のビジターへの配慮
✔他の登山者の体験の質(楽しみ)も保てるようにしよう
✔他の登山者と休憩スペースなどは譲り合おう
いかがですか?すごく斬新なことを言っているわけではないですが、7つの原則は様々なところで言われる「山のルール、マナー」も全て内包します。そしてLNTは元々アウトドアを楽しく使うことが前提なので、メッセージも前向きなものです。
お読みいただいたみなさんも、ぜひLNTを芯に取り込みませんか?原則と行動指針を考えながら気をつけて下山してくださいね!
またお会いしましょう!
Leave No Trace Japan
ひの自然学校
※Leave No Trace Japanは、世界96か国で使われる環境倫理です。アウトドアを楽しみながら自然も守るための簡単な行動指針とエビデンスに裏付けられた教育活動を行っています。
国内では2021年にNPOが設立され、たくさんの指導者やガイド、ブランドや団体のサポートを得ながら国内での普及が進んでいます。
2023年には東京都青梅市・東京都あきる野市と包括連携協定を締結しました。
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