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袖無双長襦袢の作り方

和裁教室で長襦袢を縫ってみたいけど、どんな内容をどんな風に進めていくのか未知すぎて踏み出せない……! という方の為に、袖無双の長襦袢のお仕立てをさらっと説明します。

①地のし
②柄合わせ・裁断・ヘラ付け
③袖作り
④竪縫い(背縫い、揚げ縫い、脇縫い、竪衿付け)
⑤竪くけ(脇くけ、裾くけ、竪衿くけ)
⑥衿付け・衿始末・衿くけ
⑦袖付け・袖くけ

それぞれ説明していきましょう。ざっくりといきます。

①地のし
アイロンで生地を整えていく作業です。

②柄合わせ・裁断・ヘラ付け
無地染めなので柄合わせはありませんが、ここで織り難の配置を考えます。なるべく袖裏や竪衿などの目立たない所に配置出来るように見積もって、裁断。コテという和裁独特のアイロンでヘラ(縫う場所の印)付けをします。

お仕立てコースは基本、難しい所は燈織屋にお任せの『至れり尽くせり』コースです。ここまでの作業は私が行うのでご安心を。ここからが本番ですよ!

③袖作り
まずは袖作り。無双袖という2枚重なった状態の袖を作ります。袖丸はないので、並縫いだけです。浴衣よりかはさくさく進めるはず。

④竪縫い(背縫い、揚げ縫い、脇縫い、竪衿付け)
並縫いまつり! ひたすら真っ直ぐ縫います。竪衿まで付けられたら長襦袢の形になります。ここで折り返し地点。

⑤竪くけ(脇くけ、裾くけ、竪衿くけ)
続きましてー、くけまつりです! 表にちょんっと糸が出るだけのくけをひたすらします。竪衿くけは、表にも裏にも糸が出ない本ぐけ。説明した時に生徒さんに「意味が分からない」と言われるNo.1の縫い方です。

⑥衿付け・衿始末・衿くけ来ました、一番難しい衿付け! マチ針は私が打つので、頑張って斜めに縫いましょう。衿くけも本ぐけです。

⑦袖付け・袖くけ
袖の表側を縫い付けて、裏側をくけ付けます。

かんせーい!
1コマ2時間の授業、ここまでで16~20コマくらいでお仕立て出来る予定です。
半衿を付ける所まで教わりたい方は、お好きな半衿をお持込くださいね。長襦袢を購入した時に付いている白半衿をそのまま付けっぱなしにしてる方って意外と多かったり。これから付け替えて楽しめるよう、簡単にざくざく付けるやり方をお伝えいたします。

百貨店や呉服店に並ぶ着物たちは、様々な工程を経て形になっています。糸を作る人、織る人、染める人、柄を描く人、それ以外にもたくさんの人が関わって1枚の着物が出来上がります。しかし、すべてが順調に完成するわけではありません。工程中のトラブルなどで難が生まれ、厳しい検品ではねられてしまう物があります。染めや柄は後から染色補正の技術である程度修正する事は可能ですが、織りを直す事は出来ません。白生地の状態でストップして、市場に出回らなくなってしまいます。画像で見る事すら出来ないくらいの織り難でも、特に縦の傷となると次の段階に進める事が出来なくなってしまうのです 。

呉服店で販売されていた反物が「難があります」状態で和裁士の手元まで届くと、その時点ではどうしようもなかったりします。もっと辛いのは、和裁士の手元に届いてから難を発見する場合です。工程をさかのぼって幾つものお店をまたいで確認されていくので時間はかかるし、返品交換になったらまた大変。

それらを解決する方法のひとつ。それが、この企画なのです(今回はB反ではなくA反を使用しています)。白生地の段階で和裁士の手元に届き、和裁教室の生徒さんに実物を確認してもらった上で裁断する。もちろん、なるべく織り難が目立たないように工夫します。

そしてもうひとつ大事なのが色。長襦袢って、薄い色多いなって思いません? ピンクとかクリーム色とか。深い色ってあまり見ないなと。でも普段着物に合わせるなら深い色がいいな。そう思って、選べる20色は薄くない色多めにしてみました。こんな色が着物からちらっと見えたらテンション上がりますよね。ネイルと同じ。自分の気持ちをアゲる為に選んでほしい。

身体も心も気持ちの良き長襦袢をお仕立てしてみませんか?
作ってみたい!という方は前回の投稿からどうぞ。

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