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旬の食材を楽しむ様に、季節の行事も思う存分堪能したい。

夏の終わり、空気がだんだん涼しくなる頃に祖母の味噌づくりが始まる。この味噌づくり、彼女の年中行事であるのだけれど、私が知ったのはほんの三年前。子供のころからお味噌といえば祖母手作りのお味噌で、それで育ってきたはずなのにも関わらず、その事と味噌づくりが何故だかリンクしていなくて、母にもっと早く教えてほしかったと訴える私ときたら。祖母は親戚、友人に配るため、一度に大量のお味噌を仕込む。毎年彼女の友人たちと味噌づくりをするみたいだけれど、三年前は人手が集まらず彼女一人で味噌づくりをしたところ、あまりの重労働に数日寝込んでしまったというエピソードを母から聞いてその次の味噌づくりに初めて参加した。寝込んでしまうほどの味噌仕込みとは一体どんなものかと思ってしまうけれど、実際彼女のお手伝いをして、その量に驚いた。お味噌づくりは三日間に渡って行われ、初日は麹づくりから。麹には麦40㎏に対して米麹10㎏を使う。そこに大豆15㎏、お塩15㎏が加わる。それは寝込むわ!とそれ以来、祖母のキャラクターも相まって母との間でオモシロエピソードに。

昨年もお味噌づくりめがけて日本へ一時帰国する予定だったけれど、新型コロナウイルスの影響で泣く泣く断念。今年こそはと思ってはいるけれど、どうなることやら。彼女のお味噌づくりは、彼女がずっと大切に使い続けている道具がフル稼働。麹から仕込むお味噌づくりでは温度管理が特に重要で祖母と同じ屋根の下で三日間過ごし、昼夜問わず麹のチェック。祖母の手で感じる温度が頼りで、そういった部分を直接彼女から習うことが出来るうちに一緒に味噌づくりを続けたい。次回はオーストラリア人の彼も一緒に参加できればなと思っているところ。

と、長めの前置きはここまでにして、今日はひよこ豆を使ってお味噌づくり。大豆もスタンバってはいるものの、浸水と調理に時間がかかる故になかなかタイミングが合わず、まずはひよこ豆で味噌仕込み。麹は市販のものを使うので、作り方はいたって簡単。とはいえ、出来上をすぐに試すことが出来るわけではないので、味噌づくり初心者の私はドキドキ。

ひよこ豆のお味噌づくりの覚書
 
材料
乾燥ひよこ豆 400g
米麹 400g
塩 180g
 
作り方
1. ひよこ豆を水でしっかり洗い、一晩水に浸ける。濯いだお水は庭の水やりに。
2. 浸水後に水を替え、煮る。ひよこ豆が親指と小指で潰せるくらいの柔らかさが目安。
3. ひよこ豆を炊いている間に麹と塩をしっかり混ぜ合わせる(塩切りといって、塩の効果で米麹の発熱を抑える役割)。
4. 煮上がったひよこ豆は、フードプロセッサーを使って潰し、その後人肌程度になるまで冷ます(麹がダメになってしまうので)。
5. 材料すべてを満遍なく混ぜ合わせる。
6. 混ぜ合わせたお味噌でボールを作る(ひよこ豆の煮汁を少し混ぜ合わてもよかったのかもしれない!)。
7. アルコール消毒した器に空気を抜くように勢いよく味噌ボールを投入。パンチする感覚でお味噌を詰めていく。
8. カビ予防に酒粕で蓋をし、その上からベーキングシートで被う(祖母はワサビを薄く広げてカビ予防。)。
9.密封して冷暗所で保存。
 
今回は“マルワカみそ”の作り方を参考にしたけれど、覚書を残すにあったって祖母の味噌づくりの時に書きとどめていた彼女のポイントを振り返りながら、もっと取り入れることができたアドバイスもあったな、と。近々仕込む大豆のお味噌の時にポイントを踏まえながら作ろうじゃないの。


 
お味噌の材料であるひよこ豆、お塩は量り売りで購入したのでプラスチックのパッケージゴミは出なかったけれど、麹や酒粕は日本からの輸入品でパッケージフリーとはいかず。日本だとこれらもパッケージフリーで購入できるのか気になるところではあるけれど。ちなみにお味噌を保存する容器はセカンドハンドのお店で陶器のビンテージ小麦粉入れを見つけたので、それを採用。口が大きな容器を探し求めていたので、即決。ちなみに私の住むビクトリア州にある窯元のものだったので嬉しさ割り増し。
 
なにはともあれ、甘めに仕上がるらしいひよこ豆のお味噌はお菓子作りに活用したいなと今か今かと待ち望んでる。

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