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【じーじは見た!】前編:IPBES(イプベス)をご存知ですか?

心はZ世代! 身体は還暦過ぎた昭和人! Z世代応援団のじーじです⁉️

国際的に生物多様性や生態系サービスの現状やその変化を科学的に評価し、それを的確に政策に反映させていくことを目的に、世界中の研究成果を基に政策提言を行う政府間組織としてIPBESは2012年4月に設立されました。

IPBES(イプベス):生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム

気候変動のCOP28、生物多様のCO16が近づいてきていますので、IPBESでは、今、どのようなことが注目されているのか?
一緒に見てみましょう。

✅イプベスって何?

環境省が詳しく解説してくれている下記パンフレットからこの組織の機能や専門家グループについて見てみましょう。

IPEBESに関するパンフレットから抜粋

イプベスには4つの機能があります。
1)科学的評価
  生物多様性と生態系サービスに関する地球規模、地域別、テーマ別・方法論アセスメント(科学的評価)の実施

2)能力養成
  科学と政策のインターフェースを改善するための能力養成ニーズの優先順位付けと支援の動員

3)知見生成
  政策立案に有用な科学的知見を特定し、新たな知見の生成や研究活動を促進

4)政策立案支援
  政策立案に有用なツールや手法を特定し、そのさらなる開発と活用を促進

生物多様性は世界共通の重要テーマであると国連でも気候変動並みに重要な扱いに変化しています。

気候変動枠組み条約の下での条約締約国会議がCOPXXと呼ばれ、今年がCOP28になりますが、生物多様性条約の下での条約締約会議もCOPXXと呼ばれていて、気候変動のCOP28を追いかけるように今年COP16を迎えます。

気候変動問題をIPCCが政府間パネルとして専門家グループから政策立案支援をしているように、IPBESは生物多様性条約の下でのIPCCと同じ役割を果たしていると言えます。

ただし、GHG(温室効果ガス)という単一指標で世界が話し合いの土俵に上がれる気候変動問題に比べて、生物多様性は一筋縄ではいきません。

何故ならば、これまで生物の進化や多様性は、攪乱生態学と呼ばれる学問があるように、台風,ハリケーン,サイクロン,山火事,火山噴火,雪崩,などにより森林が大きく破壊され、樹木が倒壊あるいは枯死したところで新なハビタット(生息場所)が生まれ生物多様性が育まれてきたからです。

地球温暖化による自然災害の激甚化や災害の多発は生物多様性にとっては「悪」一辺倒なのか、「機会」ではないのか? と考える学者だっているハズです。

自然とは人類がコントロールできない複雑な進化のプロセスがあった訳で、一つ二つの指標で話ができたりしない、とてつもなく大きなテーマです。

ただ、どうして国連で重要なテーマとして世界中で話合いが進み始めたのかというと、生物多様性の劣化が「食料」問題や「人類の存続」問題に直結するからなのです。

IPBES 2019~2030作業計画の目的より抜粋

✅日本がイニシアチブをとっている分野があります!

IPBESには4つの専門家グループが設けられていて、その内の一つが日本に技術支援機関が設立されています。

そのテーマは「侵略的外来種」(Invasive Alien Species)なんですね。

インベーダーのInvasiveが「侵略的」、エイリアンは「外来」、そしてスピーシーズが「種」で侵略的外来種と訳されます。

これって結構、生物多様性にとっては重要な問題なのです。これについては後編で詳しく見てみましょう。

IPBESパンフレットより抜粋

その他に「生物多様性・水・食料・健康」「社会変革」「ビジネスと生物多様性」の専門家グループが設けられています。

✅日本の専門家からのメッセージ

武内 和彦(中央環境審議会自然環境部会長)
※専門家のメッセージは、IPBES及び各IPBESアセスメントを代表するものではなく、専門家個人としてのコメントだと注記されています。

自然と共生する世界の実現に向けて、最新の科学的知見に基づき生物多様性・生態系の現状や変化を把握し、対応した政策をとることが重要である。IPBESは、こうした認識を背景に、科学と政策のインターフェースの強化を目的として設立された国際的な組織であり、国際条約や各国政府を始めとした様々なレベルの政策決定者に有用な科学的知見を提供することを活動の柱としている。また、学際的アプローチや伝統的知識を重視していることも特徴である。我が国も、多くの専門家がIPBESに参加し、また、技術支援機関(TSU)をホストするなどの貢献をしてきている。  設立から約10年が経過してIPBESの活動や体制が充実し、成果が蓄積されてきたことを歓迎したい。2019年に世界的な注目を集めた『地球規模評価報告書』では、生物多様性と自然の寄与は世界的に劣化しており、持続可能な将来を実現するには「社会変革(transformative change)」が不可欠という重要なメッセージが発出された。  自然環境政策には、地球温暖化など様々な他の環境問題や多くの社会的課題を踏まえた統合的なアプローチが不可欠となっている。今後 IPBESによって生物多様性・社会経済システム・ガバナンス等の相互関連性についてより深い科学的評価が行われ、政策に有用な知見が発信さ れることを期待したい。

IPBESパンフレットより引用

市井 和仁(統括執筆責任者、千葉大学環境リモートセンシング研究センター教授)の地球規模評価報告書(2019)に対するコメント

本報告書では、地球規模で人為活動(土地・海の利用変化)により、多くの場所が改変を受けており、これにより自然の破壊・種の絶滅に繋がり、さらに自然が我々にもたらす恩恵が急速に減っていると指摘している。また、2010年に国際間で定めた「愛知目標」の達成には程遠く、社会システムや意識の抜本的な変化の必要性が述べられている。まずは地球上で人為活動によって自然が破壊されつつあり、現在・将来にわたる損失を引き起こしていることを市民が知ることがよいと考える。気候変動は目に見えやすい影響として注目を集めているが、生物多様性の損失は、まだ実感できていないかもしれない。しかし、このまま続くと将来にわたり非常に重要な損失を及ぼすと考えている。また、IPBES の執筆者会合は非常にかけがえのない経験になった。執筆者会合では、1週間にわたって開催され、じっくりと議論する。その濃密な時間で作業がどんどん進み、同時に同じ仕事を成し遂げた仲間という意識も生まれ、いつのまにかIPBESファミリーといった雰囲気が形成された。同時に執筆活動を通して、自身の見識・人脈も広がり、成長にもつながった。

IPBESパンフレットより引用

何となく生物多様性、英語では、Biodiversityが重要なんだなと感じると思います。令和の時代に重要なのはダイバーシティです。

昭和人が習ってきた「みんなと一緒でない者は特別学級へ、会社でもみんなと一緒でない者を仲間外れにして仲良し集団を維持する。」ことは、実は、組織の劣化を招いてしまうようですよ。

ただし、侵略的外来種は例外です。これが入ってきたら駆逐しないと良き生物多様性が逆に破壊されてしまいます。後編では、日本がホストになっている侵略的外来種について詳しく見てみることにしましょう。

つづきを読む

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(感謝)

▼きしゃこく先生のしゃかせん「毎昼12時」でじーじの記事を紹介いただきました。きしゃこく先生、ありがとうございます。日本の画一的でみんな一緒でなくてはいけない教育も変化の兆しがあるのでしょうか?

【じーじのもろもろ】みんなと一緒でなくていいよ!

▼月曜日におめでとうございます!通知をいただきました。これもスキ応援してくれている皆さんのお陰です。どうもありがとうございます。

あれあかん女子にマイナスハンデ付け
お受験は小学校の入試なり
決められたルールで競うそれ受験

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