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【じーじは見た!】 後編:サイゼリヤの創業者 正垣泰彦さん

じーじは、今から20年ほど前にサイゼリヤの創業者で今は代表取締役会長の正垣泰彦さんの講演を聞いたことがありました。

講演では、幸いにも質問することができ、正垣さんに回答してもらう機会がありました。その強烈な回答を紹介します。

今回は後編です。前編を読んでから合流されると話がつながるのでいいと思います。

✅店長の1行日報⁉


『小成はもとより、どのような通俗的成功にも満足しない限りない革新性』にあふれて、自信に満ちた正垣さんの講演は、とても楽しい時間でした。

「今サイザリヤは300店舗ほどになったが、今でも全ての店長が書く日報を朝の3時間を費やして全部目を通している。」

「さすがに一人がA4 1枚びっしり日報を書いてきたら全部を読んでいる訳にいかなくなってきたので社内では”店長の1行日報”と言って、メールのべた打ち1行の日報を書いて送ってくるようにしている。まあ、でも1行ってことはないがな。」

※仮に正垣さんの読む速度が日本人の平均600文字/分だと仮定すると午前中3時間で読める量は10,800文字、360文字/名×300名ということになります。A4 1枚びっしりの3分の1程度という感じでしょうか?

「店長の日報を読んでいると、ここの店は問題があるなと、ピンとくる。」

「ピンときたら午後からその店舗を見に行く。するとやっぱり問題がある。」

「これはお客が集中し過ぎだと分かれば、直ぐその日のうちに近くに店舗を出店することを計画する。そうやってお客さんを分散させて店長を助ける。」

どうですか?このカリスマ経営者正垣さんのバイタリティ?

こうでなければ、飲食業界において経常利益率10%のイタリアンレストランチェーンを築くことはできなかったのだと思います。

✅カリスマの凄さ⁉


『せっかくの機会ですのでどなたか正垣社長にご質問ある方は? はい、じーじさん、どうぞ』

(じーじ)正垣社長、ご講演ありがとうございました。一つ質問させてください。先程、社長は、300店舗の店長日報を全部読んで、問題を発見されているという話をされました。あと8倍、2,400店の店長が日報を書いてよこすようになれば、正垣社長は寝ずに24時間日報を読まなければならなくなります。サイゼリヤも上場企業として今後更に発展していくためには、権限移譲や組織運営をお考えだと思いますので是非お聞かせください。

(正垣社長)それでも私は全部読む。現場実態を知らなくて経営はできない。きっと私は全部読む。

どうですか?このカリスマの返答。すごいでしょ⁉

ここが、1代で会社を大きく発展させるカリスマ経営者の「強烈な自己実現意欲」「人一倍強い競争心」「人並みはずれた努力家」の凄さを物語っていてサラリーマン社長と違う点だと思うのです。

それにしても凄い回答だと思いませんか?
20年経っても忘れません。

✅ゴーイング・コンサーンを実現するために⁉


今の時代はSDGsだ、CSV(Creating Shared Value:共通価値創造・・・社会的価値と経済的価値の両立)だと叫ばれるようになりましたが、20年前の講演で高齢化社会・寝たきり・介護問題といった社会的課題に「健康に良い食材で安い手軽な料理を提供して病院にお世話にならずともコロっと死ねる社会に貢献したい。(今流に言えばサイゼリヤのパーパス<存在意義>)」という内容で話をされていたのは凄いです。

この後は、今流に言えば企業のサステナビリティ(企業が将来もずっと発展していく持続性)を実現するためにカリスマ経営者が陥る罠にはまらないことが重要だと思います。

それは、経営の一線から上手に身を引き、経営のプロたちに会社経営を任せることなのだとじーじは思います。

アップルしかり、マイクロソフトしかり、アマゾンしかりで、上手にカリスマからの経営移行を実現しました。

外食産業と言えば、高杉良さんの小説「青年社長」に描かれている和民のカリスマ創業者渡辺美樹さんも強烈な方です。(だから小説の題材になるとも言えますが)

ワタミ1号店の開店資金をためるために、割のいいトラックドライバーの仕事を体を壊すまで寝食を惜しんで働き、短期間で資金をためて開業にこぎつける「強烈な自己実現意欲」「人一倍強い競争心」「人並みはずれた努力家」として和民を成功に導くのですが、社員全員が自分と同じ思想であることを望んだ経営スタイルや発言が物議をかもし、一時は、経営の一線から身を引いていました。

しかし、なんと社長に復帰したそうですね。

ダイエーの中内さんがV革に成功した途端、功労者を外して自分が復帰し、長男を社長にしようと画策して、ダイエー帝国を崩壊させたようなことにならなければいいのですが、大丈夫ですか?渡辺社長?

1代で企業を大きくした創業経営者、そのカリスマ性に社員の多くも魅力を感じて一緒になって企業を大きくしていく一体感。

その成長過程の企業には「カリスマ」は必要な存在なのだと思うのですが、家内工業的な従業員全てが家族といった段階を卒業した企業には、成功したカリスマ経営者の思想だけではなく、経営を科学する理屈による経営という側面が必要になるのだと思います。

それを見誤ると社員の心は離れ、取り巻きYESマン(カリスマに意見できない)の社内忖度政治や指示待ち社員ばかりの企業体質が企業を駄目にしていくのかもしれません?

特に日本人のDNAには「島国根性」が焼き付けられていますから属人化・部分最適・長時間労働を美化してしまいがちです。理屈を煙たがる傾向があるので気をつけなくてはいけません。

さて、正垣さんのサイゼリヤはどうなっていくのか楽しみですね。
そんな正垣さんの20年前の講演を思い出しながら記事にしてみました。
いかがでしたか?

最後に正垣さん本人のインタビュー記事👇を貼り付けておきますのでご興味のある方は読んでみてください!


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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