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大人になってから二回目の未完成

最近ふと思ったことがあるんです。いま私は、大人になってから二回目の未完成の時期にいるなと。

一回目は、大学を卒業して就職してからの20代の頃でしょうね。社会人になってすぐはもちろん未完成という自覚もありますし、周りからも未完成の社会人として扱われていたと思います。

そこから20代後半でCMディレクターとして独り立ちしたので、明らかな未完成を感じる期間は短かったとも言えます。

いま私がなぜ二回目の未完成を感じているかと言うと、長編映画を作り始めたことと、英会話を始めたことでしょうか。

長編映画と英会話、この2つは奥が深いですね。私はまだその深いところに行くずっと手前の、東京ディズニーランドで言うところの、河口湖駅ぐらいのところにいるんですけどね。河口湖から東京ディズニーランドに行く高速バスのバス停付近にいるぐらいのイメージです。シンデレラ城なんかが見れるのはずっと先でしょうね。

まず長編映画は、2019年に初めての長編映画として『SHELL and JOINT』を撮りました。作ってみていろんな反応を経験しました。もちろん多くの素晴らしい経験も出来ましたが、同じぐらい、あるいはそれ以上に反省点や改善点などにも気付かされました。自分が思っている以上にスルーされてるな、とも思いましたw。

そして今、2本目の長編映画を作るべく、企画からあらすじ、シナリオに入っているところなんですが、ちゃんとした映画を作ろうと決めました。ちゃんとした映画というと語弊があるかもしれませんが、映画のカタチをしている映画にしようと思ったんです。

『SHELL and JOINT』がちゃんとした映画ではないかというと、私の考えでは、ちゃんとした映画ではありません。割と無理のある映画ですね。なぜそうなったのかと言うと、そういう映画を作りたかったからなんですね。

「ちゃんとしてない映画を作ろうと思ったのに、普通にちゃんとしちゃったかじゃねえかよ〜」が、割とあることだと思いますので、私の中では『SHELL and JOINT』は成功した作品だと思ってます。狙い通りにちゃんとしてない映画になりましたので。

で、次回作をちゃんとさせようと思って作ってるんですけど、ちゃんとさせようと思うと「作りっぱなし」「投げっぱなし」みたいなのは許されません。コース料理を食べに来たお客さんには、コース料理だと思わせなければなりません。幕の内弁当を出して「これがオレの考えるコースだ!」じゃダメなんです。何と言うか、作る側と観る側の共通したルールの中で作る必要があると言いますか。

「あんちゃんはさっきから何をグズグズあたりめえの事を書いてんだい?」と言われそうなんですけど、長編映画の脚本て、まあ大変ですね。ひとまず、感覚とか感性とかセンスみたいなところは置いといて、設計図を書かなきゃならない。私は短編映画ばかり作ってきたので、そういう緻密な工程を作ることをシビアに経てこなかったんです。

だから、超初心者なんです。長編2本目なのに初心者なんです。1本目が抽象絵画だとしたら、2本目で具体的な静物画を描こうとしてるんです。しかも、デッサンが狂ってない静物画をです。

だから今、ものすごく楽しくもあります。七転八倒しているうちに、パースが合ってくるんです。子供の落書きみたいなデッサンだったのが、空間や光が表現出来るようになってくるんです。未完成な時期ならではの喜びですね。成長しか無い。そして、どこまで成長できるかは、追求して追求しまくるしかないんでしょうね。

いやしかし、今頃そんな事やってて追いつけるのか?とも思いますけど、映画監督を目指している高校生なんかよりは、多少知見もあるんじゃないかと思っています。

同様に英会話もそんな感じなんですよね。毎日毎日、チビチビチビチビとやってるんですけど、数ヶ月やり続けると、数ヶ月前よりも成長してるんです。そして、完全に未完成な状態なので、発見と驚きばかりです。「こういう言い方があるのか!」とか「こんな単純な単語を組み合わせるだけで、こんな奥深い言い方が出来るのか!」とか思うことが多いです。

よく、中高6年間英語をやってるのに日本人は喋れないと言いますけど、中高でやってたのは、走り込みだけなんじゃないかという気がします。足腰を鍛えるところまではやってくれるんだけど、それだけじゃ野球もサッカーも出来ないと言いますか。

野球やサッカーが上手くなりたかったら、野球やサッカーをやるしか無いんだと思います。世界一走り込みをやっても、高校サッカーにすら出られない感じと言いますか。

私は今、野球やサッカーのルールを知る喜びを感じています。「オフサイドトラップってそういうことか!」と、ルールの中でいかに勝負するかみたいな面白さを感じているところです。

でも、試合に出てる時間が圧倒的に少ないので、スタメンにもなれてませんし、補欠にもなれてません。スタンドから応援している部員ですね。それでも、英語の勉強をすることが本当に楽しいですね。それこそ、未完成な時期だからこその楽しさなんだろうと思います。

大人になってからも、まだまだ楽しいことはありますね。新しいことを始めればいいんです。


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