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そろそろマジメに戻るか

ステイホームを始めて、もうすぐで2ヶ月になります。ステイホーム当初は、家にいることが義務だと思っていました。家にいるだけで「やってるぜ!」と思ってたんですよね。だから、昼間からフルフラット状態でゴロゴロして、何もしなくても「やってるぜ!」と思えてたんです。だって、テレビとかでも言ってましたから、「家にいることが仕事なんです。」「家にいることで人の命を守るんです。」などと。

でもゴールデンウィークが明けてから、その雲行きが怪しくなってきました。「雲行きが怪しくなってきた」とネガティブな書き方をするのは、私がずっとゴロゴロしていたかったからです。だって、ものすごく楽じゃないですか。サボリが合法化されたとすら思いました。

ワーカホリックだった私でも、一週間も家にいるとナマケモノになりましたね。こうなって来ると、ワーカホリックだったのは仮の姿で、ステイホームによって本性が現れたと言ってもいいかも知れません。元々持っていたサボリの遺伝子が刺激され、開花されたと言いますか。「断固として徹底的にサボっていたい!」と思うようになりました。

でも、せっかく確固たる意志を持ったナマケモノになっていたのに、連休が明けた頃から世の中がザワザワし始めました。「非常事態宣言が解除されないのはおかしい。」という声が大きくなり始めました。早く解除しないと、潰れちゃう会社や店がありますからね。私も経済は早く動かした方がいいと思ってます。でも日本人は不安の強い性質があるから、解除したからと言って、すぐにコロナ前みたく、バカみたいにデカい声で居酒屋で飲むことはないと思いますけど。

ニュースでは「気の緩み」なんて言葉をよく聞きますが、どっちなんだと思います。床屋や居酒屋の人の「早くお客さんが戻って来てくれるといいんですけど。」という声を流すのと同時に、専門家の「気が緩むとすぐに第二波が来る。」みたいなニュースを流すんです。どっちなんだよと思います。

「感染のリスクに細心の注意を払いつつも、しっかり経済を回し始めましょう。」と言った方がいいと思います。もっと言うと、感染のリスクに細心の注意を払いつつも、しっかり経済を回し始めるために、政府が積極的に後押しするべきだとも思います。

例えば、店員やお客が感染しないような構造にするために、店舗や劇場を改装するなら、キッチリそこに補助金を出すとか。何らかの物理的な配置やシステムを変えないと、今まで通りじゃ無理ですもん。

どこかの自治体が、「飲み会はフェイスシールドをしながらやりましょう。」って言ったり、「舞台に上がる出演者も原則マスク。」とか言ったり、その想像力の無さに愕然としますね。「家庭では家族横並びで食事。」も、ものすごいと思いました。それを思いついたとしても、世の中に公表する前に、それがどんなことなのか、自分たちで想像してみたんでしょうか。

例えば、ミュージカルの『レ・ミゼラブル』を観に行って、全員がマスクをしていたら、その設定がもうお笑いになっちゃってるじゃないですか。登場人物が出てくるたびに笑いが起きますよ。「おいおい、どこまでマスクしてんだよ。まさか、全員マスクしてんじゃないだろうな。全員マスクして民衆の歌を歌い上げてるよ!」って、お笑いじゃないですか。フランス革命で命がけで戦ってるのに、ズレたマスクを気にしてたらダメじゃないですか。

だいぶ話はズレましたけど、もはやサボっていられない空気になってきた気がするんです。夏休みで言うと、8月20日を過ぎた感じでしょうか。まだ一週間以上あるんだけど、もう終わっちゃうんだよねという空気感。切ないですね。6月になれば確実に「自粛ロス」なんて言葉を毎日聞くことになるでしょう。切ないですね。

そんな空気を察してか、私の中のマジメなヤツらが腰を上げ始めましたよ。4月以降、サボリ党が議席の3分の2を占めていたんですけど、下野していたマジメ党が盛り返しつつあります。結局、サボリ党は理論武装出来てないんです。圧倒的な世論を味方につけて政権に付いただけですから。ポピュリズムですね。だから、少し風向きが変わるとダメなんです。自由で融通が利いて面白い人達なんですけどね。

一方のマジメ党は、クソ真面目で面白くない人達なんですけど、言ってることに筋が通ってるんですよね。物事を将来から逆算して考えて、いま何すべきかを突きつけてくるんです。ツラいですね。真実なだけに。本当にイヤなヤツらなんですけど、何も言い返せません。ツラいですね。

私が想像するに、もうすぐ政権交代が起きる気がしています。サボリ党は個回下野したら、二度と政権を取れないんじゃないでしょうか。今回ほどの追い風はもう吹かないと思います。短命政権に終わりそうですけど、幸せな時代だったなとも思います。

だから私は、もうすぐマジメに戻っちゃうんでしょうね。切ないですね。いい思い出をありがとうございました。

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