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【英語コラム】カルネアデスの板

皆さんこんにちは。
水島ひらいちの八重です。

皆さんは倫理の問題好きですか?
…というとちょっと意味がわからないかもしれません。笑

あなたはトロッコの路線切り替えができる場所にいる。
今、トロッコのブレーキが利かなくなりこのまま行けば線路上で作業している作業員5人が轢かれて死んでしまう。
路線切り替えを行うと、5人の作業員は死ななくて済むことがわかったが、別路線上で作業している1人の作業員が轢かれて死んでしまう。
あなたは路線切り替えを行って5人を助けるか?

これは有名なトロッコ問題というやつです。

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命の重さを数量で表すと、当然ながら5人の命を助けたほうが良いでしょう。しかし、その結果1人の命を自らの手で犠牲にする必要があります。
人の命を救うために他の命を奪うことが許されるか?というのが最大の論点であり、今だに多くの学者を悩ませる倫理問題です。

さて、倫理を扱う問題で同じくよく取り上げられるのが、タイトルに書かせていただいた『カルネアデスの板』です。

法律用語で緊急避難とも言われるこの問題ですが、

『海で遭難した2人の人間がおり、救命胴衣1着を奪い合っている。
一人が助かるために救命胴衣を奪い取り、結果もう一方が死んでしまった。これは殺人の罪になるか』

という話となります。(法律上では罪には問われません)

さて、このカルネアデスの板という言葉、英語にするとPlank of Carneadesです。Plankというと、今はメジャーになってきているプランクトレーニングの、あのプランクです。

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元々Plankというのは『木の板』という意味があると知っていたのですが、
「ではBoardと何が違うのだろう?」
と思い、調べてみることにしました。

HiNativeという、言語の微妙な違いについて教えてくれるサイトでは
このような回答があったので紹介します。

In common use, the two are interchanged regularly, but a board is more likely to refer to any flat piece of wood, or sometimes a panel (as a chalkboard was mentioned). A plank is always longer than it is wide and is associated with being sturdy; a thick strip of wood used for building or flooring. If you point to any piece of wood and call it a board, most people will understand you. If you point to wood and call it a plank, people will expect a long, strong wood member.
(前後略)

Boardというと、薄くて平らな板(ホワイトボードとかそうですよね)、または小さめな木片を想像するようです。
これがPlankになると、がっしりした木の板(幅広な板というよりも長い板)であるというニュアンスを持つみたいです。

日本語で言うと、Plankは柱に使われそうな板ですよね。

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これはボードです。

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これがプランクでしょうか。


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ではこれはボードでしょうか、プランクでしょうか?

別の問題が出てきましたので、
これはボードプランク問題という倫理問題として
学会で発表してもらうことにしましょう。笑

いやいや、積年の謎が解けて嬉しいです。

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