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別れ話をしなきゃいけない

気持ちがもう動かない。こんな時が来るなんて思ってもみなかった。
私はーに別れ話をしなきゃいけない。

倦怠期が来ただけかもと思って、「倦怠期 気持ちが冷めた 違い」ってGoogle検索した。ごちゃごちゃの情報のなかで「相手がほかの異性とあっていることを想像して、嫉妬が起こるかどうか」「付き合ったばかりのころを思い出して、好きな気持ちがよみがえるかどうか」という基準を目が拾って、絶望というかやっぱりとおもった。わかっていた。

この関係はーが私を好きになってくれて始まって、今思えば私は、ーを好きになろうと努力していた。初めての恋人で、恋人同士らしいことをたくさんする中で、この関係がどんどん大切になっていった。心の支えだった。

私は恋愛体質で片思いすることが多かったから、好きという気持ちがどんなものかはわかっているつもりだ。相手のことを目で追ってしまうし、相手の好きなものを知れば好きになろうとする。そして視界に入ったり声をきくだけで、どきどきする。 

ーは前のバイト先で出会って、私のことを好きらしいとほかの人にきてから、少しづつ目で追うようになった。会えば話をするようになって、駅までいっしょに歩いていて知ったーの好きな音楽を聴いてみたりした。告白してくれた日のことは詳細に覚えている。帰り道でひとり「彼氏ができた」とつぶやいてみたことも。

でもどきどきはしなかった。好きなところはいくつもあるはずなのに、どきどきすることはなかった。それはずっと分かっていて、私たちは安定した関係なんだ、って思ってた。どんなに好きなひととでも長い時間のなかでどきどきはなくなるはずだから、最初からなくてもいいんだって考えた。

なんでこんなことになったんだろう。落ち着いたら同棲しようって約束してたのに。京都にも熱海にも北海道にも行こうって話してたのに。

こうやって書いていて、ちゃんと好きだったのかもしれない、て思い始めた。ちゃんと好きで、いろいろあって自然と気持ちが冷めたのかも。

クリスマスまでにどうするか決める。この関係を終わらせるなら、これ以上思い出が増えるまえにしよう。

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