ミュージカル『ジョジョの奇妙な冒険』初見感想①

2月21日に観てきました。
Wキャストはジョジョが松下優也さん、ツェペリが東山義久さん回。

まず私のジョジョへの認識を説明しておきますと、ジャンプ掲載時に読んでました。アニメも観てました、話は好きですが、なにぶん何十年前よって話(苦笑)
ジョジョの物語とテーマはミュージカルにすれば絶対に合うと思っていたので期待値はかなり大きかった。

東宝が創る漫画原作ミュージカルは今回が初めて。なんか、今まで見逃してきちゃった。
ホリプロの北斗の拳は観たので、漫画原作グランドミュージカルは初めてではない。
所謂2.5次元ミュージカルはテニスの王子様とか好きなので、それなりに馴染みがあるし、2.5には2.5の良さがあると思ってますので、特に偏見は持ってない(つもり)

このミュージカルは初動が初動だったので、3割増で厳しい目で見ている部分も自分の中にあったのは否めない。
初日を遅らせて、つまらなかったら激おこするぞこら、くらいに思っていた。
結果、激おこはしないので良かった。
でも、絶賛でもない。

原作の再現度でいえば、かなりの満足度とクオリティの高さはあった。
こりゃ、原作ジョジョ好きな人たちが集まって作ったミュージカルだわ。
もちろんそのままそっくりではないし、ミュージカルなりの解釈もあった。
でもいちばん大事な「世界観を壊さない」が守られていた。この漫画の荒唐無稽とも言える設定をよく作ったなと感心する。

ただ、私はすでにストーリーを知っているし、この場面をこういう表現にするのかという面白さがあったけど、全く知らない人が観たら理解できるのかな?と思う場面もあった。
原作ファンなら当たり前に知ってることなので、その原作愛に頼ってしまってる部分。私はストーリーを知らない私には戻れないので、原作未読のかたの感想に興味を持って、Xで読ませてもらってるが賛否両論あるのかな。

ちなみに、私は原作読んで主人公のジョナサン•ジョースターが嫌いでして😅 父親のジョースター卿も嫌いでして😅
推しキャラはディオ一辺倒。かなりディオ寄りの見方はしてると思う。
そして、脚本の元吉康泰さん、もしかしてディオ大好きですか? ディオへの解釈一致すぎて震える。ディオの内面をこういう風に書いてくれてありがとうございます(平身低頭)
ディオは極悪ではあるんだけど、どうしても抗えない血の運命に対する怒りや悲しみ、卑屈さと強さを抱える複雑なキャラクターだと思っているので、そこを改めて強調してるのが良かった!

まず、このミュージカルが出来るというニュースに、ディオ誰だよ合わないやつなら許さぬ!くらいの勢いだったのですが、配役が宮野真守さんだったので、よっしゃわかってる!となりました。
マモちゃんのファンというわけではないですが、彼の持ち味とディオは融合するという安心感。
実際に拝見して、想像以上にディオそのままだった。
動きもかなり研究されてるのか、すっごいジョジョ立ち。キザったらしさとか、ディオが持つ謎のカリスマ性とかの表現が上手い。
そして何より声色の使い方。
やはり声優さんなだけあって、声の表現力が素晴らしい。ディオの表の顔とジョジョに見せる裏の顔を一瞬で声の使い分けでわかるのが流石すぎる。

ディオの名言をどこでどうやって組み込むのかを楽しみにしていたのですが、まさかまさかの

「俺は人間をやめるぞ、ジョジョ!」

これで自分が泣くとは全く思ってなかった。
観る前は、高らかにジョジョに宣言して高笑いでもするのかと思っていた。

歌か!歌で来た!
しかも、なんだよ、こんな哀しみを込めて歌うのかよ!
「人間をやめる」にこんな意味もたせるのか!
私の解釈なので、生粋のジョジョファンの方とは相違があるかもしれないが、自分の中の血の運命(ある種の呪い)を断ち切るには、人間をやめるしかなったのか…ディオ!
人間世界ではどうしても叶わない、階級社会の中の理不尽に対抗するにはそうしなきゃならなかったディオの選択。
しかし、人間をやめたあとにも、ダリオの亡霊がつきまとうのは、どうしても断ち切れない運命の残酷さなのか。
(しかし、ダリオ父さんは『レディ・ベス』のアン・ブーリンとどっちがしつこいかくらいに、度々登場してディオディオディオって歌うから、最後の方はちょっと面白くなってしまった)

一方ジョジョのほう。
飛び出してきた「やめろぉぉぉー」の言い方が、まんまジョジョ。
うわぁ、私の嫌いなジョジョがいる(褒めてる)
子どもっぽい正義感の塊のジョジョ。
松下くん上手い。
実は松下くんはちょいちょい観てるのだけど、歌い方喋り方の癖なのか、ちょっとトロッとした感じ(伝わるかな?)が苦手なのですが、この感じがジョジョというキャラクターにすごく合ってた。
私が観た演目の中では、1番のはまり役では(だから、0番に抜擢されたわけだ)

他のキャラクターもそれぞれの御本人の持ち味とキャラクターの魅力がいい塩梅で融合されていたのだけど、特にすごいなと思ったのが、ワン・チェンの島田惇平さん。身体能力すごい。表現不可能なんじゃないかと思わせる荒木飛呂彦先生の作画からそのまんま抜け出した感。
やはり体を使えるって素晴らしい。

ダンサー枠と言えば、私の(ではないが)東山義久さま。
ツェペリ…原作ではスピードワゴンにおっさん呼ばわりされてるけど、義久さんのツェペリはダンディ❤️
漂い匂い立つ色気❤️ 溢れ出る男気❤️
立ち姿が荒木飛呂彦作画のまんま。相変わらずどこで切り取っても絵になるポーズ。
歌良き。後で書くけど、音響イマイチの中でも通る声。
かっこいいのよ!義久さんのツェペリ!
だからこそ言いたい、表現が難しいのはわかるけど、ツェペリの最期が呆気なさすぎないかー!!!
もうちょい魅せてほしかった。
東山義久さんと廣瀬友祐さんという、かなりの実力の俳優起用しておいて、これなない(号泣)
ツェペリが一瞬主役になるシーンが欲しかった!!!
ここに対しては文句言っておく(苦笑)

カテコで音楽流れて盛り上がるとこあるのだけど、義久さんが軽く踊っていて、そのちょっとした踊りでもかっこよすぎて目の保養。あぁ、軽やか。
ジョジョで東山義久さん気になった方いたら、ダンス公演観に来るのオススメしたい。
カッコいいなんてもんじゃないです。

長くなったので一旦切ります。
②に続く



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