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ミュージカル『ベートーヴェン』初日 二日目 観劇感想

日本初演のこちらの演目、初日と2日目に観劇してきました。
個人的な事情があり💦 初日に向かうのがめっちゃ気が重かったのですけど、観ることが出来て良かったと思うし、通うことも苦痛でしかなかったけど、これなら通えるなと思ったので結果良かったです。
(このチケ難の舞台に通うのが苦痛とは何事かとお怒りを受けそうなのですが、それくらい個人的事情が重いことはお察しください)

で、通えるなとは思ってますが、私的には大絶賛とも少し違います。
初日を観た限りでは、先月観たルパンの満足度は200%だけど、ベートーヴェンに関しては60%くらい。
これも個人の感じ方の差だと思うけど、思いの外私はルパンにハマってしまって、もっとチケットとっても良かったかなぁと思ったりもしてます(次、長野までお預け)

ベートーヴェンは繰り返して観たほうがよりよく作品を理解できる演目ではないかとは思うので、今後感想も変わるとは思うけど、初日の感覚は書き残しておきたいと思ったので書いておきます。

もう一度書くけど、絶賛ではなく少々辛口です。

こちらの演目、韓国上演のときに小耳に入ってはきていたので、ベートーヴェンの生涯と苦悩というよりはトニとの恋物語なことは理解していたのだけど、その恋物語が私には少し物足りなかった。
物語を語るにはちょっと構成が雑だなぁと。
やはり、この演目は、まず音楽ありきなのですよね。
だから、音楽を期待してる人には非の打ち所のない演目と思えるかもしれない。
私はもともと、音楽<ストーリーなところがあるので、いくら音楽が良くても物語が自分に刺さらないと、ふ〜んで終わってしまうタイプなもので。

そういや、韓国ミュージカルでストーリーに関してはボロカス書いたわと思ったのがJtRで、その時にミュージカルの3時間という時間枠では、出会いは唐突という記事を書いたのだった。

説明する時間枠がとれないから一目惚れで始まる物語は多い。
ベートーヴェンもものすっごいベタな展開で2人は出会う(笑)
そして、自分のことをわかってくれる女性にのめり込む(ありがち)
このあたりは、私も納得している展開。
じゃあ、なんでモヤモヤするかってのを2回目観て思ったのだけど、別れも唐突すぎるのよね。

同じクンリー作品で比較して語るけど、世間では『レディ・ベス』の評判ってイマイチだったりするけど、私はけっこう好きなんですよ。ベスのイマイチなところは、訳詞が直球すぎて情緒がないところで、ストーリーの構成はめちゃ良いと思ってます。
ベスの良いところは、別れにキチンと意味があり、別れがあるからこそ、それぞれの立場がハッキリし、別れはあったかもしれないけど心の中でその繋がりは消えないし、愛を知って強くなれたところにあると力説したい!(私はベスの再演をけっこう待っているのだが)

私にはベートーヴェンの別れがどうにも納得できなくて。あまりにも唐突すぎへんか?
え?そんな理由で運命の人をあきらめるの?もっと2人で進むべき道を模索することはできるんじゃないか?あきらめるにはあっけなさすぎないか?
そこが、引っかかる。
『不滅の恋人』を謳ってるのに、そこまで大事なものをそんなにあっけなく手放すの?
相手の幸せを願ってる風だけど、トニの旦那は最低最悪やでー!!!
努力が足りん…と思ってしまう(苦笑)
不滅の恋人とか呼ぶくらいに大事にしたいなら、もっと藻掻いて足掻いて、それでもだめなら諦めるという選択すればいいじゃないかー!!!

で、2人が別れたあとに、ピアノの周りでヒラヒラ踊ってる人達(ゴーストでいいの?)が、お前は音楽に命を捧げろーみたいなこと言ってて(諸事情あって、ヒラヒラの人達をなるべく視界に入れないようにしていたから、考察は今後徐々にするからうろ覚えだが)、いやそりゃ天才ゆえに個の生き方が尊重されないのが天才の残酷な運命ではあるんだけど、ひでぇな!とか思っちゃうのよねぇ。
今後、このシーンを平然と観られるようになったら、私号泣するかもなとは思ってるけど。

なんか、2人の別れがモヤるのだわ。

ベートーヴェンの天才ゆえの孤独を主題としたいなら、あんまり恋愛モノよりにしなきゃよかったのでは?中途半端な気はする。
だから、韓国では賛否両論だったのかな。

日本は初日盛り上がって、カテコすごかったけど、あれは演者の圧巻のパフォーマンスとか音楽のよさ、舞台セットの迫力に客席が飲み込まれたのと、初日の高揚感が+αを生んだと個人的には思っている。
この演目がつまらないと言いたいわけではないけど、作品としての本当の評価はこれからかなとも思ったりしている。

音楽の良さは当然なんだけど、座った席のせいなのか、初日はオケと歌のバランスがあまり良くなくて。
芳雄さんや海宝くんでも歌詞が聞き取りにくいってどういうことなの?と思ったんですよね。2人の歌唱力に対して私は信頼があるので。
そんな中、シュガーさんだけはオケの音飛び越して歌を届けてきたので、マジでこの人すごいわと感動した。
そしたら、2日目に芳雄さんがリミッターいきなりはずしてきて、爆音響かせていたので、私が聴きたかった芳雄さんはこれー!!!と興奮した。
芳雄さんの調整力はすごいな〜。
後半になればなるほど、上がってくる方ではあるので(花總さんも)これは大千秋楽が今から楽しみだなと思っています。

ストーリーに穴がある場合、なかなか没入して涙することができない私ではありますが、2日目にしてこの演目は音楽を楽しめばよいかって割り切れたので、通えそうです。
実際、2日目についウッカリ、オペラグラスをクロークに預けた荷物に入れちゃって、そのままオペラ無しで観たのだけど、なくてもOKだった。
ただ、2日目にも小野田くんとサカケンさんの歌唱はこんなもんじゃないのにな〜、バランスがイマイチ…となったので、これは座席のせいなのか音響のせいなのか、どっちだろ。

辛口感想ではありますが、もちろん虚無舞台ではない。
刺さるか刺さらないかは個人による。この個人による感想が飛び交う舞台こそが、演劇としては良いことなのではないかと思ったりするので−私は画一的な感想や褒めるばかりの感想を良しとは思わないので−、今後どういう感想が飛び交うかを私も楽しみにしたい。
私自身の感想も変わっていくだろうから、出来る限り文章にして残したいと思ってはいる(書く時間が取れるかどうかだ)

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