ジャック・ザ・リッパー感想①‐それは愛なのか?

ミュージカル ジャック・ザ・リッパー
実はどこが面白いのか説明できないのにハマってます。
なんだろう、このミュージカルの味は。
後味の苦味がいつまでも口の中に残ってるような。

盛大にネタバレしますので、未見かたは読まないでください。
あと、この記事に書くのはダニエルのほぼ悪口です。ダニエル好きな方と読まないでください(苦笑)

一応、両方のダニエルを観ましたが、木村ダニエルのほうが多いので、ほぼ木村ダニエルから受けた感想になります。

ちなみに木村達成くんは次世代ミュージカルスターの筆頭株だと思ってますし、かなり好きな芝居をする役者さんです。

しかし、しかし…

ダニエルめっちゃ嫌い

中の人関係なく、ダニエルというキャラクターがめっちゃ嫌いです。
もうツッコミしかないです。
お前、それマジで言ってんの?と毎回心のなかでツッコミまくりです。

でも、ジャック・ザ・リッパーはめちゃ面白いなと思うのです。不思議…。

そんなわけで、ダニエルへのツッコミをぶちまけていきたいと思います。

いや、ダニエルは基本いい子なんですよ。見知らぬ人に病院代出しちゃうくらいだし。
でも、そんな"いい子"が狂うとこうなっちゃうんだーって話ですね。

私の恋愛脳可動域が極端に狭いこともあるんですけど

え?グロリアのどこに惚れたん???

というのがわからない。
いや、一目惚れは確かにない話ではない、ミュージカルの恋人たちなんて、ほぼほぼ理由もなく牽かれ合う(じゃないと、ドラマにならない)
しかし、ダニエルの恋のおちかた、マジでわからん💦💦💦

しかも、ジャックを裏切った代償にグロリアは火に包まれるのを、なんで自分のせいだって責めるの???
ジャックみたいなキチガイに喧嘩売ったグロリアの自業自得じゃない?
ダニエルにはなんの責任もなくない?

…まぁ、こんなこと言っちゃうと物語が成立しなくなっちゃうんですけど(苦笑)

しかも、そんな特に理由もなく一目惚れの相手の命を救うために殺人までおかすって浅はかすぎない???
なんてことを思ってしまうのです。
殺されたほうはたまったもんじゃないぞ。

恋は盲目とも言いますし、それくらい強烈な恋に落ちたのだなと思えればいいのでしょうけど。

私はこういう男めちゃ嫌いだし、誰かの犠牲の上に自分の幸せを築くっていう構図が大嫌いなんですよねぇ。
なのでダニエルに対して一ミリも同情できない。

しかも、しかも、2幕のダニエルなんてものすごい自分勝手。
ネタバレしちゃうと、ジャックの影を理由にして自分が殺人おかしてるのに、「医者としての良心が~」とか、マジで何いってんのです。イライライライラ。
しかもジャックの影に「1死体につき10万ポンド」とか言わせちゃって、代償にお金を払って良心の呵責をチャラにしようとするのにもイライライライラ。

これが愛というのなら、愛とはなんと安っぽいのだろうと思ってしまうのですよねぇ…。

私はダニエルには、自己満足なヒロイズムを感じてしまって全面拒否になってしまってるんです。
"可哀想な"グロリアの境遇に同情して、そこから救い出す自分に陶酔してるように思えてしまう。
深読みになるかもですが、もしかしたら医者として救えなかった命への懺悔をグロリアに重ねているのかもしれないけど。
だからといって、犠牲の上に愛を成立させるのは絶対にあかんやつだと思う。

ダニエルの告白を聞いたあとに「二時間も惚気話を聞かされた!」と蹴りつけるアンダーソンに、その気持ちわかるわ!となります。

もちろん、歪んだ愛は成就するわけもなく悲劇で幕を閉じるわけですが、そりゃそうだわと突き放して見てしまう。

ものすごく褪めた目でダニエルを見てしまうけど、ストーリーを面白く感じるのは木村、小野両名の芝居の上手さ。
上手いからこそ、私にここまでの嫌悪感を抱かせるのかなとも思ったり。

私にダニエルの愛が理解できる日はくるのだろうか。


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