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HIRAN 輪廻転生(RINNETENSHO)について

飛鸞の五代目蔵元杜氏をしております。
森雄太郎です。

前回のきょうかい12号酵母についての記事について私の拙い文章にも関わらず多くのスキ&フォローをありがとうございました。
励みになります!

今回は、昨日発売日を迎えました新商品「HIRAN 輪廻転生」の誕生秘話(少し大袈裟ですが)についてお話しようと思います。

誕生のキッカケ

早速ですが、皆様にとって好きな季節はいつでしょうか?
私は、昔から冬が好きなんです。
クリスマス、お正月、そして私の誕生日と何か特別なことをする訳ではないんですが、楽しいイベントが待ってる感じがあってワクワクする季節という事で好きなんだと思います。現在、酒造りに携わるようになってからは寒くなってくると酒造りの時期がきたと思ってワクワクしますしね。
なんとなく冬という季節に縁を感じております。

そんな私にとってワクワク、ドキドキする年末年始を多くの方に楽しんでもらいたいと思って新酒第一号を「HIRAN HAPPY NEW BORN」という楽しそうなネーミングのお酒を毎年リリースしてるのですが、、、
毎年お正月に決まって飲む新年を祝うお酒だったり、家族、親戚が集まってワイワイ楽しく飲むようなもっとピンポイントなシーンのお酒を造りたいなと思ったのがきっかけで今回紹介する「HIRAN 輪廻転生」は生まれました。

名前の由来

輪廻転生はご存知の方もおられるかもしれませんが、簡単にいうと『生まれ変わり』を表した言葉です。輪廻は「車輪」を表し、転生は「生まれ変わり」を表すと言われております。干支も十二年サイクルでグルグル回ってるという事で干支は輪廻転生を表していると言われております。この輪廻転生の考え方は宗教によって捉え方は様々ですので、ここでは深く考察しませんが、十二年の物語をお酒として表現できないかと考え、「HIRAN 輪廻転生」というタイトルにしました。

毎年一年生

酒造りは、そもそも再現性を求めるのが難しいものづくりです。
同じ設備を使ってもネジ工場のように寸分も狂わないようなネジを生み出すみたいな事は不可能に近いです。それは、お酒の出来が関わってる原料と微生物、そして人に起因しているためです。
お米は、毎年その年の気候で同じ品種でもでき方(質・量)が違います。
九州と東北では全然違いますし、もっというと私の蔵がある長崎県内でも全然違います。これは、育った環境が違うと品種は同じでも性格が少し違ってくるためです。
最近は、高温障害でお米の溶けが悪かったりします。
※お米の溶けが悪いとお米(デンプン)を甘味(グルコースなど酵母の栄養分)に変換しにくいので発酵コントロールが難しくなります。個人的には、苦味が目立つ酒質のお酒が多くなるような印象を受けます。

微生物に関しても同じ事が言えます。同じ酵母、麹菌を使っても育った環境(蔵の環境、扱う人のクセなど)によって違いが出てきます。そのため、私たちは毎年違う環境の変化に対して前回上手くいったからといって同じ作業をしても同様に上手くいくとは限らない世界にいるのです。

そういったところから「毎年一年生のつもりで酒造りには向き合わないといけない!」という言葉が受け継がれてきたのでしょう。(誰から言われたというよりこの業界に言い伝えれている呪文のようなものです。)

それでも酒造りに携われば携わるほどその通りだと思うことが実際多いです。

再現性を求めない酒造り


飛鸞の酒造りは、驚かれることもありますが、毎年、仕込配合、発酵操作など、ほぼ全ての工程をこれまで行ってきた通りにやることはありません。毎年、少しずつ変更してます。(もっというとロットごとに全部違います。)
先程紹介した「毎年一年生〜」の言葉はその年の環境を見極め、対応しないと同じように良いものは作れないということなんですが、
私たちが取り組んでいる毎年一年生は少し意味合いが違って、
「その年の発酵の違いを楽しむ」といった違いと変化を求め再現性を求めない酒造りなのです。

誤解を生みそうですが、この考えは、おそらく再現性を求める=安定=停滞という考えが根底にあるためだと思います。
この思考回路に入ると私の場合、現状に満足して進化しない気がしてます。
※これはあくまで個人的感覚です。

こういう思考回路のため私は、再現性を求めるのに価値を見出せていないです。「みんな違ってみんな良い」どこかで聞いたことある言葉ですが、私はその通りだと思っていて、欠点が多いと思えるお酒もこの食材、料理と合わせるとこのお酒だけあれば大丈夫ですみたいな事もあったりする訳です。必ずどのお酒にも魅力があって、その場では見えていないだけなのかなと、、想像通りにいかなかった時を楽しんでると想像超えてきた時に再現性を求めるスタンスでは感じられない感動を純粋に感じれる気がしてます。

酒造り・日本酒の魅力


酒造りの魅力は、再現性が難しいが故に多くの物語が生まれやすいという事ではないかと思っています。
怖いけど変化を求めていかなければ進化はなく、変化しなければそこには停滞または風化しかないと、、、

もしかしたらこれまで飛鸞を飲まれた方であの時の飛鸞の方が良かったなと思われている方もいるかもしれません。私も今まで造ってきて思い出深いお酒がたくさんあります。中には、再現してみたいなと思うようなお酒もありますが、ただ、そのお酒を追い求めていたらその時の感動は越えれないと思っているので、その時の感動を超えるお酒に出会うための布石を打つ(変化する)というある種のリスクは承知の上で常に行っています。

今回の輪廻転生もきょうかい12号酵母という主役を軸に毎年違ったお米、違った環境の中で紡いでいく発酵物語をより多くの方に楽しんでもらえたら嬉しいなという想いでスタッフ一同造っております。
この作品の魅力は、毎年お米が違うので、絶対的な変化を感じられる作品という見方もできるかもしれません。2024年は山田錦を使用してますが、12年後の山田錦は気候変動など相まってまた全然違ったものになってるかもしれません。
私も40代ですからね、、、なんか年齢の話になると怖い話になりそうなのでやめときます。

また、輪廻転生はオリがらみ仕様ですので、蔵でお酒を搾ったら終わりではなく、まだ瓶内で発酵が続いている状態で各酒販店にお届けしております。そして、皆様が飲んで初めて物語は完結しますので、もし飲む機会がありましたらその瞬間にしか味わえない発酵の物語のフィナーレを飲んで体験して頂けたら幸いです。

12号酵母についての話はこちらをご覧ください。
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ご縁に感謝。


最後に、
作品はお酒の味だけが全てではありません!瓶、ラベルなど資材全てが合わさって作品です。
今回、輪廻転生の辰年ラベルを設計して頂いた大切なパートナーをご紹介します。
龍といえばこの方、、、傾奇者「劒朧(けんろう)」様です。

書道技術はもちろんのこと、その場の感覚で描く書道パフォーマンスは圧巻です。
私が初めて劒朧さんの作品を見たのはInstagramでした。
龍をメインに数々の作品を作られているのですが、墨だけで描く龍の躍動感に衝撃を受けました。動画もオススメです!
一種の一目惚れみたいなとこからすぐに共通の知人であるもりりんさん(日本酒インフルエンサーInstagramアカウント:@moririn130)に連絡をとり繋いで頂いたのが出会いのきっかけだったと記憶してます。
それからというもの県内限定酒である「飛鸞 Classic」、「HIRAN Heaven」と躍動感ある和モダンな作品からステンドグラス風のアート風の作品まで幅広くHIRANの作品の大事な部分を手掛けて頂いております。


今回の輪廻転生のラベルは、「昇り龍」という縁起の良い構成に2024年のトレンドカラーに青があるという事で青ベースのカラフルなデザインになっております。
飛鸞というお酒は本当にいろんな方とのご縁で成り立っております。
ご縁に感謝です!!

劒朧さんはこれからもどんどん活躍されていく方ですので、今回初めて知った方はこれを機に注目してみてください!

チェックしてみて下さい。
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もし、私の干支の時はこのお米使って欲しい!!といった思いのある方がおられましたら、熱いエピソードと共にLINE公式の質問箱に投稿して頂けたらと思います。もしかしたらその思いが届くかもしれません、、、

お待ちしております!!

今回も少し長くなってしまいましたが、最後まで読んで頂きありがとうございます。

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