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20240420 『ガンダム大地に立つ!!』 

(本日主宰の松本が取材中のため、代わりに鈴木大倫がお届けします。)

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先日フィナーレを迎えたGUNDAM FACTORY YOKOHAMAへ、会期終了間際滑り込みで行ってきた。

実物大のガンダムはこれまでお台場や福岡でも見たことがあったのだが、横浜のガンダムは実際に動くというのが他とは違う。

当日は雨模様だったけど、雨に濡れながら歩いたり様々なポーズをしてみせるガンダムは堂々として迫力があり、ファンとしては震えるような、誇らしいような思いがした。ひとつ夢が叶った気分だ。ジオン兵はこんなのと戦わなければならなかったのか…実戦配備はザクのほうが先だけれども。

ファンということを抜きにしても全高18メートルもある人型の物体が目の前で動く様はそれだけで圧巻だった。

ひと通りの動作演出を見物し、気付けば3時間ほど経過していた。
満足して出口に向かうと『機動戦士ガンダム』の原作者、富野由悠季さんからのメッセージが掲示されていて、それはこんな言葉から始まっていた。

「見に来てくださってありがとう ごめんなさいと言わせてください」

この企画は当初「本当にこの大きさで歩くガンダムをつくろう」というところから始まったという。その為に建設用重機の開発者や二足歩行ロボットの研究者などたくさんの「おじさんたちやおばさんたち」と協議を重ねた。
ところが18メートルのガンダムが歩こうとすると片足が地面から浮いている時間が長すぎて倒れてしまうことがわかった。歩くロボットが作られるようになった現在でも、この大きさのロボットを制御する技術はまだ開発されていない。

また18メートルの物体を"乗り物"と認める法律がなく"建造物"として作る必要があった為、絶対に倒れない建造物として製作する必要があった。
たしかに手足を動かし歩いているように見せていたガンダムは、背部を後方の支柱に繋ぎ地面からは浮いた状態だった。

それでも僕はまるで本物のようだと感激していたのだけれど、富野監督はまるで本物どころではない、本物のガンダムを作ろうとしていたのだ。

富野監督の言葉からはこれが今の精一杯であることの悔しさが滲み出ていた。
『機動戦士ガンダム』の第一話サブタイトルは『ガンダム大地に立つ!!』。その悔しさは本物であったろうと思う。

そしてメッセージはこのように締めくくられていた。

「二本足で歩かせることができなかったので、悔しいと思っています。ですから、君たちにお願いしたいことがあります。もっと乗り物として動かしたいと思う人は、このガンダムを見上げて、解決しなければならない問題がいっぱいあるのだ、という想像をして、その解決策を考え出してほしいのです。」

それは人類の革新を描くガンダムシリーズに相応しいメッセージに思えた。

いつか本当に歩くガンダムができたらその時は杖をついてでも見に行こう。そんなことを考えながら中華街で食事をして帰った。

鈴木大倫

土浦合宿より 写真:小川哲也

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