見出し画像

サンリオアニメ『リルリルフェアリル』シリーズ感想

※アニメ『リルリルフェアリル』シリーズのネタバレあります。


ご無沙汰こかせていただいてます。

さて久しぶりのnote更新はサンリオアニメ『リルリルフェアリル』シリーズの感想を。
これまでサンリオアニメはテレビシリーズやビデオシリーズ、映画など観れる範囲のものはほぼ観てきたが、『リルリルフェアリル』シリーズに関してはなんだかんだで後回しになってしまい、ここへきてようやくといったところである。全然関係ないけどオリンピックの時期だしね。

『リルリルフェアリル』がキャラクターとして生まれたのは2015年。アグレッシブ烈子や歯ぐるまんすたいるが同期である。

アニメが始まったのは2016年。以降2019年まで3シーズンに渡り放送されている。

ざっくりとした設定としては第1、第2シーズンに関してはストーリーがつながっており、リトルフェアリルと呼ばれる世界に住む妖精・フェアリルたちが学校の授業や、ビッグヒューマルと呼ばれる人間の世界の住人らとの交流を通し魔法やら友情やら恋愛やらを学んで成長していく物語。第3シーズンでは第2シーズンまでのストーリーとのつながりはなく、設定も一部変更された新しい展開となっている。


そして放送枠はテレビ東京の伝統ある『おねがいマイメロディ』及び『ジュエルペット』シリーズの枠(現在は『ミュークルドリーミー』を放送中)。『おねがい』と『ジュエルペット』に関しては僕の中でサンリオの2大傑作アニメとして君臨しているので、否応なくハードルが上がってしまう枠だが、37歳独身芸人が観て思ったことを正直に書かせていただこうと思う。


まず思ったのは『リルリルフェアリル』は実は女児向けアニメなのではないかということ。37歳独身芸人向けに作られたアニメでは実はないのかもしれない。

勿論フェアリルたちの持つ趣向だったり繊細な悩みだったりが女の子のそれにリアルに寄り添ったものであることは当然わかる。アニメを通して普通の女の子というものがどんなことを考えているのかがなんとなくわかるという意味では、明らかに大人でも楽しめる『おねがい』や『ジュエルペット』よりもまっすぐ女児向けの作品であるといえる(『ジュエルペット』はシーズンによるけど)。

そのあたりに関してはまあ予想できてはいたことだが、あくまで個人的な目線として最も気になったのは人間の男性キャラである。主にメインとなる「花村望」、彼のキャラクターがデザインも含めてちょいと慣れるのに時間がかかってしまった。
まあ一言で言うと「そんな奴おらへん」的なことである。よく少年漫画などでも女性の目線からしたら「こんな女リアルでいるわけない」という意見を聞いたりするが、その気持ちがわかったというか。

なので男目線からしたらさすがにいなすぎて感情移入できないキャラではあったが、大多数の少女たちにとっての理想とする男性像という需要に合致しているようなら、これはこれで正解なのだと思う。なぜなら37歳独身芸人向けに作ってないから。同じく人間キャラの「風間優斗」もかなり少女たちにとっては仕上がったキャラに映るだろう。そういう意味でこのアニメの監督が男性というのはかなり驚きである。


良かったところでいうなら、特に第1、第2シーズン前半~中盤あたりにおけるリトルフェアリルで起こる色々な問題にフェアリルたちがわちゃわちゃやっている感じ。要はギャグシーンメインの回である。

前もどっかで書いた気がするが、僕が基本サンリオアニメに求めているのはシリアスではなく、軽いノリのギャグやほのぼの系。可愛いキャラクターたちが皆でちょっとしたことを一生懸命やっていたりするだけでもう満足なのだ。緊張感、スリル、いらねぇ。

だからこそ終始ギャグを忘れなかった『おねがい』シリーズや『ジュエルペット』シリーズ(シーズンによるけど)、ひたすらほのぼの系の『シュガーバニーズ』シリーズは最高なのである。

そういう意味で第1、第2シーズン前半~中盤あたりはまさに僕の理想とするサンリオアニメのノリだったのでとても良かった。

最も印象に残ったのは第1シーズン18話のBパート『イケメンジョダンスでビュ~チフォ~!』の回。珍妙なダンスが止まらなくなってフェアリルたちが皆で踊り続けるというわけのわからん回だが、とにかく可愛くて最高だった。そしてこのダンスの曲がどこかで聴いたことがあると思ったら、ピューロランドで少し前までやっていたショー『リルリルフェアリル大行進』で流れていた曲だった。ピューロで通りすがりに聴いていたときもちょっと耳を引く曲だなと思っていたが、マイナー調のミステリアスなイントロの雰囲気といい、サビのシンセによるグルーヴ感といい、かなりかっこいい曲である。そんな本格的な音楽評論いらねえってか。

その反面終盤だったりとか、時たま人間キャラが絡む回になると途端にシリアスな恋愛要素が入ってくるので、そのあたりに関してはちょっと疲れるところではあった。シリアスシーンにより人間味が出てきてしまったりっぷを「可愛いキャラクター」として見づらくなってしまうので。

フェアリルと人間の恋愛に関しては、その条件の重さと望の決断に対して大人の目線になってしまうが疑問に感じるところではあった。家族や友人のことを想うとね。


ちなみに『ジュエルペット』シリーズ同様、キャラクターの数がとにかく多いのが特徴でもある。まあリトルフェアリルという一つの世界の住人なのだから当然だろうが、そう考えると『おねがい』におけるマリーランドの住人の少なさは異常だった。

さらにその数多いキャラクター全員がしっかりとそれぞれの個性と役割を持っており、デザイン的にも主役級を張れそうな子が揃っているため、出番は少なくても影の薄いキャラはいないという、キャラに対するスタッフの愛を感じられるアニメでもある。

そんな中でも僕のお気に入りはバグズフェアリル(虫のフェアリル)のスパイダー。
クモのフェアリルで、クールな性格に黒魔術研究、悪巧み顔が似合うが根は優しいという、『おねがい』でクロミ様、『ジュエルペット』でダイアナ、『ミュークルドリーミー』でゆにを推してきた僕の嗜好方程式そのまんまのキャラである。明快だろう。呆れ返れよ。

ただ悲しいことにこのスパイダー、出番が少ないのだ。第1、第2シーズンでそれぞれメインの回が1回用意されているが、あとはちらほら映ったり一言話したりするだけ。第3シーズンに至っては1秒たりとも出てこない。
まあそもそもキャラが多いアニメだし出番が少ないキャラは他にもたくさんいるので仕方ないが、スパイダーを気に入ってからはその出番の少なさに、もはやスパイダー待ちのスタンスで観るようになってしまった。そしてたまに登場するとやたら嬉しくなる。そしてどうでもいいけどスパイダーマンみたいな技も使ってた。そしてhideの『ピンクスパイダー』の歌詞みたいなことも言っていた。

あとはこれまた出番は少ないがウェザーフェアリル(天気のフェアリル)のおゆき、メインどころのひまわり、バグズフェアリルのホタルなんかもお気に入りなところ。


第3シーズンではこれまでの流れを汲んでいないため、登場人物や性格は変わっていないが、あれだけ悩んで成長したキャラたちの色々なことがリセットされてしまったようでどこか空虚な寂しさも感じた。ただ等身大のリアルな少女の悩みに丁寧に寄り添って解決していくというコンセプトは非常に見やすく、少女たちにとってある種の人生初期の教科書として優秀な出来ではあったのかなと思う。スパイダーが出てくれりゃ…。



というわけで1500文字くらいでさっとまとめるつもりが結局また長くなってしまった。
総合的な評価として『おねがい』や『ジュエルペット』と比べてしまうのは酷かなと思うが、充分楽しめる内容だった。スパイダーというキャラを発見できたのが何よりでかい。

そして改めて言うが、このアニメは37歳独身芸人をターゲットに作られた作品ではない。なので明確なターゲット層である女児の皆さんが楽しめていればそれで大正解なのである。


以上、独身フェアリルのファラオさんでした。



気が向いたらお願い致します。サンリオ資金にさせていただきます。