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提出期限を守れないので結果を出せない

僕は、
中学生まで
通知表の成績は良かった。

まぁ、
みなさん、そんなもんだと思うけど、
大体「5」で、
ちょっと苦手な科目は「4」
だったりして。

きっとこれが
少し勉強が苦手な人は
大体「4」で、
たまに「3」、
とかだったりするのかな?

*************

そんな中学時代、
唯一、成績が悪かったのが
「美術」だった。

「1」はなかったような気がするけど
大体が「2」だった。

何でだろう?
わからなかった。

「美術」はかなり
好きな科目だった。

「写生大会」とかで
外を散歩出来たり、
粘土を丸めたり、
かなり「遊び」に近い。
席を自由に動き回っても
かまわない授業だから。

という理由だけではない。

何かアイデアが湧くと
そこに真剣に向き合えるから。

何かが叶いそうな氣がして
楽しい「予感」を
感じていたんだ。

でも、
なかなかアイデアが湧かなくて、
いつも作業に取り掛かるのが
遅かった。

・・・そして、

提出期限が過ぎても
学校に提出せず、
夏休み、冬休みになっても
作業を続けていた。

続けていた?

いや・・・

あ、うん。

続けてたりもしてた。

*************

納得するまで完成させるか、
途中で諦めて投げ出してしまうかは、
自分次第だった。

*************

そして、
中学3年生ともなると、
テキトーに描いて、作って、
とっとと作業を終わらせて、
「みんな」と同じように、
ふざけたり、
遊んだりするようになっていた。

これが「美術」の授業の
醍醐味だよね♪
って感じに。

「美術」が
「サボれる時間」に変わった。

*************

すると、
通知表の成績が「4」とかに
上がったのである。

しばらくの期間、
わけがわからなかった。

なんで真剣に「美術」を
している時は
成績が悪くて、
サボっている時の方が
成績が良いんだろう?

*************

僕なりに見つけた答えは、
たぶん、間違っていないだろう・・・。

僕は、きっと、
美術の授業で作った作品を
「提出」していなかったんだ。

提出したとしても、
かなり期限を過ぎて
提出することが
ほとんどだった。

*************

僕の性格が出ている。
そしてその後も、
この性格が
僕の人生に反映されている。

*************

結果を出せない。

どんなに時間をかけて
真剣に何かに取り組んでも、
提出しなければ、
期限を、
タイミングを逃してしまえば、

結果は出ない。

「評価ナシ」という結果・・・。

*************

「中学の美術の成績」

これの原因に氣付いた時、
最初はそんな評価基準の
「成績」というシステムに憤り、
・・・その後、笑ってしまった。

そうだよね。
作品を見なきゃ、
先生も評価できないよね(笑)

先生の決めた締め切りに
遅れたりなんかすると
先生のその後の仕事にも
影響が出てくるし、
やっぱり期限内に完成させて
提出すべきだよ。

*************

サボっていたわけじゃない。
でも、結果は、
制作のために与えられた時間で
何をしてた?

あそんでいた。

無駄に心を
遊ばせていた。

モラトリアムのまま
時間を過ごしていた。

*************

高校3年生の選択科目は
「美術」を選んでいた。

「音楽」ではなく、
「美術」だった。
やっぱり好きだったんだよね(笑)

2学期ともなると、
みんな、受験に向けて
「必要」な科目へ
努力を集中させる。

「美術」は
出ても出なくても
どっちでもいいような
先生も公認の科目になっていた。

僕は
進学も就職も
する氣がなかった。

家を出て、
アパートで一人暮らしをして、
当時、ろくに楽器も弾けないのに
自分の音楽で、
何らか表現して、
現実を
表に現せて、実らせようと
考えていた。

その時の
一人暮らしのアパートに
こんな
「ミュージシャンな油絵」が
飾ってあったらカッコいいだろうな・・。

そんな些細な夢が
大きなモチベーションだった。

*************

当時、深夜番組で
ブルースの特集をしていて、
VHSに録画して、
それを写ルンですでスクショして、
現像して、
その写真を見ながら描いた。

外部からの
提出期限も、義務も、評価もない。

完全に僕自身で課して、
課された課題だった。

*************

モチベーションが高いほどに
理想が高く、
油絵初心者の10代の僕に、
理想の絵が描けるはずもない。

でも、
煉瓦を一つひとつ、丁寧に塗っていく。
煉瓦だけで、5時間、6時間と過ぎてゆく。

そこで先生からのアドバイス。
「壁一面を煉瓦にしなくてもいいんじゃないかな?」

受け入れました。

きっとブルース。
寂れたスラム街で、
黒人の男が、路上でギターを弾いている
のでしょう。

その街は、
煉瓦が剥がれ落ちたり、
未完成だったり、
そんな街もあるだろう。

*************

ほんと、
こんな鈍臭い性格のまま、
いろいろ提出しないで、
年金も払わず、
50年近く生きてきました。

少しは
音楽も、絵も、
描いて、表に現せるように
なってきました。

社会への提出期限は
とっくに過ぎてしまったのかな?
とも感じます。

自分自身の肉体の「命」に於いても
ちょっと提出期限を
感じ始めています。

先日描き終えた「絵」と、
先日録り終えた「曲」を
ようやく
ミュージックビデオとして
編集して完成させました。

1枚の「絵」でいくつもりでしたが、
後半、イタズラな絵を挿し込みたくなって、
テキトー感ある勢いを出そうと、
何回も下描きしました。

サビで
「本当は受験なんてしたくなかったんだ」
なんて歌う、
ダッサい曲です。

いつまでこんな若い頃の気持ち
引きずってんだ?
と恥ずかしくなります。

公園とかで歌って練習してる時、
誰かの散歩と目が合おうものなら
「いや、違うんです。
これは僕が若い頃に作ってたら
よかったのになぁ〜
っていう詩でして・・・・」
とか言いながら
真っ赤な顔で言い訳したくなる。

そして、

今の若い人の感覚では
「わからない」と言われるくらい、
「進学」とか、「就職」とかの
名詞に振り回されない世の中であってほしい。

そんな時代になってくれていたらいいな。

そんな願いがあります。

*************

提出期限を守れず、
結果を出せず、
いつの間にか
提出先もわからなくなり、
「評価」のフィルターを外す。

すると、
結果が「ここ」に在りました。

僕は、僕らと共に
今、
ここにいるようです。

いろんな人がいるみたいです。

それぞれの人が
今、この現実を現出させている
「命」で
踊って生きていれば。

そうなるように
していけたらな・・・・

そう想うのです。


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