JAROから2022年度の広告審査状況報告が出ていたので、薬事目線でまとめる

嘘、大げさ、まぎらわしい広告はJAROへ

日本広告審査機構
JAROから、2022年度の広告審査状況に関する報告が出ていました。(2023.6.20)

簡単に内容をまとめ、

何が問題視されているのか?
今後どうなっていくのか?

考えていきたいと思います。

2分ほどで読めます。
鈍った月曜の頭をちょいほぐしするのにどうぞ。

苦情件数は減少しているものの

前年度と比較し、苦情件数は減少した


件数自体は「減っている」

業種別に見ると

化粧品→332件減
電子書籍・ビデオ・音楽配信→102件減
オンラインゲーム→252件減

など

(私見)
2020年にコロナの影響で在宅時間が増え、今までとは異なる形で広告に触れていたものが、コロナ明けに近づくにつれて徐々に慣れや、今までの生活に戻るようになりました。

結果として、2019年の数値に戻り、2020年、2021年から比較すると減少の値。

件数自体は減っているものの、広告に触れる環境の変化にあいまったものであるため、虚偽誇大、紛らわしい広告が減少したわけではないのではないか?というのが自分の見解です。

業種別では医薬部外品が最多

化粧品に取って代わった医薬部外品


医薬部外品
発毛訴求、シミが剥がれる誇大訴求に対する苦情が寄せられ過去最多に。

化粧品
不快な毛穴訴求が依然としてある、詐欺的な定期購入に対する苦情

健康食品
健康食品は減少しているが、2020年から分離したグラフ化されている保健機能食品は増加。特に機能性表示食品が増加している。

(私見)
医薬部外品については、「薬機法では化粧品で効果があると謳ってはいけない」のような間違った解釈が見受けられたり、承認内容を超えるような訴求や、効果を保証する表現をよく見ます。

機能性表示食品については、届出内容の範囲を超え、誤認を与えるような表現を多く見ます。
脂肪燃焼系が特に酷く、素材選定の段階から解釈の歪みが伺えるものが散見される印象です。


JAROからの警告

【厳重警告】
警告相当の広告または表示であって、問題箇所の数、消費者に誤認を与える程度等により、その不当性が特に高い

【警告】
広告または表示が、実際のものより著しく優良・有利に表現され、消費者に誤認を与えるもの、または広告・表示関係 法令に抵触することが明らかである

厳重警告または警告された広告表示の中から、薬機法関連の表示内容で気になったものを抜粋すると…


【厳重警告】
口内細菌の 99%を除菌するなどとうたった健康食品


回数しばりのない契約で購入ボタンを押下すると、直後に「さらにお得に購入できる」と表示して契約させ るが、2 度目の契約は回数しばりのある定期契約になっていた化粧品

白内障への効果をうたった犬用健康食品



【警告】
医療従事者注目度 No.1 などと医療関係者が推薦しているかのようにうたった医薬部外品のフェイシャルパック


卵殻膜が有効成分であるかのような表示をした薬用化粧品

コーヒーで痩せる、製薬会社が本気で作ったなどとうたった健康食品

認知症が予防できるかのようにうたった補聴器

歯の黄ばみが取れるかのような効果や口腔内の気持ち悪い画像を掲載した歯磨きジェル

「まつ毛がはえる」と言って発毛するかのようにうたった化粧品のまつ毛美容液

口をゆすぐだけで歯が白くなるかのように承認範囲を超えて表示していた医薬部外品のマウスウォッシュ



(私見)
JAROは民間だけど、消費者のクレームに基づいてこのような警告を出すなどしています。
警告が出たこれらの表現は、消費者から見て誤認するかどうかが争点になる景表法において優良誤認に当たる可能性があります。

媒体の広告審査で、薬機法NGの文言はクリアできても、景表法観点で優良誤認と判断される可能性は残ります。
景表法も踏まえた視点で、どれだけ守備を整えられるか?考えていきたいものです。

特商法改正の効果は

2022年6月1日、改正特商法施行。
お試しに見せかけて定期購入させる表示はNGとなり、最終確認画面でも消費者に6つの項目を確認できるように表示することが義務付けられました。

それでも2022年の定期購入に関する苦情件数は259件から293件に増加しています。

価格、料金について
割引の適用条件、割引率、セット価格などに関する誤認させる表示への苦情が寄せられているようです。

(私見)
定期でない商品を契約後に、定期購入を再契約させ解約するなら違約金を請求するケースもあったようで…あの手この手…ですね。

実際最終確認画面を見ていると、対応はされているものの消費者が容易に確認できているのかは疑問です。今後どこまで規制されるのか。
難しいのはわかるけど…悪質性の高い事業者を叩く、というのも積極的におこなってほしい。

不適切なNo.1表示

Yahooの広告審査レポートでも触れられていましたが、

〜No.1の表示と表示の根拠となる調査にズレがあり、不適切な表示になっている事例についてJAROも触れていました。

(私見)
表示の根拠という観点が必要ですし、No.1表示というコンテンツそのものについても今後考えていく必要がありそうです。
それは、No.1と言われたところで消費者に響かない可能性があるためです。

まとめる

広告表現は、薬機法だけ気をつけていればOKというものではありません。

消費者を欺き取引させるような広告は、景表法や特商法といった法律からも見張られています。

規制の全体図を把握して、守備装備を固めることをおすすめします。

事業者としては、クレームになるような広告を避けて新規獲得できたらいいところではありますが…なかなか厳しいので…そこはわかります。

対応に迷うところがあれば、まずはスポットの相談からお受けしています。

クリエイターに連絡からお問い合わせができるそうです。

(先日お問い合わせがありびっくりした)

最後に広告の苦情連絡先↓
悪質な広告については、通報するという流れを組むのも大事、なので各連絡先を添付しておきます。

JAROのキャラクター

おおげさな「コダイ」
まぎらわしい「マギラワシ
嘘つき「うそぴょん」

ダメダメ3匹の要素が見受けられる広告はJAROに

インターネットの広告はスクショしておくとよいです。

消費者ホットラインは局番なしの

188(いやや)だそうです。

消費者庁 景表法違反情報提供フォーム▼

こちらはメール。


悪質な広告を行う事業者が罰せられないとなるとやりたい放題になってしまいます。

通報することで野放しにせず、真面目な事業者を守りたいですね。


ふむふむ、参考になったという方は♡を。テキトーな見解述べやがってという方も♡をお願いします。

ひらさこ

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