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緑の濃さとタイムスリップ~里帰り日記②~

スイッチが切り替わる瞬間がある。
この4年間、すっかり忘れていた。

東京にいる大人の私から実家の末っ子に戻ったのは、夏のまばゆくも鬱陶しいほどに広がる、山の緑を見たときだ。

うちって、こんなに山が近かったっけ???

目が覚めるような緑色は、他で見たことがないかもしれない。でも、この緑を見ると、お父さんや2人のお兄ちゃんに甘えてばかりの末っ子に戻ってしまう。


そんな甘えたワガママ泣き虫末っ子を可愛がってくれた人が、家族以外にもいた。

昔から「ひろ(仮名)あんちゃん」と呼んで、人見知りの私が唯一なついていた、近所に住んでいたお兄ちゃんの同級生。


実家に着いた夜、そのひろあんちゃんが遊びに来るという。
「……!!!!!」
聞いたとき、飲んでいたお茶を吹きそうになった。

最後に会ってから、25年くらい経っただろうか。

お兄ちゃんの同級生なので、50歳を超えている。けれど、目の前に現れたひろあんちゃんは、中学の頃のいがぐり坊主だったひろあんちゃんと完全に一致して、会った瞬間大笑いしてしまった。


今は「たまたま」仕事の関係で、この土地にいるという(それもすごい偶然だけど)。奥さんは埼玉にいて、単身赴任とのこと。転勤が多い仕事のようだった。

お兄ちゃんも、中学生のお兄ちゃんに戻ったような口調で、ふたりとも「いがぐり坊主」に見えてくるから不思議だ。私も、やせ細のショートカットで、よく男の子に間違えられてた、あの頃の自分になっていた気がする。

うちによく遊びに来ていたこともあり、お父さんとも友達のように話すひろあんちゃん。人見知りの私がすぐに懐いたのもわかるなぁと、今回あらためて感じた。

タイムスリップしたかのような宴。

思いがけない再会と、美味しいビールとマトン(実家の土地ではデフォルトです!山奥なので 笑)。


静かな田舎の夜に笑い声が響く、楽しい里帰り初日の夜だった。


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