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【2020シーズン】マリノス妄想絵日記 11ページ目

1.はじめに

 さて、次の相手は広島です。マリノスの苦手とする固いブロックを敷き、クローズドに試合を進めてくるチーム。試合のテンポも高くなく、やりにくいことこの上ありません。前節は全裸対決でフルオープンでしたが、そうじゃなくても活躍できるかが問われるでしょう。

 広島のベースは昨季と同じですが、今季からハイプレスに取り組んでいるところだけ違います。そこを見ていきつつ、この試合どうなりそうか、妄想していきます。

2.広島が今季から取り組むハイプレス

 第2節の神戸戦。その試合で、城福監督がこのようなコメントをしていました。

 課題も多く見られたと思う。自分たちの時間を前半から作ること。押し込んだ後に奪い返してショートカウンターを発動したいのは今年の目標でもある。その押し込むというシーンが後半は見られたが、前半はもう少し早い時間からやれないといけないと思っている。

 サイドを入口とし、敵陣深くへ侵入。両サイドのセンターバックを上げて相手を押し込む攻撃。そして、奪われたら前にいる多くの選手で取り囲み、即時奪回。そこからのショートカウンターを狙いたい。こんなことを今季掲げているようです。では、どのような守備を行っているか、ハイプレスを見ていきましょう。

■広島のハイプレス

広島ハイプレス

・基本的にはフォワード+シャドー+ボランチの5人が前に出る
・ボールが奪えそうなときは、完全同数になってでも相手を捕まえに行く

 ベースは人を捕まえる守備です。前線の5人が前から制限をかけて守備。相手のパスを引っ掛ける。または、取り囲めそうになると、人を捕まえにどんどん選手たちが押し寄せてきます。

 前後での分業が主ですが、確実に奪えそうな場合は後方を同数にすることも厭いません。万が一かわされても、3バックとボランチの帰陣は非常に早い。ペナルティエリア前に強固なブロックを敷くことで対応します。

 ショートカウンターからゴールを奪ったものが、上記の動画になります。開幕戦の鹿島を含め、相手ビルドアップを引っ掛けてカウンターへ移行。選手たちが迷いなく飛び出しているため、練習でかなり仕込まれていることがわかります。

■ハイプレスが抱えるリスク

広島ハイプレスの弊害

・ボランチはハイプレスのため、前に意識が傾く
・3バックのリトリート判断は早め
 ⇒ ディフェンスラインと中盤の間が開きやすい

 ただ、ハイプレスもノーリスクというわけではありません。当然デメリットがあります。一言でいうと、ライン間が空きやすくなることです。

 ボランチは前からプレスに参加するので、意識が前方に傾きます。翻って、3バックは安全志向。リトリートに切り替える判断がボランチより早いのです。その結果、縦に開く瞬間が生まれ、ライン間が空いてしまう状態に。

 空いたライン間をうまく使われたのが、東京戦の1失点目でしょう。中盤の選手も下がり目でボールを回すことにより、広島の選手を引き付ける。ライン間に顔を出したディエゴにロングボールを入れます。バイタルでこれだけ時間と空間を得られれば、得点の確率がグッと上がりますよね。

 ハイプレスに参加。リトリートも素早くする。そのため、ボランチは強度の高い上下動を繰り返す。彼らへの負荷が高いことも、デメリットの1つ。今季の広島は、このようなリスクを抱えながら戦っているようです。

3.予想スタメン

 さて、予想スタメンです。広島は、レアンドロペレイラとドウグラスヴィエイラを同時起用する可能性も考えました。ですが、最前線の強度を保つため、片方はベンチに置くような気がしています。また、水曜日の試合がないことから、柏は先発で出場させるでしょう。

 対する我らは、前節お休みした選手が中心。大然と仲川も早めに交代したので、この試合先発で出てもおかしくないでしょう。後述しますが、両翼はスピードのある選手が求めれらますからね。

スタメン

■横浜F・マリノス

4-2-1-3の布陣
・前節お休みだった選手が中心になるはず
・左ウイングはエリキの可能性も十分ある

■サンフレッチェ広島

3-4-2-1の布陣
・3バックは固定気味。他に出れるメンバーがいない
・もしかするとボランチに柴崎が出てくるかもしれない
・柏が先発でなければ、浅野をずらして東がシャドーに入るかも

4.広島はどうくるか

■封印するハイプレス

広島の守備

・ミドルサードに5-4-1のブロックを形成して構える
・前線の5枚で中央封鎖を強く意識
・センターバックへの横パスかバックパスをスイッチに前に出ていく

 広島は前節、FC東京に散々中央を割られて失点しています。なので、この試合はそこを固め、慎重に入るでしょう。野上がこんなコメントを残していました。

 自分が予想していた試合展開よりもオープンな展開になりましたけど、相手の個が強いのは分かっていた中で、中でやられちゃったのはすごく自分たちらしくないし、少し反省点かなと思います。

 積極的なハイプレスは封印し、ミドルサードにブロックを敷いて構える形で様子を見るはず。ただ、こちらがバックパスなどをして制限がかかると、一気に襲ってくるはず。そこからのショートカウンターで得点を重ねたい。こんな考えでしょう。

■攻撃はいつも通り

 攻撃に関してはいつも通り、ウイングバックにつけてからビルドアップを開始すると思います。というのも、裏に抜けてスピード勝負できる選手が、最前線にしかいないんですよ。なので、ロングカウンターを狙う頻度はそう高くないでしょう。

 ただし、サイドチェンジを狙う頻度は他の試合より増加するはず。特に、長いボールを蹴れる青山は重宝あします。なるべくなら、彼を先発で使いたいでしょう。

5.ぶつかり合いのポイント

■相手ボランチとウイングバックへの対応

広島の攻撃

・3トップは3バックに突撃するはず
・なので、外側でウイングバックが空き気味
・片方のボランチもマルコスだけでは見きれない

 見るべき点は、概ね大分戦と変わりません。恐らくマリノスの3トップは、相手3バックに突っ込むはず。なので、外側にいるウイングバックが、時間と空間を得ることができます。サイドバックがここにどれだけ早く寄せられるか。1つ目のポイントになるでしょう。

 ここの対応が後手になった場合、サイドバックの背後が空くので、そのスペースをシャドーに使われてしまいます。森島はこのプレーが十八番。こうなることがマリノスにとって一番危険になります。

 また、ボランチも2人いるため、マルコスだけだと手が足りなくなります。ラインを高くし、ボランチが勇気を持って前に出れるか。ここを塞がないとサイドチェンジが飛んでくるので、重要な箇所になるはずです。

■ポジティブトランジションの重要性

ポジトラ

・相手を押し込むと両サイドのセンターバックが上がってくる
⇒ 守備への切り替え時、ウイングとの駆けっこになる
・川辺は後ろから上がってハーフスペースに突撃することが得意
⇒ 彼の上がった中央を入口とし、カウンターを発動できる

 人数かけて相手を押し込むのが広島のやり方。そのデメリットは、攻撃から守備に切り替わったときに表面化します。

 まず、上がってきたセンターバック。背後にスペースがあるため、自分の戻りが早いか。それとも相手ウイングの方が早いか。2人の駆けっこが突如始まることに。ここを制したいので、マリノスとしてはウイングにスピードのある選手を起用したいのです。

 また、川辺は後方から上がり、ハーフスペースを強襲することを得意としています。しかし、その状態でボールを奪われると、中央にスペースができてしまう。マリノスとしては、そこを入口にしてカウンターを狙いたいところです。

 いずれも相手が戻り切る前の対応になるため、ポジティブトランジションの早さはこの試合で重要になってくるはず。ボールを奪ったらすぐ前へのアクションを取れるかどうか。見るべきポイントの1つでしょう。

6.おわりに

 基本的にはマリノスがボールを握る形になるはず。今節もセンターバックは比較的ボールを持ちやすいでしょう。前掛かりになる相手はマルコスを外しやすい。彼へ何本パスを通せるかで、得点の確率が変わってくるはず。ビビらず相手ブロック間でボールを受ける胆力も求められます。

 広島は非常に固いチームです。ただ、試合のテンポを上げるとオープンになりやすい性質が。なので、自分たちのテンポで試合ができると有利に立ち回れるでしょう。狭い空間でも仕事ができる、スピードのある選手が活躍できるはず。仲川輝人、今季初得点といこうじゃありませんか!

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