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海辺のカフカ 上【読書感想】

 図書館の帰り夜道を歩く。こんなに静かで空気が歩く速さで風に代わる感じを頬に受けるのは。きっと、10代半ば夜釣りをしに遠くの町まで行った時のようだ。少年のころの生々しい感覚が時を経て呼び覚まされたのかもしれない。

 ずいぶん前に読んだ気がするかなと思ったら2007年頃?の作品それなら多分読んでないかな。終盤にかかると確信に変わった。それは、想像もしない展開だったし、前に読んだことがあるならきっと覚えているはずだし、忘れていても思い出すだろう。

 10代少年の生々しい心情を扱った本は多いかな。それらを多く読んだせいか、読まされたか、そのあたりの感覚が敏感になっていたかだけかもしれないが。この本はそれらの本とちょっと違う感じがする。過去の少年少女だった大人との今とかの関係が経糸と横糸のようで深くもある。

表紙の猫がかわいい。

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