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虫歯を侮ってはいけません


はじめに

 皆さんは現在または過去に虫歯(う蝕)になった経験はありますか? 自分は乳歯が虫歯になったことはありましたが、永久歯になってからは虫歯はありませんでした。
 勤め先が歯科と提携し、毎年1回歯科検診と歯ブラシ指導を行っていました。その検診で初めて虫歯があるのがわかりました。C1と軽度のため、治療は不要と思い放置していましたが、ある日痛みが出て歯医者に行きました。 
 虫歯、歯垢、歯周病のため半年間も通院しました。虫歯には銀を詰め、かぶせものをしました。歯周病治療では、歯茎に麻酔注射をうち、歯茎から歯垢を取り除きました。

虫歯の原因

 虫歯の原因は、食べ残しから発生した細菌の塊である歯垢(プラーク)に潜むミュータンス菌[2,3,4,5] (大きさは約1umの球状の細菌)などの虫歯菌がです。食べ残しに含まれる糖分を栄養源として増殖し、その過程で生じる酸が歯を溶かします[1]。

ミュータンス菌(個々の菌がつながっている様子) (参考資料[5])

虫歯の予防 

 虫歯を予防するには、毎食後の丁寧なブラッシングが不可欠です。しかし、歯と歯の隙間に残る汚れは歯ブラシでは取り切れません。歯間ブラシを使って除去する必要があります。硬くなった汚れはブラッシングだけでは落とせないので、定期的な歯科検診とクリーニングが重要です[1]。

感染リスクに注意

 歯がはえてきた赤ちゃんに虫歯をうつさない方法として、赤ちゃんとのキスを避ける、かみ物を与えない、スプーンを共有しない、食べ物に息を吹きかけないなどが挙げられます。親が虫歯菌を持っている場合、こうした対策で子供への感染を防げるそうです。子供のためには、細菌の移行を避ける必要があります。
 大人の場合もディープキスで虫歯菌が唾液を介して感染するリスクがあります。しかし、これはパートナーとの関係でやむを得ない部分もありますが。

まとめ

 今は単に歯を磨くのではなく、歯垢を取り除くことに注力しています。歯茎に食べ残りがないか、歯と歯の間に歯垢がないかを確認し、歯ブラシと歯間ブラシで磨いています。

コラム

虫歯予防ワクチンの開発

 虫歯予防ワクチンの実用化に向け、近年大きな進展がみられています。このワクチンの標的はミュータンス菌です。ミュータンス菌の細胞外多糖や細胞表面抗原を標的とするワクチン候補が複数開発され、動物実験で一定の予防効果が確認されているとのことです。しかし、ヒトでの安全性や有効性は未だ確立されていません[4]。

ミュータンス菌と心血管疾患

 ミュータンス菌は虫歯だけでなく、心血管疾患のリスク因子になり得ることも近年明らかになってきました。ミュータンス菌は動脈硬化の進行に関与する可能性が指摘されています。この細菌が産生する酸により血管内皮細胞が損傷を受け、酸化ストレスや炎症が惹起されるというメカニズムが示唆されています[4]。

参考資料


[1]むし歯について | メディカルノート (medicalnote.jp)

[2]http://jsbac.org/youkoso/mutansStreptococci.html

[3]ストレプトコッカス・ミュータンス - Wikipedia

[4]ミュータンス連鎖球菌 - Wikipedia

[5]知らなかった!「ミュータンス菌」を、むし歯菌と呼ぶのはどうして? | Lidea(リディア) by LION

変更履歴

Rev.1  2024.4.26 初版

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