【歴史・時代小説】『本能寺燃ゆ』第三章「寵愛の帳」 113
だが、単純に断っては朝廷の面子を潰すと、殿が推挙された者の官位を願ったそうだ。
帝は、快くこれを許された。
これにより、松井有閑は宮内卿法印に、武井夕庵は二位法印に任じられた。
羽柴秀吉は筑前守を、簗田広正は別喜(べっき)姓と右近(うこん)の官位を賜った。
秀吉の喜んだ顔が目に浮かぶ。
さらに、塙直政は原田姓を、丹羽長秀は惟住(これずみ)姓を頂戴した。
そして明智光秀には、惟任(これとう)姓が与えられ、日向守に任じられた。
別喜、原田、惟住、惟任は、九州の名族