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Reebokの売却話

たまには本業に沿った話を。

「Reebokの靴を売る」という話ではありません。

知っている方もいるかと思いますが、
2006年にReebokはadidas社に買収されその傘下となっています。

業界的な話をすると展示会も同日同会場で行われています。

最近ではその関係性を表すように、
Reebokの代表モデルである
『INSTAPUMP FURY』のソールに、
adidasのトップテクノロジーの1つである
『Boostソール』を装着した間の子モデルもリリースされました。

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"ブランドコラボ"は良くある話ですが、
同じ靴ブランド同士、しかもナショナルブランドが垣根を超えるというのは
これまで殆どなかったと思います。

今回のこのモデルが良かったか悪かったかは置いておいて、
今後の業界の可能性を感じさせる一手だったと思います。

ところが。

つい先日、
adidas社が来年のReebokの売却を示唆する内容のニュースが流れました。
アディダス、リーボックの売却を検討か —— 早ければ2021年3月までに

ブランドの買収売却は良くある話。

特に今年のコロナの影響でどのブランドも業績を大きく落とし、
またその収束が見えないことから、
来季以降の対策を講じる上で色々な話が今後も上がってくるでしょう。

売却先には
THE NORTH FACE・TIMBERLAND・VANSなどを擁するVF CORPや、
FILAを擁するANTA INTERNATIONAL GROUP HOLDINGSが
挙がっているそうです。

元々2006年にadidasがReebokを買収したのは
対NIKEへの競争力強化のため。

もちろんその売上の大きな部分を占めるのは、
当店のような"ファッション"に関わる部分よりも、
スポーツ部門の市場がメイン。

スポンサードの部分なども大きいと思います。

その中で全てが新型コロナウイルスの影響だと決めつけるのは
いささか暴力的で、
ファッション部門における商品展開を間近で見てきた身からすると、
さもありなんと思わざるを得ない点も多々。

SNSや圧倒的なリリース数でのブランディングにより
高い支持を集めてほぼ一人勝ちとなりつつあるNIKE。

イメージ的には対抗馬とも言えるadidasでさえ、
大きく水をあけられています。

コロナの影響で数字の部分はもちろん、
イメージ的にもその差は更に広がった様にも感じます。

市場でのディスカウントの量と質を見ても明らかです。

とは言えそんなNIKEも今年は大きく業績悪化。
来年以降の展開も既に製品減産という方向に固まっているようです。

話を戻すと、
親会社が変わるとその方向性や展開が変わることも少なくありません。
(個人的には"イメージを落とす"ことが最近は多いのですが...)

エービーシー・マートが2012年に買収した『Danner』や
2014年に買収した『White's』など、
大元が時代時代で変わっていくのも世の常で、
その再編は新型コロナウイルスによる世界的な不況で加速しそうです。

今後どうなっていくのか?

誰もが知る大きなブランドに今回のようなニュースが出るあたり、
更に驚くような事が起こってもおかしくない時代になってきました。

見定め見極める力を。

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