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「構図」はなんのためにあるのか

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2022・1・18
🍎絵について
「構図」はなんのためにあるのか
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最近絵より文章を書いてる時間の方が長い絵描きヒロです(表現をする、誰かに伝えるってことに変わりなくて)(考えをアウトプットするきっかけにもなるので両方大事にしたいです)(アウトプット大事なのは間違いないです)。


今日から「構図」について考えをまとめていきたいと思っています。
構図もですが色も明度も基本的な考えは同じで、伝えられるチャンスがある、そのチャンスを生かす。


伝えたいことがハッキリしてるかや欲求の強さは人によりますが、生きている以上は人は何かしら誰かに伝えたいことがあるんだと僕は思っています。

絵を描きたい、感動した映画がある、好きな言葉がある、掃除が好き、好きな人と話したい、話を聞いてほしい。そういったことはもしかしたら誰かに伝えたいことかもしれなくて、またはもしかしたら誰かにとってはネガティブなことかもしれないんだけど、でもそれでも絶対に伝える意味はあるんだと思っています。


話をしていて相手がわかってくれたら「わかってくれた!」ってすごく嬉しいんですよね。本当にわかってほしいことやわかってほしい人に対してはものすごく真剣に伝えようとします。わかってほしいのに相手がわかってくれるだろうと思って話すのはもしかしたら相手に甘えてるのかもしれない。
甘えるのが悪いことではないです。甘えられる相手がいるのはすごく幸せなことのはずです。

自分のことさえ知らない人にもわかってほしい時、伝えたい時に「技術」は伝える為の大きな手段です。そう考えると「構図」とか「色」「明度」の重要性を感じてきます。

具体例を出して構図の作り方をお伝えします。
僕の持ってるものが誰かの何かのきっかけになれたらと思っています。


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▼見せたいところを見せるための
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「黄金比」「三分割法」「視線誘導」「リズム」「カメラ」など、構図を考える時にいくつか言葉が出てきます。
こういった技術、知識はある目的のために存在していて、

「見せたいところを見せるため」

「伝えたいことを伝えるため」

これを実現できるのであればなんでも良いはずです。
なので見せたいことがはっきりしているのであればそれを見せられるように絵の中のオブジェクトを配置したり、明度や色なども使って気づきやすくする。

基本的にはそれだけの話で、基礎というやつはそこなんだと思います。
構図の本質は「見せたいところを見せるため」の技術です。

でもそれだけじゃなくて、言いたいことを真面目に言っても聞いてくれる人って限られるじゃないですか。だからちょっとジョークを混ぜたりするんですけど、それがエンターテイメントってことのひとつの役割だと思っています。

上にあげた言葉の中でも「リズム」ってのは主にそのへんに関わってくることで、言いたいことをただ伝えるだけだとなんか味気ないから、見てて楽しいようなちょっとした気遣いみたいなものを画面に忍び込ませておくんだと思います。

ただ自分が必死なだけじゃなくて、本当に相手のことを考えた時に取る手段の選択肢としてちょっとした遊びがあった方が優しい時があります。その時々で違うと思うんですけど、そういうこともすごく大事だなって思ってます。


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▼具体例で
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文字だけだとわかりづらいんで具体例でお話しすると、前にお見せしたドクターバクの絵本のページで説明してみます。

画像1

この絵のラフレイアウト、レイアウトと精度を上げていく様子を共有します。

・サムネイル

画像2

まずサムネイルというすごく小さいサイズで必要な要素を考えていきます。
(これ、データ作った日見たら2016年でした。マジか。)
ストーリーの大枠(プロット)はもうあったので、物語の中でこういう絵が必要かなというのを直感的にすごく簡単な絵で描きました。

この段階で「キオクのセカイ」って言葉があるので「空間的に広く感じる絵」。
「一本の大きな木」があるので「木に目がいく必要がある」という必須要素はもうこの時にありました。

画像3

サムネイルからもっと具体的な絵にしてみます。
心の世界なのでバク先生が浮いてます。バク先生が心の世界にいて、中心にある大きな木を目指すという絵的な説明はできているような気がしますが、なんか迫力とかおもしろみが足りないな、、、っていう感じだったような気がします。

どうやったらもっと「おもしろい絵、良い絵」になるんだろうって考えるじゃないですか。
この絵の場合は「空間」とか「木の大きさ」みたいなものをもっと表現したいなって思ったのかな。それで次の絵を描きました。

・レイアウト

画像4

コンセプトアート研究所の動画でも伝えましたが、大きさとか迫力を伝える時に下からカメラをかまえて上にパースを伸ばす(アオリ)という構図の取り方をします。それを応用して上側にパースをつけつつ少し斜めにして画面の迫力を出そうとしました。
そのパースや奥行きへの視線誘導で木に目がいくようになっています。

これでこのページで伝えたい要素は構図としては達成できそうだなと思いました。


最終的にはここから「色」「明度」「オブジェクトのデザイン」などでより伝わるようにプッシュしていきます。だけどこの段階で見てくれる人と最低限のコミュニケーションは取れると思っていて、それができればあとは良くなる一方で。

そう考えると構図って最初に設定する伝えることを明確にする作業だから、構図がうまくいってないと絵的には弱くなるんだと思います。


ちなみにストーリーボードはサムネイル状態に近いんだと思います。
なのでストーリーボードは絵として完成するよりも各カット(英語だとショットと言う)で何を伝えるかの必要最低限の要素があれば成立するので、絵として上手よりも優先されるものがあるというのはそういうことです。


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▼おまけ
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「オブジェクトのデザイン」と言いましたが、このうさぎさんの心の世界にはうさぎさんの心にあるものが浮島になって存在しています。一個ずつの島にはバックストーリーがあるのでそれを視覚的に表現する必要があるので、大変。
なのでその時に僕を訪ねてきてくれてた若い絵描きたちにアイディアを出してもらって一緒にデザインしてもらいました。(その当時のそういった若い人たちの何人かは今プロとして仕事をしています)

画像5

画像6

なかなか大変なことをやってるんだなぁって記事を書きながら思いました。
でもけっこう楽しいんですよねこういうことを考えてるのが。

構図の話に戻りますけど、伝えたいことができた時に伝える技術があるとすごくいいんです。聞いてもらえるかもしれないから。

ゴキンジョは「表現したいことがあると気づいた人」が「技術」と「安心して表現できる場所(人)」に出会えるような、それぞれの人が持っているたくさんの場所の中のひとつの場所になれたらと思っています。


ゴキンジョだけじゃなくて他の場所を持ってくれていて、たまに立ち寄ってくれたら嬉しい。そのためにゴキンジョは存在し続けないといけないし、僕はここにい続けようと思っています。

誰かにとって少しでも良い人生や、安心感とか、そういうものに関わることができたらなって思い続けています。


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