水原緋色
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ふわりと風になびいて、君の髪が揺れる。見慣れたロングヘアーが今日は一段と華やいで見えて不思議に思う。 そんな感情が表情に出ていたのだろう。彼女は首をかしげる。 「どうしたの、変な顔して。ほら、行くよ〜」 たたっと機嫌が良さそうに、ステップを踏むみたいに歩く。私は相変わらず立ち止まったまま。そんな私を急かす様に、振り向いた彼女の動きに合わせて、ふわりと広がる。 「スカートだ!」 「なに、今更」 おかしそうに笑う彼女の隣に並んで、しげしげとスカートを眺める。 「
「ありがとうございました」 お客様を見送って、軽く店頭を整える。 「じゃあ、あがろうか」 店長に声をかけられ、もうそんな時間かとちらりと時計に目を向ける。 「お疲れ様でした」 バックヤードに入り、仕事着を脱ぐ。今日も一日なんとなく頑張ったなと思い、椅子に腰掛ける。ここでギリギリまで電車を待つか、駅のホームに行くか数秒悩んだ後、結局電車を逃してしまうのが嫌で、駅のホームで待つことにする。 ホームのベンチに腰掛けながら、いつものように今日のことを反芻していたが、
300字SS「咲いた、咲いた、」の制作話 前回投稿した300字SS「咲いた、咲いた、」 実は1ヵ月半ぶりの新作投稿でした。 後述しますが、5月に文学フリマ東京に参加していて、それ以降気が抜けたらしく体調をしばらく崩しておりました。 そして、6月30日。 Twitterをふらふらとしていたところ、300字SS企画が明日投稿日だと見つけて、書こう!となりました。 この毎月の300字SS企画、以前の企画者の方の時は何度か投稿していたのですが、現在企画してくださっている方になって
「あ!!」 大変だ、大変だ。 写真、撮らなきゃ。タブレット、持ってこなきゃ。 早く早くと思うのに、足がもつれて階段で転びそうになる。 いつもは動画を見ているけど、今日は違う。だって今日は……。 「ねぇ、何してるの?」 「おかーさん! 見て、綺麗でしょ!!」 画面いっぱいに映る朝顔に、お母さんは「ほんとだね」と笑ってぼくの頭を撫でた。朝顔も撫でた。 嬉しくなって、何枚も何枚も写真を撮った。 アルバムの中は朝顔だらけで、お母さんは優しく笑う。 「明日の分がなくなるよ
お話を書く人です初めまして。 短編やSS、掌編小説なんかを書いています。 昔は長編にあこがれたこともありましたが、長年書いてみてむいてねーやとなりました。 現在はカクヨムに投稿しています。 たまにTwitterにも上げますが、今後どうなるかもわかりませんし、こっちを始めてみようと思った次第です。 長年書いている、と先ほど書きましたが、数えてみたら15年ほどになるようで、自分でもこれほど長く幼いころからの趣味が続いているとは驚きです。 ……かと思いましたが、今の時分の趣味の原