見出し画像

若手経営層向け機関投資家座談会

きっかけ

いつもお世話になっている投資先企業のIRご担当者様から、社内の若手経営層の方々との座談会にお誘いいただきました。経緯としては、ガバナンスコードについての社内勉強会を行う中で、機関投資家についてよく分からない・知りたい(企業を見る視点、投資判断の軸等)という声が上がり、それであれば直接投資家の話を聞く場を設けよう、ということで企画に至ったということでした。正直言うと、私は今までそうしたニーズが事業会社さんの側にあると考えたこともなく、嬉しい驚きでした。

当日の内容

当日お話しした主な内容についてご参考までにまとめてみました。資料の抜粋はこちら↓にUploadしていますので、ご興味があったらご覧ください。

画像1

1.コーポレートガバナンスの基本的な考え方
・コーポレートガバナンスと最初から肯定的に向き合える人は少ないのでは(縛り付けるような存在)。
・株主と企業の関係には、美しい理想形と、残念な現実がある。
・コーポレートガバナンスコード、スチュワードシップコードは、困難を乗り越えて理想に近づくために必要な規律。

2.機関投資家の素顔
・機関投資家にはかなりの多様性がある。
・機関投資家は皆、収益責任に基づき、顧客からの評価、社内の評価を受ける。そことの向き合い方で投資方針や取り込む変数、時間軸が異なる。
・短期化しやすい機関投資家の目線をなるべく先に持っていくことでサポーターにできる。

3.RFIの投資プロセス
・投資プロセス(日々の活動イメージ)。
・大まかな投資基準(強くて良い会社)について。
・具体的に企業のどんな要素を見ているのか。

4.Q&A
・RFIが考える(今回お誘いいただいた)企業の魅力。
・企業の開示情報のどういうところに注目するか。
・非財務情報の活用方法。
・投資判断に使う定量指標、等。

感想

私はこうした座談会は初めてだったのですが、思っていた以上に活発な質問をいただくことができました。質疑を通じ、機関投資家について関心を持っていただくきっかけにはなれたかな、と感じています。また、「投資家は数字以外あまり見ていないのでは」、「なぜ投資家を職業としているのか」、「どういう経緯で投資の社会性に関心を持ったのか」といった質問は、自分自身を改めて振り返るきっかけをいただいたように感じています。
座談会後のアンケートでは、「社外からの自社に対する見方・期待が分かった」「機関投資家が企業を見る視点が理解できた」「株主が企業を応援する存在だと感じた」、といった有難いフィードバックをいただきました。私は上場株式投資の良さとして、影ながら投資先企業を応援し、成長していく姿を見て喜びを感じられることがあると思っています。今回の座談会を通じ、ご出席いただいた方々が5年、10年かけて描かれている世界観を実現されていくことに伴走するのが一層楽しみになりました。

また、これまで私はIR担当者、経営陣、IR支援会社といったインベストメントチェーンに直接的に関わる方たちと主に接点を持ち、次世代のインベストメントチェーンを共に創る活動をしてきました。しかし、より良いインベストメントチェーンのためには、今回のような対話が広がることも有益なのではないかと感じています。
参加された方からのフィードバックでも、「機関投資家は得体の知れない存在だった」、「IRでは投資家は面接官的存在」という声を頂いており、企業と株主が共創する関係になるためにはこうした距離を少しずつ近づけていく必要がありそうだなと考えています。今回はコーポレートガバナンスコードとの関連での会でしたが、そこに限らず同種のニーズがありましたら、ぜひお声がけください

(改めて、今回は貴重な機会をいただきありがとうございました。)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?