見出し画像

3連発の日に3安打で勝ってしまう

#69

バックネット裏のグリーンシートは
地上波のテレビ観戦を主戦場とする僕には
縁がない激レアシートであるのだけれど、
G党のデザイナーの知人がチケットを
譲ってもらったからと声をかけてくれた。
年間予約席なので来場記念のタオルをもらい、
甲子園カレーを食べてプレーボールを待つ。
試合前からスタジアムDJが、
今日、4月17日はあの日と同じ水曜日。
「バックスクリーン3連発の日」と煽りまくる。
過去の栄光にしつこくしがみつく
アラフィフの虎党にとって、
39年の月日の流れは隔世の感しかない。
バース、掛布、岡田のクリーンアップの
219発打線はバブル前夜に咲いた壮大なあだ花。
森下、大山、佐藤のドライチクリーンアップが
揃いも揃って打率1割台にあえぎ苦しんでいても
10試合連続2点以下でも勝ってしまう謎の強さ。
大型連敗することもなく4勝4敗2分と頑張る。
85年の虎より令和の虎の方が強かったりして。
近本、中野、森下の3連打のみの3安打2得点で
時代に合ったコスパよしタイパよし虎党よし
三方よしの近江商人のような虎の野球。
地上波の放送時間内に試合は終わり、
観戦後の夜勤の出勤時間に間に合い、
いいこと尽くしで世の中が丸くおさまる。
近年の投高打低の野球を象徴するような
1点を争うロースコアの3連戦を終えて、
阿部監督は「負けた気がしない」と話し、
岡田監督はチームの2ケタ安打を素直に喜ぶ。
虎党は「勝っても勝った気がしない」のだが
勝ちに不思議の勝ちは本当にあるんだな。
岡田監督の阪神における485勝目は
吉田監督の484勝を超えて球団歴代2位になる。
伝統のバトンは時を超えて選手に受け継がれ、
伝説の当事者は強かに勝利を積み重ねていく。
3連発で派手に勝っても3安打で地味に勝っても
1勝の味は変わらない。喜びは変わらない。
また、今日もバックスクリーン3連発を
虎党はしつこく語り始める。

今週の虎党の呟き😌

バース掛布岡田の3連発は虎党の永遠の酒の肴。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?