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【23年夏の子連れ旅】親も楽しく過ごす工夫と宮沢賢治について

ここ最近、旅行先を選ぶ際は、「子どもが楽しめそうな場所」というのを最優先にしています。
ではあるものの、せっかく行くので大人も楽しむ工夫をして旅に臨む、そういった話を書きたいと思います。


わが家の旅行先選択のポイント 今回は岩手県へ

旅行先を選ぶポイントは、最近だと以下のような感じです。

①子どもが飽きるので、旅先での長時間の移動は避けるべく、宿泊施設の近くで遊べる、もしくは宿泊施設内で遊べる

②キッズ向けメニューなど、子どもが喜ぶような食事がある(となると、大体バイキング形式のところになってきます)

③移動に新幹線を使える(長距離の車の運転は、自分が疲れるのと、子どもが新幹線好きなのでw)

④温泉が充実している
リフレッシュのための旅行なので、温泉、もしくは大きい風呂は外せません。教育の効果なのか、最近は子どもも温泉が大好きになってますw

そんな観点で行先を検討し、今年の夏の旅行では、岩手県花巻の温泉郷と、宮沢賢治童話村、それと少し離れたところにある小岩井農場に行ってきました。

川沿いにある志戸平温泉(筆者撮影)
川沿いにある露天風呂はサイコーでした(湯の杜ホテル志戸平HPより)

その土地にゆかりのあるインプット 宮沢賢治について知る

行き先が決まったら、その後で自分自身も楽しめるような工夫をし始めます。
具体的にはその土地にゆかりのあるインプットをしておく、ということです。

花巻と言えば(花巻東高校の大谷翔平も有名ですが)、今回の目的地ともなっている宮沢賢治についてインプットすることにしました。

ちょうど今年『銀河鉄道の父』という映画が上映されており、タイミングが少々遅く映画は見られなかったものの、原作小説をAudibleで聴きました。

『銀河鉄道の父』というタイトルの通り、宮沢賢治の父である宮沢政次郎から見た賢治や、ほかの家族についての物語ではあるのですが、少年時代から亡くなるまでの賢治の様子が描写されており、彼がどういった生涯をたどったのかについてストーリー仕立てで知ることができます。


※ちなみにaudible版のナレーターは北斗誓一(ほくとせいいち)さんという方なのですが、「北斗星」から「銀河」を連想させるお名前なので、選ばれたのかな、等と勝手に思ってしまいました。

お名前はさておき、賢治青年の朴訥としたしゃべり方など、かなり印象に残るナレーションでした。特に妹トシが亡くなるシーンの読経はグッとくるものがありました。


事前インプットもあり、子ども向け展示物からの学びも多い

今回訪れた童話村は、「賢治の学校」という宮沢賢治作品の世界を表現した施設や、作品にゆかりのある「植物」「動物」「星」「鳥」「石」に関する展示をしている「賢治の教室」といった施設があります。

宮沢賢治童話村リーフレットから抜粋

『銀河鉄道の父』には、賢治について「石っこ賢さん」として描写しているエピソードがあります。
少年時代の賢治は妹のトシと一緒に出掛けては石を熱心に集め、それが高じたのか大人になってからは「人造宝石をつくりたい」といった描写もあるなど、賢治の鉱物への関心の高さを伺いしることができます。

唐突に表れた感のあった「石の教室」についても、そういったエピソードとのつながりを持って見ることができました。

童話村の広場にはキラキラ光るオブジェが展示されていました

小説には盛岡高等農林学校時代などに山に分け入ってたエピソードも出てきます。

童話村の「賢治の学校」では『注文の多い料理店』『セロ弾きのゴーシュ』のストーリーを人形劇的に展示しているものがあるのですが、それを見ながら、賢治作品に自然界と人との境界について描かれた物語が多いのも、彼の体験が基になっているのだなあ、と感じました。

『もののけ姫』と『注文の多い料理店』がラップ

ところで、たまたま花巻に行く少し前に金曜ロードショーで『もののけ姫』が上映されていて、何故か久しぶりに全編見たのですが、その後童話村で『注文の多い料理店』の展示を見て、非常にラップするなと感じました。

動物を狙いに来る猟師が、山猫に食べられそうになる『注文の多い料理店』。
もののけの世界に足を踏み入れた人間が、動物たちと争うことになる『もののけ姫』
スケールは違えど、共通する部分がありますよね。

実際、宮沢賢治作品はスタジオジブリの宮崎駿監督や、高畑勲監督に影響を与えているようで、ジブリの鈴木プロデューサーのサインも童話村で見つけることができました。

小岩井農場にも賢治に関する展示が

旅行の最終日に訪れた小岩井農場。
乳牛を飼育している施設内に宮沢賢治のエピソードを記している展示物を発見し、賢治がこの地域へ与えた影響を伺い知ることができました。

乳牛舎のあるエリア

なお、『銀河鉄道の父』には小岩井農場の描写はありません。
このことについて著者の門井慶喜さんは、特設サイト内で以下のように述べています

Q 執筆中、これは困った、意外だったということは何かありましたか。

A 困ったのは、小岩井農場の扱いですね。小岩井農場は賢治はお気に入りの場所だったし、詩にも書いている。これは重要な場所になるぞと思って、あらかじめ現地に行きましたし、資料もかなり集めました。
ところがいざ執筆を始めてみると、政次郎と関連するところがなかったんですね。結局、小説には入れられませんでした。

門井慶喜「銀河鉄道の父」特設サイト

あくまでも、父・政次郎目線のストーリーなので、関わるエピソードが無いとなると入れられなかったということだったようです。


以上が、2023年夏の「わたしの旅行記」です。

子連れの旅行というと、子どもメインで親はそれどころでない!ってことになりがちですが、少しだけ旅行前にインプットしておくだけで、親も相当楽しめるということを感じました。

またこれからも、事前インプットと組み合わせた家族旅行を楽しめればと思います!

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