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続・社会保険 違和感のあったデータについて深ぼってみる

前回社会保険制度について調べてみた中で、違和感があったけど、文章が長くなるので端折った点がありまして、それについて書いてみます。

前回、下記の図を引用して「現役世代が負担する高齢者医療への拠出金が今後増える」ということを書いていますが、こちらの図で、引っかかる点はないでしょうか?

令和5年9月14日 健康保険組合連合会
令和4年度 健康保険組合 決算見込みと今後の財政見通しについて
青い折れ線グラフが高齢者医療制度への拠出



何かと言うと、令和3年から4年にかけて拠出金が減っているのですよね。

これがどういう現象なのか調べてみました。

高齢者拠出金の算定の仕組み

高齢者拠出金の算定は【①n年分の概算額+②n-2年分の実績踏まえた精算額】で行われているそうです。

概算額というのは、2年前の高齢者医療費の実績に一定の伸び率を掛けて計算したもの。

つまり令和4年については、令和2年分の高齢者医療費実績をもとに、概算額を決めていることになります。

また、概算と実績はズレが出ますので、差分を2年後の拠出金で精算しているようです。

ということで、令和2年の概算と実績のズレを、令和4年に精算していることになります。

令和4年の拠出金が、前年より減った理由

では、なぜ令和4年(2022年)の拠出金が前年より減ったのでしょうか。


あえて西暦を書いたので、お察しの方もいらっしゃるかと思うのですが、その2年前の令和2年(2020年)はコロナ禍による診療控えで、医療費が減ったため、令和4年の概算額も、精算額(令和2年の概算と実績のズレ)も前年より減ったことが原因だそうです。

令和5年9月14日 健康保険組合連合会
「令和4年度 健康保険組合 決算見込みと今後の財政見通しについて」

負担が増えることによる行動への影響

重大なリスクが無いか確認するための検査など、診療控えしてはいけないものもあると思いますが、不要な診療を受けていないか?という点は今後医療費抑制するポイントになりそうです。

2022年10月以降、一定以上の所得のある後期高齢者の方も窓口負担が2割となりました。

以下は、それ以降で受信日数がどのように変化したのかを分析したデータです。

若干ではありますが、負担割合が増えた人は、それ以前と比べて受診日数が減っているようです。

令和5年9月29日
厚生労働省「後期高齢者医療の窓口負担割合の見直しの影響について

もしかすると「安いから受診しとこう」みたいな行動パターンがあるのかもしれません。

そういったものを抑制する上でも、ある程度の自己負担割合を設けるのは重要そうです。

そしてそれは、子どもの医療費についても同様で、無料だからとちょっとしたことで病院にかかるのが本当に良いのか?

私も子どもを持つ親として、そういったことも考えながら医療サービスを使っていければと思います。

では本日は以上です!(健康のために早めに寝たほうがいいですね・・・)

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