見出し画像

VMware TENS:ネットワークサービスのための最も包括的なトラフィックエミュレータ

なぜ別のトラフィックツールを使うのか?

ビジネスでは、スピードと効率がすべてです。組織は情報への迅速なアクセスと、すぐに利用できるサービスに依存しています。もしアプリケーションが大幅に遅延したり、反応しなかったりすると、ビジネスの継続性や生産性が損なわれたり、完全に停止してしまう可能性があります。

ネットワーク・トラフィック・ジェネレーター・ツールやネットワーク・トラフィック・シミュレーターを使えば、ITチームはネットワーク・トラフィックを早期に再現し、テストを行うことができます。これらのツールは、ストレスや負荷をシミュレートして、ネットワークがどの程度処理できるかを確認します。そうすることでネットワークが何に対応できるのか、どこに問題があるのか、ネットワークがどの時点でアプリケーションのパフォーマンスを低下させるのかを明確に理解することができます。

しかし、既存のツールのほとんどはパフォーマンスと負荷テストに焦点を当てており、現実のトラフィックパターンにはあまり関心がありません。これらのツールは、1つのアプリケーションに対して、同じシーケンスのトラフィックフローを繰り返すだけです。また幅広いトラフィックパターンに適用するための属性やパラメータの制御も限られています。複数のアプリケーションに対する複雑なトラフィックパターンを同時に生成する機能がありません。あるのは非常に高価な市販のツールぐらいです。

ネットワークサービス用トラフィックエミュレータ:VMware TENS

VMware TENS(Traffic Emulator for Network Service)は実際のトラフィックパターンを正確にエミュレートする、包括的なオープンソースのトラフィック生成ユーティリティです。TEC(トラフィックエンジンコントローラ)は制御プレーンに存在し、システム全体の「頭脳」となり、データプレーンに分散しているトラフィックエンジンデータパス(TE-DP)の情報、管理、制御を一手に引き受ける役割を果たします。コントロールとデータプレーンの分離は、単一のTECによって制御されるすべての異なる環境でアプリケーションをテストするためにTE-DPを制限なく大量に展開することができます。

VMware TENSは複数のブラウザセッション、クライアント、コネクション、L4およびL7のリクエストを、単一の制御ポイントであるTENSコントローラから複数のコンピュータに分散してエミュレートします(下図参照)。TENSはTCP/HTTP/UDPアプリケーションの実験室と実世界との間のテストと検証の橋渡しをし、様々なロードバランシングやアプリケーションサーバの機能や性能に関するメトリクスやエラーをストレス、検証、報告するための広範な機能を提供します。

画像1

TENSの主な機能

既存のオープンソースツールはロードバランサーやアプリケーションサーバーのパフォーマンスを完全に検証し、レポートするには機能が不十分

VMware TENSは複数のユーザー、ユーザーごとの複数のセッション、セッションごとの複数の接続とリクエストを複数の端末でエミュレート
実現場と同じトラフィックを再現

VMware TENSは単一のエンドポイントで包括的なメトリクス、異常、リアルタイムモニタリングを提供
L4(TCP/UDP)とL7(HTTP HTTPS)の5種のエラーレポートをサンプリング

VMware TENSは複数のソースIPやネームスペースからの大規模なL7トラフィック生成をサポート
トラフィック発行可能単位
・RPS(Requests Per Second:1秒間に処理されたリクエスト数)
・TPS (Transactions Per Second:1秒間に処理されたトランザクション数)
・CPS(Connection Per Second:1秒間に処理されたコネクション数)
・TPUT(ThroughPUT:伝送量速度)
埋め込めるパラメータ
・クッキー
・ヘッダー
・クエリパラメータ

VMware TENSは単一のエンドポイントからAPIを用いた制御により複数のデータコンピュートで実行可能

VMware TENSはL7において以下のトラフィックをサポート
・http/1、http/1.1、http/2の各バージョンのhttp(s)
・様々な暗号スイートとSSLバージョン
(SSLv2、SSLv3、TLSv1、TLSv1.0、TLSv1.1、TLSv1.2、TLSv1.3)
・証明書を用いたクライアント・サーバー間の相互認証

VMware TENSはL4において、複数の同時接続による大規模なUDPデータグラムのアップロードおよびダウンロードをエミュレート可能

VMware TENSはオンプレミスやパブリッククラウドに対応したコンテナ型のエコシステム上で動作するようにパッケージ化
動的にエンジンを追加しトラフィックの急増をシミュレート可能

VMware TENSはREST APIで制御し、自動化することで無制限にスケール可能

VMware TENSは以下の検証が可能
・SSLセッションの再利用と永続性
・セッション内のすべてのリクエストのヘッダが同じ値であること
・URLリソースサイズとgetレスポンスサイズのサイズ

VMware TENS入手方法

GitHubサイトにて無償で提供
VMware TENS:https://github.com/vmware/te-ns

原文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?