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大学フットサルの価値 加藤亜土

広島エフドゥ監督の加藤亜土です。
今回インカレの全国大会前にしてブログを書く機会を与えていただいたので、コーチとして関わった経緯や思い、そして僕の感じる大学フットサルの価値や可能性について書いていこうと思います。

広島大学にフットサル部があることは学生時代から知っていました。当時はインカレ全国大会で好成績を収めたり、全日本選手権の全国大会に出場する地方の強いチームというイメージでしたね。
広島エフドゥで監督をさせてもらうことになったときから、広島大学と上手く繋がりを持てないかと思っていました。立命館大学で指導をしていた僕は、しっかりとトレーニングを詰めばFリーグでも充分に力を発揮できる可能性が大学フットサルにはあるし、Fリーグと大学生が上手く関係を作っていくことが育成やチーム強化にも必ずつながると考えていた中で、広島大学の監督がエフドゥの選手の喜多村優だったという繋がりで指導を手伝うということでコーチとして関わることになったのが一年前の5月でした。

現在では、広島エフドゥには大学フットサル出身の選手が7人います。
そして広島大学からエフドゥのトレーニングに参加している選手が2人います。
今大会広大の注目選手の1.2番にもなっている2年生の森田と3年生の西本です。彼らは日々2部以上のトレーニングを行い、一年前とは見違えるほどに成長しています。広大のトレーニングにおいて違いを作れる彼らのプレーは少なからずチームの刺激になり、大学フットサルとFリーグを繋ぐ好循環の橋渡しとなっています。広大とエフドゥ、移動の車やご飯など一年の8割の時間を共に過ごす彼らの姿勢に今大会最高の時間が訪れるよう期待していますし、まだ来年もある彼らも今すでにここまでできると証明してくれるよう僕も全力を尽くします。

現在の広島大学は僕を含め監督コーチフィジカルコーチとスタッフが3人います。環境面ではフルコートの取れる空調付きの体育館が学内にあり日々トレーニングをしています。リーグ戦はトップチームは中国リーグと学生リーグ、サテライトは県リーグに所属し週末に試合があり、エフドゥの選手たちもよくトレーニングにきてくれたりエフドゥとのトレーニングマッチもよくやっています。
環境においては恵まれたものと言って良いでしょう。
しかし、昨年初めてトレーニングに行った時、立命館やエフドゥと比較して選手どうしの仲は良く、雰囲気は良かったのですが、トレーニングの中の厳しさや強度は低く、運営の面など課題が多くあるな、学生のみのチームの大変さが伝わるような状態でした。監督がトレーニングに来れるのも仕事の都合で土日だけということも背景にありました。このままではなかなか大舞台で勝っていくことは難しいのではと思いがありました。
やはり昨シーズンはインカレや中国リーグ、全日本選手権など大きな大会でなかなか勝つことができず、結果という面だけ見ると充実した一年だったとは言えないものでした。
全国で見ても恵まれた環境がある中で、環境に感謝しそして高め合う集団でないといけないと感じましたし、もったいないと思いました。
僕のやることとして、トレーニングの強度、チームの雰囲気を向上させ、強いチームの伝統を作ること、フットサルを好きになってもらうこと、学生には過程と結果どちらも充実した大学生活を送ってほしいとの思いで真剣にトレーニングに向かうことにしました。
毎日監督や学生と相談しエフドゥに近しいプレーコンセプトやトレーニング、日程調整や格上との遠征、エフドゥとの練習試合など、できる範囲の環境を整えてきました。しかし、急に変われるのもではなく、集合や荷物など運営面のミス、トレーニングの集中力が低いなど、いまだに組織の弱い部分も見られます。大学生なので、部活以外の誘惑ややりたいことなどがたくさんある中で部活に4年間コミットし続けられる選手というのは少ないでしょう。
4年間という限られた最後の学生生活をフットサルに注ぐべきなのかと考える学生もたくさんいます。
しかし、4年間という限られた最後の学生生活だからこそ、注ぐ価値があると思っています。
僕自身大学フットサルに関わり選手時代も合わせて今年で10年目となりました。その中でもインカレは特別です。勝ちも負けも楽しさも悔しさも喜怒哀楽をたくさん経験させてもらいましたが、何よりフットサルの沼にハマる大会です。4年間やるからこそわかる歓喜や興奮があります。そして、大人になってからでは味わえない人生最後の青春があります。

そして、日々ちゃんとやるチームは必ずドラマを起こし、歓喜することができるチームであるということです。
3月の大学地域CLでは立命館が優勝しました。彼らは僕が辞めてから選手主体で運営をしていますが、まるでお手本です。
トレーニングメニューや戦術は多少僕との打ち合わせもしますが、公式戦や練習試合に関わらずスカウティング映像がアップされ、それに基づいたトレーニングが行われますし、試合の交代やセット、セットプレーなどのプランニングは余すところなくやります。
何より、僕が驚くほどにトレーニングの集中力が高く、本当の意味で準備をしています。今大会も優勝候補の一角であると言っていいでしょう。
ただ、そんな彼らも最初から全部うまく行っていたわけではありません。
たくさん負けましたし、たくさん怒りもしました。劇的な敗戦や着実な勝利、色々なものから感化され、少しずつ日々ちゃんとやる集団になりました。

広島大学にとって変化のある大会が今大会だと思っています。
日々ちゃんとやる集団とは言えませんが、この数ヶ月、確実に変わっていますし、この8月は特に変化しています。
今大会で起こるドラマを経験して、フットサルの沼にハマって欲しいと思います。普段の大学生活では味わえない興奮や歓喜、人間性を放出させられる瞬間が大学フットサルにはあります。何より同期や先輩後輩、チームメイトとの思い出こそが大学フットサルの価値です。

少しでもみんなの思い出のある大会にできるように手助けできたらと思います。

インカレ中国大会での嬉し泣き、これを塗り替える最高の写真を撮りましょう。


個人的には、あわよくば逆山の立命館と試合ができたら嬉しいですね笑

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