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無信仰の《自然》(ピシュス) ドゥルーズ

割引あり

私たちは、無信仰な自然に抱かれて生きている。それ自身、ヒトでも生物でもない「自然」が無信仰であるという考え方を通常はしないが、読者が擬人化などで理解することを期待して論を進める。
「差異と反復」に於いてドゥルーズは、《自然》(ピシュス)は無信仰であるという。人間が信仰を持とうと持つまいと、自然は無信仰であるという。それは、単に物の集まりが無信仰であるとは異なる意味を持つように思える。自然というシステム、「生命の源」である自然が、無信仰であるという。自然、生命の、信仰に対する先行を語る。自然、生命がなければ、そして恐らくはヒトがいなければ、信仰もない。宗教者、信仰者にとっては、激しく意に逆らうところかもしれない。しかし、ヒトがいなくても信仰はあると、誰であれ考えるだろうか。そして「無信仰の《自然》」。ここで自然は、無機質なイメージでもなければ、非生物的なイメージでもない。逆に、生命の源として考えられている。

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