見出し画像

投錨効果

これはアンカリング効果とも呼ばれています。初めに示された情報によって出発点が固定されると、その情報が後に出てくる情報に比べて重みを持ってしまうことです。

例えばある商品に1万円の値段が付けられていた時、それだけでは高いのか安いのか判断できなくても『希望小売価格の半額という表示がされると、希望小売価格がアンカーになって安く感じてしまいます。

別の例として、ほとんどのジャケットが24,000円程度で売られている店で、12,000円で売られているジャケットがあれば、買い手は買い得と思います。その一方でほとんどの商品が8,000円で売られている店で12,000円の同じ商品があったら高いと感じてしまいます。

同じ12,000円のジャケットでも一方は24,000円、もう一方は8,000円という価格帯がアンカーになる為に買い手の感じ方は正反対になります。

アウトレットモールが各地で繁盛しているのも『アウトレットモール』という情報がアンカーになり、店がセール中でなくても年中安売りをしているように見えるのもアンカリング効果です。

また会議で最初の発言者に影響されて、自分も同じ意見であるかのような気分になり、議論が活発化しないのもこの効果の影響です。

確証のバイアス

売り手の方もアンカリング効果にはまります。セブンイレブンの一個160円のおむすびは社内では高くて売れないのではないかという予測があったそうです。これは130円というアンカーがあって判断に影響を及ぼしたからです。このアンカリング効果が高じると玄人の陥りがちな思考の落とし穴にはまります。

人は一旦自分の考えが固定化してしまうと、それを裏付ける情報やそれに沿った情報ばかりを集めて確証を得ようとします。そして自分が聞きたくない反証の情報や自分の考えとは異なる意見を無視したり軽視したりする傾向が現れます。

確証のバイアスという思考のひずみ、つまり自分のアイデアが誤りであっても誤りである事を示す可能性のある情報を無視するから、自分は今まで通り正しいと思い込んで判断します。玄人が陥りがちなのはこの確証のバイアスです。

コンビニの経営を始める人にスーパーの店長を経験した人が多いようですが、自分が玄人と思い込んでズレが生じる事があるそうです。

断捨離の逆

滋賀県に『何でも半額』というキャッチフレーズで訳アリ品を半額で店頭販売されているお店があります。アマゾンの返品や会社の過剰在庫品として流通してきた商品だと思いますが月に一度ほど衝動買いをしに店を覗きにいきます。半分くらいは捨ててしまう不用品ですが中にはお宝もあります。多分無駄遣いですが、何となく楽しく感じます。

お買い得であった寝室入り口の自動照明
ワンタッチで外れて懐中電灯にもなります

京都駅の近くにある弘法大師が建立されたという東寺で毎月22日に泥棒市が催されています。私が通っていた大阪にある歯科医の先生が『今時10円玉ひとつで買い物ができる』と楽しみにしておられました。多分彼の家にも多くの不用品があるのではないかと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?