光る石

秋が来ている。
朝出勤する時の気温も空の色も違う。力のない、若さのない青。
夜の空気も冷えてきた。
夏が、色んな盛りが終わっていく事を見る寂しさが心の中にやってくる。
今までは特に好きと思わなかったけど、今は嫌いじゃない。そして自然な事というか、しっくりくるような気がしている。

先日鴨川に行った時に、軽い気持ちで石を拾ってきた。小さな結晶がところどころキラキラ光っている綺麗な石を見つけたから。帰ってきて、洗って天日干ししてから部屋に置いている。
よく見てみると、白い(一部茶色がかった)部分と、白い結晶、透明がかった灰色の結晶、深めの灰色の結晶、黒いゴマのような結晶などが組み合わさってできている。同じに見える結晶でも光っている部分と光っていない部分がある。
調べてみると、花崗岩(かこうがん)という石のようだ。花崗岩はマグマが地下深くでゆっくり冷えて固まった深成岩という分類に入るそうだ。石英という、綺麗なものは水晶と呼ばれる鉱物が含まれている。でも特に珍しい石と言うわけではなく、地球上至る所で広く多く見られる石だという。
全く珍しくないのは少しがっかりしたけど、綺麗な石が手元にあることは、なんだか少し嬉しい。それに、鉱物という謎めいた存在には、少し心が惹かれるものがある。
今日は近所の小高い山の公園に行った。そこでも花崗岩を見つけた。持っている花崗岩と少し色味が違って白っぽい部分の割合が多いように見えた。持って帰ってきた。
集めて何になるというわけでもないのに、何だか見つけると気になるようになってしまったようだ。

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