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「身長」の低さというコンプレックス|175センチのGK

○お伝えしたいこと(結論)

今回の内容でお伝えしたことは、

「自分自身を受け入れる」

です。

僕は小学校2年生(7歳)から社会人7年目(29歳)まで約22年間、サッカーを続けてきました。当初はフィールドプレイヤーでしたが、小学校5年生の時、オスグット(骨の発達に筋肉や腱の成長が追いつかないことによる膝下の痛み。いわゆる成長痛)を発症し走ることができなくなりました。そこでやむなく、走る回数が少ないGKにポジションチェンジしたことがきっかけで、以後ずっとGKを続けてきました。

サッカーを始める前に、父親の影響を受け野球・ソフトボールをやっていたので、ボールを手で扱うこと(投げる・捕る等の動作)はどちらかと言うと得意だったかもしれません。加えて、高学年になると身長は160センチ台後半に。小学生GKとしては、体格的にも恵まれていました。

○GKの魅力

サッカーの試合は僅差(1~2点)で勝敗がつくことも多く、ゴールを背負ったGKのプレーは責任重大です。自分がミスをすれば即失点、自チームの敗北につながりうる一方で、相手の決定機を阻止すれば、自チームに大いに貢献することができます。

そういった特殊性から、僕はサッカーにおいて最も重要なポジションはGKだと考えています。

GKを始めた当初から、責任重大である一方で、一つのプレーでチームを救える(ヒーローになれる)GKというポジションに非常にやりがいを感じていました。また、シュートを止めること自体の楽しさから次第にこのポジションに没頭していきました。

○GKとしての悩み

中学2〜3年生になる頃には、僕の身長は175センチ(現在の身長と同じです笑)に。この段階になると自分よりも体格が大きな選手(180センチ以上)がちらほら現れてきました。

シュートストップ飛び出しが自分の強みと認識していたので、その部分において自分よりも体の大きなGKには負けない自信がありましたし、漠然とですが将来「プロサッカー選手になりたい」と考えるようにもなりました。

しかし、それと同時に、当時活躍していたJリーガー(GK)と自分を比較した際、ある大きな相違点を認識するようになりました。

それが、「身長」です。

たくさん練習をすれば、もっともっと上手なる。プロのレベルに近づけると言う感覚はありました。しかし、こと身長に関しては、これまでの成長が止まってきたこと・それに対して何もすることができない自分に対して、次第に焦りを感じるようになっていきました。

そんな僕に追い討ちをかけるような出来事がありました。
それは「ユース昇格試験」です。

中学3年生の当時、サンフレッチェの下部組織に所属していました。高校生年代のサンフレッチェ広島ユース(プロの登竜門みたいな場所)に進むためには、ユース昇格試験で合格する必要がありました。

昇格試験は、僕を含めて3人のGKが受けていたと思います。とにかく全力でプレーしましたし、アピールもしました。

しかし、残念ながら結果は、「不合格」
そして自分以外の2人は、「合格」

本当にショックでしたし、大きな挫折を味わいました。
プレーでは絶対負けていないと自負がありながら、落ちたという変わりようのない現実

合格した2選手(GK)の身長は、180センチ前半と190センチ前半・・・
(いま振り返ると、プレーもさることながら、GKとしての将来性・成長性においてこの2選手に劣っていたと思います。笑)

ここから僕は、自分自身の身長を「弱点」とはっきりと認識するようになっていきました。

○発想の転換

進路を考えた際に、本当にありがたいことに「広島皆実高校」からお声をかけていただきました。普通科と体育科を選ぶことができましたが、両親と相談の上、普通科を選択しました。

高校進学直後も、身長に対する僕の認識は相変わらずでした。

◆身長がもっとあればシュートを止められた
◆腕がもっと長ければボールに届いた
◆相手にプレッシャーを与えられた

〜あれば、もし〜・・・など、
自分に対して、かける心の声はいつもこのような感じ。当然プレーも上手くいきません。

しかし、ひょんなことからその考え方が変わりました。

日本で最も偉大なGK「川口能活」選手についてのある事実。

◆選手登録上は181センチだが、
 実際の身長は179センチ

拍子抜けしましたし、自分とほとんど変わらないじゃんとも思いました(とても失礼ですが笑)。
あれだけの選手が自分の身長と4センチしか変わらないという事実

そのころから次第に思考が変わっていきました。

身長が低いのであれば、

◆身長が高いGKより「速く・高く・強く」
 動けばいい
◆体が大きい選手よりシュートを「止める」  
 GKになればいい

と言った具合に。

非常に単純明快な話、かつ、当たり前の話でしたが、その当時の僕はそれになかなか気が付けませんでした。つまり、

「壁なんてものは、どこにも存在しませんでした。」

そして、ただ単に、

「その壁は、勝手に自分が創り出したコンプレックス」

と知りました。

今までの「〜あれば、もし〜」という思考から、他のGKより身長は低いことを受け入れた上で、「ではどうするか?」という発想に変わって点について僕にとって大きな起点となりました。

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僕は、小学校、中学校、高校、大学と各カテゴリーでひたすらサッカーに没頭してきました。しかし、大学4年生の春、僕はプロサッカー選手を諦め、就職活動をしました。正確に言うと、「プロサッカー選手として活躍している自分の姿を想像できなかった」のです。

事実として、これは、体格云々の問題ではなく、「その実力がなかった」と言うことだと思います。

その一方で、22年間を通じてたくさんの成果(結果)をあげることができました。これは僕の自信になっています。

◆西日本(J-WEST)代表選手に選出
 (中学3年生)
◆高校サッカー選手権で全国制覇
 (高校2年生)
◆筑波大蹴球部でリーグ全試合スタメン
 (大学4年生)
◆関東2部リーグで年間ベストイレブン
 (社会人3年目)
                etc

○自分自身を受け入れる

車に乗って、カーナビに「目的地」を入れるだけで「目的地」に到着することはできるでしょうか?

答えは否です。

「目的地」へ行きたければ、必ず「現在地」をセットで知る必要があります。

中学校3年生〜高校1年生の僕は「目的地」だけを見ていました。だから迷走してしまったのです。
変わったのは、自分はGKとしては身長が低いと言う「現在地」をしっかり認識してからでした。(正確にいうと向き合ってからでした。)

自分の現在地を認識する、とは、【まず現在のありのままの自分を受け入れる】と言うことです。
それができてこそ初めて「目的地」に向かって進んでいくことができるのだと思います。

【自分自身を受け入れる】ことからのスタート

今回も読んでいただきありがとうございました。

神舎

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