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彼女と出逢って3ヶ月で婚約した僕は、24年間「年齢=彼女いない歴」だった

僕が一念発起して、彼女探しに七転八倒し、数年間、自分の不甲斐なさに悶絶しながらも素敵な人と巡り会い、3ヶ月で婚約するに至った話を書こうと思う。(今は結婚してる)

僕は自他共に認める変人だ。

まず経歴からして「普通」じゃない。生まれてこの方「普通」とは程遠い生活をしてきたし、なんとなく自分でも「普通じゃない自分」に少し誇りを持ってたと思う。

いろんな事情があって、学校にさっぱり行かなくなってから10年ほど、僕は独学で勉強を続けていた。学校が嫌いだったし、勉強なら自分でできたので行く意味も分からなかった。TOEICで985点取れたり、フランス語なら少し話せる様になったりとそれなりの成果をあげ、ちょっと得意げになってた僕が社会に出て働きはじめて一番痛感したことがある。

自分の「コミュ力の低さ」だ。

とくに女の子と話すのは無理の極みだった。別にそんなに気になる子でも無いのに、顔を見たとたん何を言ったらいいのか分からなくて、しどろもどろになっていた。特にかわいい子となんて、もし話すことになったら何かしら失敗する事が目に見えていたので、怖くてとてもじゃないが近づけもしない。チキンだった。

でも、彼女は欲しかった。

女の子に声すらかけられない自分が嫌いだった。気になる子に気軽に絡んでるチャラい奴はもっと嫌いだった。でも同時にそのチャラさというか勇気をどこか尊敬してた。


僕には何が足りないんだろう。

そんなことばかり考えていた20才の頃の僕はインドア派で、本が大好きで、語学の勉強のために見はじめた海外ドラマにどっぷりハマっていた。英語が身についたのはのちのち仕事に生きてきたので良かったが、恋愛においてこの「海外ドラマ」のカルチャーに影響を受けまくって真似してたのは、かなり大きな間違いだったと、あとで思い知ることになる。

何が足りないか、なんとなく認識していたのは3つぐらいだった。

僕が彼女を見つけるのに必要なもの
 ①トーク力=コミュ力
 ②ファッション=身だしなみ
 ③出会いの数=経験値

一個ずつ思いかえしていこうと思う。


①トーク力が無い

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これは自分でもなんとなく危機感はあったけど、アルバイトをはじめてひしひしと感じるようになった。*今でもわりと苦労してる。

というのも、会話は二人の間で「共感できて盛り上がれる話題」もしくは「お互いに対する興味」が無いと基本的に続かない。通常はアルバイトが休憩時間に仕事以外でする話といえば、大学の単位やサークル、教授の話や漫画、流行りのドラマやアニメの話題が多いと思う。

僕はそんなありふれた話題に何ひとつついていけなかった。そりゃ経験してないので当たり前だ。みんな楽しそうに話していても全くわからないので、適当にうなずきはするものの、会話に混ざるなんて到底無理だった。

共感が無い会話はただの事務的な情報の確認で終わってしまう。「へえ、そうなんだ」「すごいじゃん」で終わってしまう会話があまりにも多かった。僕はエイリアンみたいな存在だったんだと思う。

そこで、僕はバイトの立場をフル活用して、みんなの「普通」を学ぶことに心血を注いだ。誘われた飲み会は全部行った。ちんぷんかんぷんで分からなかった話題はメモして家でググった。Yahoo知恵袋で大抵の大学生の「悩み」は概要が理解できた(なぜみんな遊びまくって単位に悩むのか、とか)

初めて行くカラオケでは、みんな知らない曲ばかり歌っていたので、よく歌われてて盛り上がる曲はメモして家で聞いた。YouTubeでプレイリストを作って、別に好きではなかったけど、ジャニーズからアニソンまで、人気の曲はなんとなく一緒に口ずさめるぐらいには聞いた。

そうこうして一年半ぐらいたつと、接客業だったこともあり、人と話す時に変に身構えたり、緊張することはなり、定型文に近い世間話なら誰とでもできるようになった。

でもやっぱり気になる子の前では会話が続かなかった。

普通にコミュニケーションできる事と、恋愛においての戦闘力は別だということを学んだ。一般常識の重要性を痛感した。


②ファッションセンスが無い

僕はバイトをはじめた当初、現代の感覚からするとひどいファッションを好んでいて、かつそれをカッコいいと思っていた

当時の格好(写真は恥ずかしくて載せられない。このnote自体、いつか黒歴史として葬り去りたい)
・野球帽かフェドーラ(インディ・ジョーンズが被ってるアレ)
・チェックシャツ(常に羽織ってた)
・柄もののTシャツは裾をイン(これは絶対)
・バットマンみたいにベルトにポーチ

あまりに酷くて指摘すらされなかったので、バイト初めて数ヶ月は全然気づかなかった。仲良くなった男友達から「お前のセンスやべえぞ」と指摘してもらい、その場にいた女子が全力で頷いたのを見て死にたくなった。

まあ、尊敬してて好きで洋服も少し真似していた海外ドラマのキャラが↓こんな感じだったのであとは察してください。

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(↑この画像が分かる人とは仲良くなれる自信があります。キャラの詳細はこちら→ The Eleventh Doctor ©2020 BBC)

今なら分かるけど、現代の日本に溶け込めるキャラじゃない。「日本のドラマもっと見ろ」と過去の自分にメガホンで言いたい。でも「結婚できない男」の桑野さんは真似しちゃダメだぞ。確かに日本のドラマだけども。桑野さんはいい人だけども。

ともかくファッションセンスが壊滅的だということは認識できた。これまで触ったこともなかったファッション雑誌のコーナーに行き、置いてある物を全部読んだ。コンビニのおじちゃん大目に見てくれてありがとう。立ち読みしまくって申し訳なかったので、友達も勧めていた「Safari」を買った。確かこの号↓。なつかしい。

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読んですぐ、Tシャツインはやめた

でもいい服を買うお金がなかったので、GUやユニクロ、スーパーのバーゲンで少しずつ買い換えた。とくにGUとユニクロにはお財布事情を大変助けられた。ありがとうございます。欧米人のモデルには似合っても、自分には合わない場合が120%ほどあることも学んだ。大人の階段つらい。

あと、服と合わせて清潔感をアップするために制汗剤と無難な石鹸の香りの香水を買った。以来近寄るだけで顔をしかめられる事はなくなった。(*バイトなので、皿運んだり体動かすと結構汗をかいていた)

自分にファッションセンスが無いことには気づけた。でも新しい服を買うお金がなかったので、服は1年ぐらいかけて少しずつマシになったと思う


③まずは経験値を稼ごう。出会い系アプリに課金

恋愛経験がゼロだからドギマギするし、上手くいかないはずだ。そう思った僕は数打ちゃ当たると「ガンガン行こうぜ」戦法で出会い系アプリに登録することにした。

TinderとPairsだったかな??よく覚えてないが(悪い思い出は忘れるに限る)3〜4つ登録して、プロフィールをチュートリアルに言われるがままに登録し、ワクワクしてマッチングするのを待った。

ぜんっぜんダメだった。

登録して課金すればこう、なんか新しい世界への門が勝手に開かれると思ってたのだ。そんなことなかった。僕の門はあまりに大きくて、重くて、錆びついて一度も開けたことが無いものだった。秘境への入り口か。

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あとで知ることになるが、出会い系アプリの男女率は圧倒的に男性に寄っている。仮に「男5:女1」であれば、男は他のライバルを蹴落とす勢いで存在感を主張して、他の男性会員の5倍はアクティブに活動しないと、「次々とマッチして会える」なんてありえない。

僕の存在感は空気、いや、塵に等しかった。

課金してたので必死になって出会い系アプリの攻略方法を調べた。自信がなかったのもあり、自分からグイグイ攻めるのはあまり気が向かない。でもここは経験値を踏むステージだ!と割り切ってアグレッシブに活動した。
・毎日ログインして上限まで「いいね」を送る
・メッセージは即レスできるように、定型文を何パターンか用意する
・マッチングした直後に送る文も何パターンが用意した上で、プロフィールを熟読して推敲に推敲を重ねてお礼メールを送る

メッセージのやりとりは何往復か続くけど、返信が途絶えて会うまでいかない... という状態が1ヶ月ぐらい続いた。

焦って色々なことに手を出しはじめた。見事に詐欺アプリのサクラに引っかかって2千円ぐらい損したり(当時は痛い出費だったし、なによりコロッと騙された自分が悔しかった)、よくわからない「恋愛指導」メルマガに登録したり、ナンパ師のブログを読んだり、よくある「男と女の心理学」的な恋愛指南書を本屋さんで読み漁ったりした。

他のアプリと違ってTinderでひとつ面白かったのは、自分の性別と「恋愛対象」の性別設定を自由に変えられたこと。(海外産ならではの配慮に満ちた仕様だと思う)この頃、仕事でマーケの勉強をしていて「3C分析」なるフレームワークを学んだことで、自分がライバルの情報を持っていないことに気が付いた。いかに自分と女性がマッチするかだけ考えていたので、ライバルの男性の存在まで頭が回らなかったのだ。

3C分析とは、自社(Company)、競合(Competitor)、顧客(Customer)のそれぞれを調査、それを元に勝てる戦略を考える手法。マーケを勉強してるとめちゃくちゃ最初の方に習うやつ。

試しに適当な女性のアカウントに偽装して、近隣の男のプロフィールを閲覧していった。僕と同じくオタクっぽい人、チャラい人、お金持ち感を頑張って出している人、モデルか?!というイケメンだったりいろんなアカウントを見た。いいなと思ったポイントをメモして自分のプロフィールに反映していった。

思えばこれがダメだった。

僕が「いいな」と思うポイント = 一般的に女性がいいなと思うポイントであるはずが無いのだ。でもそんなことは知らなかったし、気づくはずもなかった。あぁ青春。

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でも、そんな創意工夫の成果が出て、なんとか2人とファーストデートにこぎつけることができた。

一人目は看護士さんだった。全く話がかみ合わず、こんなに気まずい40分は初めてだというくらい、ぎこちない会話がポツリ、ポツリと。生産性はゼロだった。

二人目はまだ比較的いい感じだった。最初のデートはサクッと1時間ぐらいお茶してから、次の約束をして別れた。その後のメッセージのやりとりも、うまく会話のキャッチボールできていた。この頃は、メッセージを送って女性から返信が来るだけで嬉しかった。若いっていいな。

2回目のデートでは、お金持ちの友達が住んでる高層マンションのホームパーティに誘われた。そんな場所いったことないし、キラキラした人たくさんいるしで、緊張と不安でいっぱいだった中、優しく対応してくれたり、友達を紹介してくれたのでますますその人を気になった... (思い返せばあれはまさに吊り橋効果)

3回目のデートでドキドキしながら渋谷の東急ハンズ近くのカフェで待ち合わせした。そのままA●wayの本社に連れてかれた。ここで初めてネットワークビジネスの存在を知った。「権利収入って知ってる?」という言葉が大嫌いになった。失恋のショックで混乱してる中、二人の手練れを前にして入会を断れたのは偉いと思う。(えらい)

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面白かったのは、「一般の人」に向けて何回も喋ってきたであろうセールストークが、僕に全く通用しなかったことだ。詳しく書くと話が横道に逸れるのでここでは控えるが、一つ例をあげると

Aの人「(権利収入の話)ほら、音楽作ったり本書いたりできないよね?」
たぶん期待されてた答え「そうですね、できないです」
「曲は書いた事あります。楽器弾けるので… あとこども向けの小説なら書いて、本作ったこともあります」
Aの人「…マジで?!」
(微妙な沈黙が流れる。何か答えをミスったのでは無いかと気づく僕、急いで間を埋める隣の人)

収穫:出会い系に、僕と合う人はいないんじゃないか?という気づきが得られた。熱帯魚を探してるのに、サメがうようよいる海域で素潜りしてる感じだった。そしてネットワークビジネスの怖さについて学べた。


仮説を立てなおす

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と、ここで最初の仮説に立ち直りたいと思う。

僕が彼女を見つけるのに必要なもの
 ①トーク力(コミュ力)一般の人とは普通に話せるまで習得
 ②ファッション→見苦しくないレベルまでは回復
 ③出会いの数→出会い系はダメだった

僕なりに試行錯誤したものの、見込みはゼロ、自信はズタズタで出費だけが続く状況だった。

これは「最初に立てた仮説に抜けがあったんだ」と僕は結論付けた。

それまでの経験を踏まえて、新たに戦略を練りなおす。マーケでも「PDCAサイクル」ってありますが、振り返りはとっても大事。作った戦略が新たに3つ。最初のと合わせて合計6つ。

新しい基準
 ④そもそもどんな人と付き合いたいのか??
 ⑤エスコート力=デートをプラニングしたり、ケアしたりする能力
 ⑥出会いの質と場所の選定

*時期は前後するが、↑の分析をする1年前ぐらいに海外向けの通販サイトの運営をする会社に就職していた。仕事は英語への翻訳とその他デジタル施策を一人でゴリゴリ進めること。平日は毎日夜遅くまで仕事してたので、その合間を縫って土日とかに少しずつ考えていた。

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④どんな人と付き合いたいのか?ペルソナ分析

本職がWEBマーケティングの実務なので、そっち系の知識を駆使して他の問題も考えることが多い。(いつも上手くいく訳ではない)

そこで気づいた。僕には軸がなかった。

どんな事業でも、まずはお客さん像をしっかり定義しないと、やることの軸がぶれてしまうため、ゴール(売上)を達成することはだいぶ難しくなる。

でもここまで僕は、数打ちゃ当たると勘違いをして、どんな人に出逢いたいのか具体的なイメージも基準もないまま、手当たり次第にあれこれ試行錯誤していた。ひたすら質を無視して量を求めていたので行動の軸がぶれっぶれだった。

ちゃんとペルソナを立てようと思い、自分がまだ見ぬ彼女に求める要素を整理してみた。

こんな人と出逢いたい
・賢い(学歴基準ではなく、機転が利く系)
・社交的(僕が人付き合い苦手なので)
・起業やマーケなど僕の仕事に理解がある(仕事観があう人)
・自分の仕事が好きで情熱がある(愚痴ばかり言わない、自分を持ってる)
・変人(僕)を拒否せず、理解してくれる広い心と忍耐力がある
・(ある程度)かわいい(単純。若いっていいな)
こんな人はいやだ
・専業主婦になりたい人(すぐ結婚は考えてなかった)
・根が利己的な人(疲れる)
・ネットワークビジネスやってる(教訓)
・タバコ吸ってる(匂いが嫌い)

で、なんとなく整理できたので、次に「そんな人はどこにいるのか?」を考えはじめた。友達にペルソナを持って聞きに行ったら「いないよ」と即答され、そんなに厳しい条件なのかと一瞬決心がぐらついた。気を取り直して、一つずつ条件について考えてみた。

・「賢い(学歴基準ではなく、機転が利く系)」
→多分ハイキャリア。頭が良いので、コンサルとか金融、IT系など頭脳系の仕事についてるんだろうな、と想像。学歴は関係ないと書いたのは、①僕が学歴に興味がなかったから、②高学歴の人に絞ると、学歴がない僕とは釣り合わないんじゃないか?と思ったから。

・「社交的」
→僕とは正反対の要素だ。ということは、僕が自分からは行かない場所で、いろんな人と交流してるはず。友達・知り合いが多いという事は、誰か知り合い経由なら会う可能性はありえる。ただ知り合いが多い=出会いも多いので、すでに彼氏いる率は高い。恋愛偏差値が低い僕がアプローチするには厳しいのでは。

・「起業やマーケなど僕の仕事に理解がある」
→多分その業界の人。もしくは経営者的な考えがわかる人

・「自分の仕事が好きで情熱がある」
・「変人(僕)を拒否せず理解してくれる広い心と忍耐力がある」
・「(ある程度)かわいい」
→これは業種によらないし、この3つが揃ってる人がいる場所を知ってたらもう行ってる。

今後の行動の精度をあげて、確率をあげるための準備ができた。どんな人と付き合いたいのか?という問いは「そもそも、自分はどんな人間なのか?」という質問にも繋がって、あらためて自分を見つめ直すよい機会にもなった。性格診断テストは片っ端からやった。


⑤エスコート力

①一般的な「対人間」の会話術は身につけたけれども、「女の子」とデートしたり、会話したりする能力はまだぜんぜんだった。これを克服しない限り次には進めない、と悟った僕は前とはちょっとアプローチを変えて勉強を開始した。

女性の思考回路を分かる以前に、なにも知らないんじゃないか疑惑

そもそもの問題は、僕が「女の子はこう考える」という思考回路を全く知らなくて、理解がなかったからじゃないかと仮説を立てた。僕はもっと深く知るべく、色々な恋愛系のコンテンツを「思考回路が分かるか」という観点で探しまくった。

は●ちゅうさんの恋愛ネタの対談YouTube。ときどき炎上するけども、完全に女性目線の容赦ない言葉は新鮮だった。主観・感情ベースのロジックがあり、全然受け取り方が違う場合があることを学んだ。

記憶があやふやだけども、たとえば「デートのご飯は男が奢るべきか・割り勘でいいか」論争で、ご飯を奢られないと「大事にされていない、ご飯を奢るまでの人間じゃないと見なされたと感じる」みたいな見方があるのには驚いた。もちろん違う考えの方もいるだろうが、女性とご飯に行った時は絶対に奢るぞ、と心に決めた。

Twitterで匿名垢を作り、基本はROM専で
・恋愛指南系のノウハウツイートをするアカウント
・恋愛ネタを呟くインフルエンサー(説教おじさんラブホの上野さん
・片思いを延々と呟く女子アカウント
に絞って、恋愛の思考回路の情報が毎日入ってくるようにした。生の情報はとても刺激的だった。なんとなく「女の子」への理解が深まった気がする

Yahoo知恵袋の男女の悩み相談の人気投稿を「どんな考えのズレが起きてるのか」という基準で読み漁った。投稿者の問題に対して、いろんな人の解釈を読んで、単純な「LINEの返信スピード」にすら100通りぐらい受け取りかたがあると知る。世界は広かった。

これまで学んできた小手先のノウハウの根っこにある「女の子は一般的にこう感じて、考える」という理由まである程度分かったことで、イレギュラーな事態にもなんとか対応できるのでは...? と自信がついた。過去のアプローチがうまくいかなかった理由が、やっと自分なりに理解できた(一部)。


⑥出会いの質と場所の選定

出会いの数を求めた結果たどり着いたのがAm●ayだったので、方向転換の必要性をひしひしと感じていた。④のペルソナ分析をしながら、一緒に自己分析も進めていた僕は、あらためて自分の2つのポイントに気づいた。

1. 経歴がかなり特殊(学歴なし、英語が独学で喋れる、海外向け通販サイトのマーケ担当という相当ニッチな職業)

2. 自分の性格すらそもそも珍しいらしい。当時の性格診断テストの結果↓

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『“建築家”型の性格 INTJ』
この上なく孤独、そして最も希少で戦略に長けている性格タイプのひとつで、建築家型の人達自身、これをすべて痛いほど感じています。
全人口のわずか2%を占めていて、特に女性が珍しく、全人口のたった0.8%です。自分と同じ考えを持ち、その飽くなき知的追求心や、まるでチェス試合のような駆け引きについていける人を見つけるのに苦労する**ことが多いのです。想像力が豊かな一方で決断力があり、野心に溢れている反面、引っ込み思案で、驚くほど好奇心がありますが、エネルギーを浪費しません。
(出典元はこちら:16 Personalities - INTJ

当時の自分の性格ドンピシャで、怖いぐらい当たってた。

自分が「特殊経歴 x 珍しい性格」のミラクルな掛け合わせで生まれた少数派なので、マッチする女性もかなり少ないであろう、ということは容易に想像がついた。ということは確率論で、やっぱり人と出会う場を増やさないとぴったりマッチする人とは巡り会えないという結論に逆戻りした。でも、質は高めないと非効率なのは痛いほど経験で分かっていた。

バイト時代に結婚式や披露宴のウェイターを毎週のようにやっていたこともあり、「二人の馴れ初め」ビデオは人一倍見たことがあった。そんな記憶を思い出しながら、男女の出会いがありそうな場を考えてみる。
・友人の紹介
・パーティ、交流会
・共通の趣味(習い物とか)
・イベント
・合コン
・大学関連(サークルとか)
・バー、パブ(HUBとか)

次に、ペルソナで考えた女性が行きそうな場で、僕も行けるかどうかで振り分けてみた。

アリ:パーティ、交流会、イベント、共通の趣味(習い物)、友人の紹介
ナシ:合コン(誘われない)、大学関連(そもそも行ってない)、バー、パブ(行ったけど雰囲気に馴染めなかった)

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行動指針が決まった。

・イベント、パーティには積極的に参加。趣味が絡むものだとなお良し。読書会とか多分ドンピシャ。
・交流会、とくにビジネス交流会には積極的にでる。誘われたら高くなければ、すべてイエスと言った。起業家っぽい人たちの集まりにも入った。
・友達を増やす:過去の行動が知れたり、実名を忘れる心配がないFacebookをフル活用して、出会った人は基本みんなFacebookでつながるようにした。

これが良かった。

週に3〜4回、多い週でほぼ毎日のように新しい人と会っていた。パーティに行く人はたいてい他のおもしろい会に誘ってくれる。友達を増やすという目的は着実に達成されていた。ネットワークビジネスに対してのアレルギーと嗅覚は格段にするどくなっていたので、変に勧誘されることもなかった。

行動量が必要なのは前と変わらなかったけども、探している女性の具体的な像、自分の特性を踏まえての行動だったため、必然的に会いたいと思える層の人と会えるようになっていた。立ち止まって自分を見つめなおす事の重要さを学んだ。


女神あらわる

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そして忘れもしない2018年3月20日火曜日、僕はとある銀座のバーで開かれていたビジネス交流会に誘われ飛び入り参加した。お酒も出る、ゆるやかな雰囲気のこぢんまりとしたバー。僕が入った時にはもう始まっていて、なにやら部屋の端でテーブルを囲んで盛り上がっていた。

初めて来る銀座のお店。誘ってくれた友人からは大幅に遅れるとの連絡が入る。誰も知り合いがいない中、輪に入りそびれた僕はカウンターの端でお酒をちびちび飲んでいた。本当はテーブルで会話の輪に入って話したかったけども、完全に銀座の雰囲気に飲まれてビビっていた。

そんな僕を見かねたやさしいマスター兼オーナーと少し会話をしながら、まだまだ低い自分のコミュニケーション能力を呪っていたところ、テーブルの方の会話に区切りがついたらしく、中でもきれいで凛々しい女性が名刺交換の挨拶にカウンターまできて声をかけてくれた。

「きれいな人だなぁ。素敵だなぁ」なんて思いながら話し始めた。

めちゃくちゃ話が合う。

ビジネス交流会なので、お互いの仕事の話からスタート。僕は自分の仕事と起業の話、彼女は金融系の会社の社長秘書で、不思議と共通点も多く、仕事観も合うことが分かった。気づいたら二人で話し込んでいて、友達が到着してもロクに話さず彼女とひたすら話し込んでいた。

「私たちの相性、夫婦ですよ」

僕の誕生日を聞いて彼女が言った言葉に、心臓のバクバクが止まらなかった。彼女は当時勤めていた会社の社長の影響で、陰陽五行思想をベースにした帝王学を勉強しており、その一貫で僕と彼女の相性を測ってくれたのだ。初対面の素敵な女性に「私たち夫婦です」に近しいセリフを言われたと受け取った僕の脳はこれはプロポーズか?!なんて混乱していた。

でもこんな素敵な人に彼氏がいないわけない、好きになっても痛い目に合うだけだ... と勝手に最悪を想定して悲しくなったりしながらも、話は止まらない。気づけば交流会にいたメンバーはいつのまにかいなくなり、終電の時間になる頃には僕と彼女、バーのオーナーだけだった。

別れ際にFacebookで友達になり、さっそくお礼のメッセージを送った。

すぐ返信が来た。

対面で会っていた時と同じように会話は進み、僕はダメ元でデートに誘う。

バーで彼女が甘いものを率先して食べていたのを覚えていたので、甘党ならば!と自由が丘のデートを提案したら、すぐにOKの返事をもらえた。

今日死んでもいい、と思えるぐらい嬉しかった。

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最初のデート

絶対に失敗できないデートなので、100%喜んでもらえるように、それまでの知識と経験と少々ばかりのコネを総動員した。

・前の会社の先輩(時々飲みに行く)にLINEしてデートに合う洋服をおすすめしてもらい、春っぽい白いジャケットを買った
・自由が丘の近くに住んでいる別の先輩に、美味しいお店を教えてもらい、Googleマップに保存して行動のルートを考えた。念の為、現地調査でデートコースとその周辺を歩いて、自信を持って案内できるようにした。プランA、B、C、D、E、Fぐらいまで作ったと思う。
・行くお店のウェブサイトは全部読み、ある程度紹介できるまで覚えた。ちゃんと予約もしておいた。
・全額払うつもりで、余裕を持って現金も用意した
・「初デート マナー」などで出てくる記事はすべて読んで、重要ポイントはメモ

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結果、大きなトラブルなく初デートは上手くいった。

閉店の時間までお互いのことを話していた。一番嬉しい発見は、僕と彼女は食の好みがそっくりだったことだった。ケーキ屋さんでも、イタリアンでもメニューは同じものを自主的に選んでいた。

出会ってから最初のデートまで、毎日メッセージのやりとりをしていた。少しずつお互いのことを知っていく中で、共通点も多くてワクワク、ドキドキが止まらなかった。同じアイザック・アシモフの本を読んでいたり、彼女のことを知るたびに次のデートが待ち遠しくて堪らなかった。

*彼女いわく「すごくマメに会話を拾ってくれる人だなぁ」と思っていたそう。

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2回目のデート

ちょうど二人が住んでいた場所の中間地点だったこともあり、2回目も自然と自由ヶ丘になった。1回目のデートで「ここも行きたいね」と話してた場所を中心に、楽しく話しながら街を回った。毎日メッセージはしていたのに、話すことは不思議と尽きなかった。

もう僕の気持ちは固まっていた。告白する、と。

でもまだチキンだった僕はタイミングを上手く見つけられず、グダグダしてるうちにデートの時間は終わりを告げようとしていた。

「またね!」

と彼女が乗っている電車を見送る。

僕は、想いを伝える勇気を出せなかったこと、自分の無力さに打ちひしがれていた。

その時、何かがカチッと自分の中でハマる感覚があった。次の瞬間、僕は彼女にメッセージを送っていた。

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電車に飛び乗って彼女の住んでいる駅までたどり着いた僕は、顔を真っ赤にしながらも自分の言葉で告白した。正直、頭が真っ白だったから。なんて言ったかはあまり良く覚えていない。

彼女は「よろしくお願いします」と返事をしてくれた。

死にそうなほど嬉しかった。彼女との仲を応援してくれていた友達や、相談していた先輩にもすぐ知らせた。「良かったな!」「ずるいぞこの野郎」「ここからだね」なんて憎まれ口を叩きながらも祝福してくれた。

それからも毎日のように彼女とメッセージして、忙しいスケジュールの間を縫うようにして会う時間を作り、会えない日は電話をする。

まるでそれまでの暗黒時代が嘘のように、楽しいことの連続だ。

これからも、あの時の勇気を忘れず、やらない後悔よりやった後悔をモットーに生きていこうと思った。


結婚してください

「普通じゃない自分」に少し誇りを持っていた僕は、それと同じくらい、いやそれ以上に自分に劣等感を強く持っていた。

無我夢中で働いていたのも、必死で彼女を探していたのも、「このままの僕じゃダメなんだ」という強い焦りがベースにあった。常にどこかで自分のことを否定してたのだ。誰かに否定され、拒否されるのが怖かった僕は、めったに自分をさらけ出さない人間だった。心のどこかで、他人に分かってもらえることを諦めていた。

でも、彼女には分かって欲しかった。

嫌いと言われる覚悟で自分のすべてをさらけ出した。

彼女は僕をまっすぐ見つめて、そのままでいいよ、ありのままのあなたが好きだよ、と伝えてくれた。

「自分を否定しなくていいんだ」と気づかせてくれた。24年間分の緊張が解けて、ホッとして、涙が止まらなかった。人生で一番泣いたのはあの時だと思う。

そんなこともあり、付き合ってお互いをより深く知っていく中で、こんなに相性がよい相手はもう二度と現れないだろう、と思っていた考えが確信に変わった。

この人しかいない。

彼女は20代後半だったので、もちろん結婚は意識していたと思う。でもさすがに付き合って3ヶ月でプロポーズされたのには相当ビックリしたはず。

答えは「YES」でした。


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振り返りとあとがき。

そもそもこの note は奥さんの発案です。夜、寝る前に彼女から『24年間「年齢=彼女なし歴」だった僕が出逢って3か月で婚約した話』みたいなnote書いたらおもしろいんじゃ?と言われたので、乗り気になって試しに少しだけ書いてツイートしてみたら、いいねが怖いほど伸びました。

普段の呟きのいいねは10ぐらいの感覚ですが、あっという間に230もつき、次々にリプをいただきました... 反響が多すぎて目が回ったw

これはやらねばと思い、書きます宣言をしてからnoteを開いたところ

と、最高にやさしくて、コミュニティマネジメントから編集までバリバリできるかえでさんに編集を手伝っていただけることになり、(お忙しい中、本当ありがとうございます)トントン拍子で記事の執筆が進みました。

5月12日に思い立ってから3日間、毎晩夜更かしして1万字も書いたので寝不足でふらふらしてますwww

正直思い出したくないほど恥ずかしい部分も多く、悶絶して筆が止まったり、消そうかどうか物凄くためらったりしました。

でも、3年前の自分だったら失敗も成功も全部知りたいし、変に片方を隠してはこの文章を書く意味がないと思い、3〜4年前の社会人になりたてで、やる気と勢いに溢れて無器用だった僕自身に向けて書きました。

上の文章には入れそびれてしまったのですが、結婚を現実的に考えるとき、こちらのnoteに大変お世話になりました。むぴーさんありがとうございます。

もし似たような境遇にいて悩んでいる人がいれば、少しでも参考になれば... と思い、あの頃の僕の、恥ずかしかったり嬉しかった思い出を吐き出して、清算する勢いで書き上げました。こんなダメダメな人間でも素敵なパートナーを見つけられるんだ、それなら自分なんて余裕じゃないか!と思ってもらえたら嬉しいです。

そんな僕もまだ26歳です。今は英語の文章の企画や編集の仕事をしていますが、まだまだ勉強中です。Twitterフォローしていただけると、とっっっっっっっっっっっっっっても喜びます↓

そして最後にこの文のきっかけを作ってくれ、長い文章のチェックもしてくれた妻への言葉で締めくくりたいと思います。

これまで本当にありがとう。まだまだ無器用な僕だけど、これからもよろしくお願いします。

大好きです。

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