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伝統工芸品はネットで売れるのか?僕の4年間の振り返りと #ウルサス本

僕は、マーケティングが好きで日々勉強中です。なので、日本のマーケターをたくさんTwitterでフォローして、ひたすら凄いマーケティングの人はどんな行動しているんだろう?という事を考えて真似してます。

なので、飯高さん @yutaiitaka の「僕らはSNSでモノを買う」という本が出てみんなが呟いていたので、これは手に入れるしかないな、と。

で、読み終わってしばらくしてから、まだ呟いてなかったと思った訳ですよ。

そうしたら、ご本人から気軽なご返信を頂きまして

それをテンション上がりつつ眺めていたら、なぜか急に「書評のnoteを書かねば!」って考えた浮かんできたんですよね。なぜだろう。

という訳で、書評いきます!有言実行!

いくら頑張ってコンテンツを作っても、受け手に届かない限り価値はない

これは、ここ数年、働いている中本当に痛感したことです。

飯高さんの本の書評を書くはずなのに、初っ端から別の人の話題で恐縮ですが、僕が一番Twitterで好きな人は、milieuの塩谷さん @ciotan です。

とにかく情報を「届ける」という事に真摯に、丁寧に向き合っている姿勢がすごいなぁと思って尊敬しているのと、発信している情報の伝え方が優しさに溢れていて、密かに目標としてる方です。
(一度 BAKE @bake_jp さんのイベントでお会いしたのですが、緊張で全然喋れなかった。。。)

「僕らはSNSでモノを買う」でも第1章のテーマになっているのですが、メッセージや商品、自分の持っているコンテンツを伝えるのって、本当に難しいな、と思います。

僕は日本の伝統工芸品の海外向け通販サイト、A-Janaika Japan(ええじゃないかジャパン)のプロジェクトに2016年から、ほぼ4年近く関わらさせて頂いているのですが、その4年間で、商品の価値やストーリーを伝えることの難しさを痛感しました。

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日本全国の伝統工芸品を3000商品ぐらい販売しているプロジェクトです。

伝統工芸品とUGC

職人さんが数ヶ月かけて手作りで作った漆の器が、Amazonでは偽物の商品と並んで比べられ、値段と簡単な説明で判断され、本物の器ではなく、安いモノが飛ぶように売れていきます。それを僕は悔しい思いで眺めていました。

そして僕も、プロジェクトに関わる前は伝統工芸品なんて全く興味がなかったです。買うなんてとても、、という人間でした。本の重要なテーマでもあるUGC(*User Generated Content。口コミとか、ユーザーが呟いた情報のこと)も周りに無かったので、知り合いに聞ける環境でも無かったし。。

ほとんどの人、特に海外の人は似た状況だと思います。「日本の伝統工芸品」=「よく分からない高いもの」となってしまうので、そもそも興味すら持てないし、知りたくても方法が無かったりしました。

本でも、飯高さんが言っているのですが

「そもそも99%の情報は届けたい相手に届かないと思った方がいい。そして、運よく届いたとしても、その情報を覚えてもらい、購入までつなげるのはかなりハードルが高い」

「A-Janaika Japan」ではそんな状況を少しでも変えようと、動画に広告、記事書いてSNSやって、、と色々やっていましたが、暗中模索という感じでした。でもそんな中でも、運営していた公式YouTubeチャンネルの動画がバズって27万回再生されたり、(サムネールをイケメン刀匠に変えてから上がったので、イケメンの力は強し)検索経由で少しづつアクセスが増え、売上が上がるようになったりと、少しづつ前進はしていました。

今、本を読んで思うのは、あの時のお客さんから集まったUGC、活用できる施策が出来れば。。。という事です。

多分「伝統工芸品」はその珍しさや制作に注ぎ込まれる技巧の美しさから、めちゃくちゃUGCが生まれやすいコンテンツだと思います。友達にプロジェクトの内容やビデオを見せた時も、

「おー、すげー」「刀かっこいい!」「なに今の技?!すごい」「こうやって作るんだ!」「職人すごいなw」とかめっちゃコメントが生まれていました。

コンテンツマーケティングに振り切って、ひたすら伝統工芸品の良さを伝える英語コンテンツを作り続けた数年間。

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色々な施策を試しましたが、結局「ブログで良さを発信していくしかないよね」という事に落ち着き、ひたすら日本語でリサーチしては英語のコンテンツを書いていました。一人で月に2−3本は書いていたので、英語のライティングにだいぶ慣れました。

本の第2部「僕たちのメッセージはどのように作ればいい?」の序盤で詳しい考え方が紹介されているのですが、これは当時読みたかったな。。と思います。

当時はひたすら「ブログ書かなきゃ!」で進めていたのですが、本で紹介されているカスタマージャーニーマップ、お客さんが「何それ?」で知ってから購入に至るまでの道のりを可視化したマップの分析、ステージごとに合わせて書くコンテンツとかも出来てなかったなぁ、、と反省してます。

でも、コンテンツに振り切ったおかげで見えてきたもの、読んでくれた人からのフィードバック、売上などたくさんの資産はあるので、うまく活用して行けるように頑張ります。

まとめ

半分ぐらい、過去にやってきた事の反省になってしまいましたが、それだけ昔、自分がやっていた事の「何がうまく行かなかったんだろう?」にダイレクトに答えを見せてくれた本でした。

「木を見て森を見ず」ではないですが、自分がいかに狭い視点で動いていたのか、戦略の部分がすごく弱かったんだなぁ、、、と時折遠い目になりながら読み進めていました。

すごく良いなぁ、と思った点は
・対談形式になっているのでスイスイ読める
・ULSSAS、ペルソナなど、一見難しそうな概念でもスッと理解できて、実例が乗っているのですぐに活用方法がわかり、「何それ面白そう!使ってみたい」と思えた。
・アイコン可愛いw
・ずっと勉強していたFerretの舞台裏が知れた
・ULSSASの本で実際にULSSASを実践(Twitterで流行る仕掛けつくり)をしてて、実際にAmazonで売上ランキング1位になったりと理論だけじゃない実践がすごいな、と感動
・出版前後の飯高さんのTwitter発信内容から目が離せない

読んだだけで終わらせてしまっては勿体無いので、今関わっているプロジェクトでガンガン応用していこうと思います!



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