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タイIII 壊された遺跡

暑さでダウンした僕とリラを乗せて車は次の目的地ワットマハタートへ向かう。
車内は冷房がガンガンかかっており、天国だ。

現地へ到着。
前回のワット・ヤイ・チャイモンコンが綺麗に残されている遺跡なら、ワットマハタートはほとんどが壊されている遺跡だ。
この遺跡の名前は釈迦様の遺骨という意味。
18世紀にビルマ軍の攻撃により、壊滅。無残にも仏像の頭部を持ち去ってしまった。
また仏像の頭部が木の根に取り込まれたままの姿は有名だろう。

語弊があるかもしれないが、綺麗な遺跡よりも壊されている遺跡の方が魅力的だ。
当時の状況がより鮮明に想像でき、時代の流れを感じることができるから。
当時の人々はアユタヤを捨て、バンコク周辺まで逃げ、そこで一からやり直した。
故郷が壊され、逃げるのはどんな気持ちなのか。
壊された遺跡はそんな彼らの寂しさを表しているようだった。

帰り道、爆睡している僕らを乗せてバンコクへ戻る。
リラと最後別れ際に手紙とポストカードをプレゼントされた。
旅に出てから初めての贈り物。
感動し、何度もお礼を言ったし、何も用意してなかった僕は後悔した。
僕も彼のように与える側になって人を喜ばせたい。
リラから学んだことは多かった。
これだから人との出会いはやめられない。

ではでは。

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