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インドネシアIV ボゴールの大自然へ

2時間の電車移動も楽しく会話しているとあっという間。
もっと時間かかってもよかったくらい。
それくらい充実した時間だった。

目的地のボゴールへ到着。
終点なのでたくさんの人々が行き交う。
駅の外は賑やかなローカルマーケットで埋め尽くされている。

インドネシアの乗合ミニバスに乗りこみ、中心地を目指す。
6,7人は乗車できるスペースがある。乗り心地も悪くない。
ギターを片手に持ったお兄さんが走行中にも関わらず、駆け込み乗車。
何事もなかったかのようにギターを演奏。
どうやら色んなバスに乗り込み、小銭を稼いでるようだ。
演奏は思った以上に素敵だったが、本人の為にもあまり無茶な乗り込みはしてほしくない。

20分程で中心地へ到着。
とりあえずお腹が空いていたのでお昼をとることに。
街を歩いていると古い建築の家が並んでいた。
ボゴールではオランダ植民地時代からある家が多く佇んでいる。
オランダ式の建築もかなり素敵なのだが、それらが自然とうまく融合しているので見飽きることがない。

ヘレンおすすめのレストランへ到着。
木造のレストランで、店内も落ち着いた雰囲気。

何を食べようか悩んでた時、ヘレンが私は食べないから遠慮せず食べてねと言ってきた。
どうやら、今はラマダーンの最中らしい。
だからジャカルタのほとんどのレストランが閉まっていたのかと今更ながら気づいた。
ご飯はとても美味しかったが、
ヘレンを前に1人で食べるのは非常に申し訳ない気持ちがした。

昼食後はタクシーでボゴールの奥地の大自然を目指す。
途中から山を上り始め、村の狭い道を走っていく。
途中でたこ焼きとローマ字で書かれた看板を発見。
まさかインドネシアの山奥の村でたこ焼き屋を見つけるとは思わなかった。
村を通り過ぎ、1時間半後目的地へ到着。
なぜか通行料を100m間で2回も取られた。
そんな光景を僕らは顔を合わせ、呆れ笑う。

入り口には村人が数人、豚が数匹、観光客も僕らしかいない。
子どもが笑顔で通行料と言ってきてまた笑う。
タクシーを降り、入り口の橋を渡る。
静寂な森が続く。
本当に静かで、たまに聞いたこともない鳥の鳴き声を耳にする。
空気もきれいで心地が良い。
しかもこんな大自然なのに大嫌いな虫がほとんどいない。

さらに奥へ。
先から水の音が聞こえる。
丘の下で流れている川を辿る。
歩くごとに水の音が大きくなる。
駆け足で丘を超え、遮っていた木を通り過ぎると壮大な滝が目に前に現れる。
思わず見惚れてしまった。
沈黙が続き、水だけが流れる。
本当に感動した時は言葉が何も出てこない。
日本でも見ることができる景色かもしれないけど、こんなには感動できないだろうな。
ただ今はずっと眺めていたい。

すると滝壺から水の音に紛れ、人の声が聞こえた。
どうやら遊んでいるようだ。
でもどうやって行ったのだろう。
周りは崖に囲まれ、下流から川を渡るしかない。しかも川も体の1/3程の深さ。
ヘレンが行きたいと乗る気なので一応行ってみることに。
ちょうど入り口に着いた頃に現地の人が川を渡り戻ってきたところだった。
入り口からして危なさそうな雰囲気。

インドネシアでは蛇に食べられた人がいるというニュースや映画アナコンダの影響(なぜかアマゾンとごっちゃになる)であまり川で危険を犯したくはない。
しかし、ヘレンのキラキラした目を見ながら、断るのは無理だ。
現地の人曰く、ヘビはいないとのこと、ほんとかよと心で思いながら出発。
数秒後、ヘレンが川で転倒。
言わんこっちゃない。
彼女を起こし、先へ進む。
川は高い壁に囲まれ、壁から水が湧き出ている。
現地人の言う通り、川にも崖にも生物がいなかった。

不安定なヘレンを手助けしながら無事到着。
滝壺の水しぶきを身体中に浴びる。
水着を持ってこればよかったと少し後悔した。
ゆっくり時間を楽しんだ。

ボゴールの滝が印象に残りすぎて、帰り道のことはあまり覚えていない。
覚えているのは電車でジャカルタに到着した時に下車しようとしたら、なんとホームがなく、1m下まで飛び降りなければならなかった。
他の乗客も飛び降り、普通に改札を通っていく。
これアナウンスで知らせるべきでしょう、知らされても言葉がわからないか。

1日の出来事だったが、もっと長い時間が流れたように感じた。
人との出会いと旅をすることはやめたくない。

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