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十二支「卯」🐰の特徴~地支からみる命式

各十二支に動物を割り当てたものを十二生肖(せいしょう)といいます。

その動物たちはただ単に方角や数字の順序を表わす記号であって、民衆に普及する手段に採ったもので、その概念は当て嵌められたモチーフとしての存在にすぎないといわれています。

たしかにその通りではあるのですが、しかし、これは古人が紡いできたレトリック感覚による創造性を現代の論理性の判断で裁いてしまうこととなります。

命理を学ぶというのは演算を公式のように学ぶのではなく、原理を探求することに意味があります。

参考になるかどうかは分かりませんが、今後の学習のためにも、自分なりに気付き、記録したものを公開することにしました。

こちらは読み解きの参考までに
始めたてですがマガジンのフォロー宜しくお願いします。

天干地支

さて天干は導く役割で、一方で地支は文字通り、支える役割をしています。

この二つを併せて干支かんしとよばれるわけですが、干支が使われているのは東アジアだけでありません。世界各国で十二の動物たちがモチーフとなって、神話や説話にさまざまな役割で登場します。

干支は庶民に方位や時刻を普及させる目的で広まったと言われますが、これらに通底する象意をよく観察してみますと、子・丑・寅・卯・辰~とのイメージと相通じている概念があることがわかります。

そこで、この度はモチーフとなった十二生肖(せいしょう)の様子からみた干支の読み解きをしていこうと思います。

今回は前回に引き続き、地支の四番目の陰にあたる「卯(うさぎ)」ついて取り上げたいと思います。

地支からみる四柱推命~「卯」🐰の特徴


干支を動物のリレーで覚えている人は多いかと思います。

ですが、もともとの用途から考えると、アナログ時計(日時計)や方位磁針のイメージで覚えてしまった方が絶対に便利です。

卯は東(イラスト右側)を守護します

たとえば「卯を時計の三時の位置」と結びつけると、一年十二ヶ月のうち三を表わす位置にあるので「卯の月=三月」だとすぐに理解できると思います。

これを一日にすると、十二支×二=一日(二十四時間)となりますので、時計の針で三時を示す卯の刻は、現代の時刻にすれば「朝六時前後」に相当します。

『四柱推命大全』によると卯は「おおう」の意味で「旭日が東天より躍り出て、万物をますます茂らせる現象である」と示され、『説文解字』の「卯」の字源には、「門を開ける形」を象った字であると書いてあります。(これには異論もあるそうですが)

また東西南北はそれぞれ、木金火水が対応しており、それ以外の季節の変わり目にあたる土用の時期が土になります。

「三時の方向」東、木氣🌳にあたり、成長著しい春木となります。

東の方角は花が咲き、草木が生長する春の時期となり、卯は生命エネルギーが最も活性化する支となります。

ちなみに真東にあたるのが昼夜の長さが等しい「春分」となり、陰と陽のバランスが調和された日を迎えます。

出会いと別れの時期であり、物事の始めとなる季節です。

八卦では震(しん)☳を表します。
図象は雷を表わし、堅実で力強い上昇力を示しており、奮い立って四散する象意があります。

十二運では沐浴(もくよく)を表わします。
勢いよく成長し、賑やかな様子で周りから衆目を浴びる象意があります。

卯は良い意味では繁栄・繁茂となります。
逆に悪くすると紛糾し、動きがとれなくなることを表わします。

春分から日が長くなり、しだいに陽の氣が外に満ちてくるようなイメージから膨らませると分かりやすくていいかもしれません。

ウサギの特徴

ウサギと言えば特徴の第一に挙げられるのは、なんといってもチャームポイントではある大きな耳です。

小さな音を聞き取ろうとする時に人間は耳のところで手を広げ、耳を大きくするような仕草をよくしますよね。

耳は大きいとたくさんの音が聞き取ることができ、それはウサギの耳にも同じことが言えます。

アンテナと同じ理屈ですが、実際にウサギの耳はこれにより広範囲の音=高い周波数の音を拾うことができます。

また大きな耳には物音をキャッチする以外にも、熱を体外に放出して体温の調節を図るという機能もあります。

ウサギは特徴的な耳だけでなく、センサーの役割を果たす長いひげや、ほぼ360度の広い視野をもつ(ただし視力は低い)など、日ごろから外敵に襲われないようにするため、周囲の情報に敏感な生き方をしています。

ウサギは十二支で最も広い視野をもつ

「察知能力の高さ」という共通点の多さから、かつてはネズミの仲間と分類されていた時期もありましたが、ネズミは情報収集の方向性がエサを求める直感的なものに対して、ウサギは猛禽類などの天敵から逃れる危機回避のためのものという違いがあります。

「脱兎の如く」と言われるように逃げ足が速く、警戒心が強くてデリケートな特徴があります。

したがって、優しくて気遣いがある、警戒心が強い、情報収集能力が高い、ストレスに弱い、跳ね回って安定しない、といったイメージから卯の力がもつ性質の読み解きができるでしょう。

🐰卯と🐓酉でみる地支の関係性

歴史的にウサギについてみてみますと、多産で繁殖力に富むことから、ウサギは豊穣の始まりを司る意味で、洋の東西を問わずに春を祝う女神信仰のシンボルとして信仰されています。

ウサギは、冬に失われた生命が復活し草木が芽吹き花々が咲く再生の春のシンボルである。

卵は宇宙の根源のシンボルであり、宇宙は卵から生まれ、殻の上半分が天になり、下の部分が地になったことを表す。

絵画等でも女神は必ずといっていいほどウサギを伴った姿で描かれ、このウサギが良い子に卵をもたらすとされる。

卵のほうは絵画には現れないが、ウサギと卵の関係について、このウサギは女神が冬に翼の凍ってしまった鳥をウサギに変えたものなので、特別に鳥のように卵を産めるのであるとする話や、ウサギが春色に塗り分けたきれいな卵をプレゼントしたところ女神が大変に喜び、皆にも配るよう命じたという話、ウサギが子どもたちを喜ばせるためにニワトリの卵を庭に隠して探させてみようとしたところ、その後ろ姿を子どもたちに見られてしまった話などが伝わっている。

欧米では現在も春の祭りの日の余興として、子供たちや招かれた客があらかじめ招待主の隠しておいた庭の卵探しをすることがあるという。

https://ja.wikipedia.org/wiki/ウサギ

文化圏は異なりますが、そういえば「卵」という字と「卯」は似ています。

日本書紀の一番最初にある「天地開闢」の項目では「天と地が未だ分かれず、混沌としている様は鶏の卵のようであり…」と記されています。

日本書紀 神代上

漢文で記された日本書紀には、当時中国で主流となっていた宇宙観である『渾天説』の影響があったのだろうと言われています。渾天説とは簡単にいえば、この世は鶏の卵のように出来ているという天体構造の考えの一つです。

地支の関係で表わせば、卯🐰は真東でありになります。
また反対に酉🐓の方角は真西でありとなります。

これを「十二運」で表わすと、酉を主役(帝旺)としてみれば、卯は「胎」にあたります。裏を返せば卯が「帝旺」のときは酉は「胎」となります。

「胎」は「卵や種の状態」を表わしており、鶏の胎=卯であると共に、卯の側からみればウサギの胎=酉という関係性といえます。

また古来より太陽に烏が、太陰(月)には兎が棲むという伝説から、それぞれ烏兎日月の関係(金烏玉兎きんうぎょくと)を意味するそうです。月に兎が住んでいるというお話を聞いたことがある人は多いと思います。

この表と裏の関係性を「裏星(うらぼし)」といい、相反する関係を「冲(ちゅう)」といいます。

裏星については別の機会でまた紹介したいと思います。(相性鑑定で冲は良くない、というサイトの解説がありますが、実際はそう単純ではありません…)

この卯(三月)と酉(九月)の関係を季節のサイクルに当てて考えれば

春に花を咲き草木が生い茂る
↓↑
秋に果実となり種が運ばれる

という「表裏一体の関係性」となります。

反対側の干支は「胎」「帝旺」の裏星の関係となり、とくに卯と酉は「春分」「秋分」にあたるため「原因と結果の因果関係」になることが如実に表わされます。

さらに卯と酉の刻を生活のサイクルで表わしますと

東から太陽が昇る春や朝を表わす卯の時期(6時前後)から活動🌞
↓↑
西に太陽が沈む秋や夕を表わす酉の時期(18時前後)から休息🌇

という開閉の関係となります。

ちなみにですが夜職、水商売の人はこのサイクルが逆となりますので、夜明けとなる寅や卯が休息や収穫の象徴となります。

一般的な西方が吉とする農耕の周期とは金運(収穫期)が異なりますので、要注意です。

卯の甲木と乙木、酉の庚金と辛金は表裏一体の関係性

上のイラストを参考にしてみますと、卯の地支蔵干にありますのは「甲(きのえ)🌴」「乙(きのと)🥀」の草木を表わす十干となります。

反対側にある酉の蔵干にある「庚(かのえ)⚔」「辛(かのと)💎」の鉱物を表わす十干から剋されています。

卯と酉は「作付けと収穫」の関係といえます。

子🐭と卯🐰による「無礼の刑」

子と卯は水が木を生じる関係であり、蔵干は「水生木」にあたりますので、母と子の関係にも等しいのですが、礼儀に欠ける振る舞いから「無礼の刑」とも言われることがあります。

冬のど真ん中と春の真っ盛りが激突する関係です。

ウサギとネズミ、どちらも繁殖力が旺盛な一方で、警戒心が強い動物なので、合わさると未練や恋慕がなく、身勝手で情がないと説明されることがあります。

言うなればクリスマスシーズン(子月)に付き合って、年度初め(卯月)に別れてしまうカップルの関係みたいですね。

さきほど夜職の人はライフサイクルが逆になるという話をしましたが、子の刻(深夜24時頃)の関係が夜明けの卯の刻(明け方6時頃)に終わるという解釈もできるかもしれません。

蔵干の木氣と水氣から読み解けば、花見でみんなが賑わっている途中に冷たい雨が降ってくるような興ざめな空気になってしまう。

これが「無礼の刑」です。

ただし、木の生育に水は必須であり、結果的にポジティブに働くことも多いですので、これだけで凶象とみることはありません。

甲木🌴の人は正義感が強く曲がったことが嫌いですが、意地を通すだけでなく、時には周囲から冷静なアドバイスを受けることが必要です。

子平(四柱推命)は命式のバランスが最も重要視されますが、地支からの読み解きの原理の一つとして頭の片隅に入れておくとといいでしょう。

五行と卯🐰の象意

乙卯(きのとう)

道の辺の草深百合の花咲(はなゑみ)に

昔の日本では花が咲くことを「花笑み(はなえみ)」と表して華やかな笑顔になぞらえていました。

「乙卯(きのとう)」の人は「穏やかで風に靡く草花」のように周りの人をほっこりさせるような可愛らしさや穏やかさを持ち、ウサギ🐰のもつチャーミングで愛らしい人が多いです。

甲木🌴にリードされ|藤羅繋甲とうらけいこうの関係となるか、丙火🌞に照らされることで一層魅力が発揮できるでしょう。一人でグイグイ引っ張るタイプというよりも、|和顔愛語わがんあいごの愛嬌で人を動かすタイプです。

温厚な性格で人当たりもいいので交友関係が広く、目上の人や異性からも人気を集めることが多いとされます。

一方で乙木は蔓草を示しますので、同じ乙木のタイプの人が身近にいると、葛が絡んだような人間関係(槃根錯節ばんこんさくせつ)となりますので、いつもよりイライラして、無意識についマウントをとってしまうかもしれません。

乙卯は春の草花なので根がしっかり張っていて、物腰が柔らかいながらもしっかりと自分の主義主張を持っています。

ややプライドの高いところがありますが、学びの星である印星の水氣💧の恵みがあれば冷静になれますので、自分自身を振り返って成長に活かすことができるでしょう。

ただし、水氣刑となりバランスが崩れますと体調を持ち崩し、逆に鬱っぽくなります。周りの意見に振り回されず、時には自分の意思をしっかり主張することが大切です。

伐木となる庚金が巡る時期には試練が訪れるでしょうが、踏まれても立ち上がるタフさを活かして周囲から認められる存在となります。

積極的に人の輪に関わってメンタルを鍛えることが重要です。

丁卯(ひのとう)

春先の暖炉

丙火が昼の火で太陽🌞であるのに対して、丁卯は明け方の月や不安定な蝋燭の明かりを示します。周囲に明かりがない夜間や寒い季節に重用されやすい宿命をもっています。

「丁卯(ひのとう)」の人は「春先の暖炉」「明け方の松明🔥」を示しており、丁火には燃料となる木氣🌳が蔵干の卯に含まれています。

兎のもつ繊細さや柔軟性を丁火の基として活かすことで、周囲を明るく温和な雰囲気に導くことができるでしょう。

女性の場合、薄明かりの妖艶な明かりとなるので、独特の色気を放ち、なにかと異性から持て囃されることが多いです。

気配りが出来て、温和で柔軟性も豊かなので、日支にあれば配偶者に恵まれるといわれます。

十二運では「病」となり、燃え盛る炎と言うよりも柔らかい灯火のイメージです。おとなしく従順で、穏やかで人当たりがよく、他の人が気がつかない部分に気がつく繊細なタイプです。

ただ、消極的ですが消えかけのロウソクが一瞬だけ大きく燃え盛るように、たまに思いもよらない斬新なアイデアと行動力で周囲をあっと言わせることがあります。

猿、狐、兎の3匹が、山の中で力尽きて倒れているみすぼらしい老人に出逢った。3匹は老人を助けようと考えた。
猿は木の実を集め、狐は川から魚を捕り、それぞれ老人に食料として与えた。
しかし兎だけは、どんなに苦労しても何も採ってくることができなかった。自分の非力さを嘆いた兎は、何とか老人を助けたいと考えた挙句、猿と狐に頼んで火を焚いてもらい、自らの身を食料として捧げるべく、火の中へ飛び込んだ。
その姿を見た老人は、帝釈天としての正体を現し、兎の捨て身の慈悲行を後世まで伝えるため、兎を月へと昇らせた。月に見える兎の姿の周囲に煙状の影が見えるのは、兎が自らの身を焼いた際の煙だという。

https://ja.wikipedia.org/wiki/月の兎(仏教説話より)

仏教説話の一つである火中に飛び込んだ兎の話です。

卯月は天候が荒れがちなので、丁🔥は意外な場面で役に立つことが多いです。

創造性が豊かで、逆境に強いタイプと言えるかもしれません。

その一方で、想像力が豊かで気配りが出来るゆえに、周りから嫌われたくないという思いが強く出て、八方美人に思われることがあります。

もともとはシャイで人前に自分を出さないタイプなので、いつもよりストレスを抱えやすくなるでしょう。

丁火に木氣🌳を追加して燃料となる甲木を足すことにより、火の勢いが強まりますので、挫折に強くなります。

また火は勢いを削いでしまう水を嫌がりますので、壬癸など水氣💧のバランスによっては独特な創造性が生かせなくなります。(猛火の場合は必要な場合もあります)

甲木は天干から見れば印星(インプット)です。
地支の卯からは比劫の星(セルフマネージメント)となります。
目標に向かって勉強に励むことが人生を発展させるポイントです。

丁卯の人は周囲の環境から影響を受けやすく、運気のバランスに波があり、ネガティブな場所に居心地の良さを感じる傾向にあります。

失敗体験から上手く学ぶことで、自己アピールに繋げることが肝要です。

己卯(つちのとう)

花卯を糧とした己は剋となる

己(つちのと)は平地の土や田畑を表わし、生命を育み、成長を促す働きをします。陰の土であり「慈愛」「母性」の象徴とされることが多いです。

一見目立ちませんが、土は万物の源であり、縁の下の力持ちのような存在です。己(おのれ)と読めるのも興味深いですね。

「己卯(つちのとう)」は春先や明け方の暖かくなる田畑となります。
思いやりや母性があって、強調性もあり落ち着いているので、穏やかで面倒見がよく、いろいろな人と仲良くなれるタイプでもあります。

十二運は「病」となり、支えにあるはずの卯から剋されている状態です。

己卯の地支の卯は土の中に埋もれる木、つまり根っことなり、己を支える地支の木氣🌳に剋される「木剋土」となるため、土にとって支えとなる卯はかえって気苦労をもたらす存在になります。

卯の木氣が己のミネラルやカルシウムなどの栄養分を吸収し、幹の生長を促す一方で、天干の己からすれば、地支の根が地中に根ざすことにより、養分を奪われる、という表裏一体の関係になります。

大運や周りの柱のバランスにも左右されますが、木氣🌳が旺じると周囲の環境から自身の己土が食い荒される状態になりかねません。

日柱に己卯がある女性の場合、水氣💧があれば生命を産む力がありますが、地支に栄養を取られていますので、お産が重かったり、あるいは子供を授かっても、母親(己土)の体調が悪くなるといわれています。

土は季節によって表情が変わりやすく、己卯は大運の巡りによっては、なにかしらの持病が悪化したりするなど、病弱な人が多い印象です。

我慢して自分の意見をなかなか表に出さない人なので、意識的に健康チェックを受けるなど体調に気を遣うことが大切です。

思いやりや強調性のよさが、優柔不断と捉えられて、優しさにつけ込まれると、多くの仕事を任させられて、疲労困憊になる可能性があります。

ウサギは繁殖力が高いことでも知られていますが、可愛さ余ってといいますか、やはり何事もバランスが大事です。

オーストラリアに愛護動物として繁殖した「アナウサギ」は政府から最も壊滅的な生物学的侵略をもたらしたと指定されていますが、土を掘る可愛いウサギの意象をまま当て嵌めてみたようなケースかもしれません。

剋の関係は官星となりますので、いろいろな仕事を任されるうちにマルチな才能を開花させて、晩年は思わぬ評価をされることがあるでしょう。

仕事運、出生運はいいのですが、ときには身体を労る時間を設けてあげることが重要です。

周囲に対する気配りの良さと優しさ故に何かにつけて人から任されることが多いので、信頼できる人だと思われる一方で、本人はストレスを抱えることがあります。

不必要に伸びた雑草を燃やして新芽を育てるためにも、根を焼いて土を栄養分を与えてあげる必要があります。

したがって焼畑(木生火と火生土)の働きができる丁火🔥が有難い存在になります。比和となる土氣が追肥となりますので、自己を強めてサポートしてくれる存在となるでしょう。

身近な人であっても、ときには嫌なことに対してハッキリ意見を言うことも必要となります。

即物的な命式鑑定では自己が支え(卯の木氣🌳)に剋されるので即ち凶であるとされることがありますが、命式は死後の世界とも陰陽和合であるということを念頭に考えますと、己卯は土を肥やし、大木を育てる関係であって、愛情を込めて苦労して育てたわが子が将来、次代の大物になるという「期待の吉星」という捉え方もできるのではないかと考えています。

辛卯(かのとう)

愛らしい美しさ

陰の金氣💎である「辛(かのと)」は宝石を表わしており、十干においては磨けば輝く「美しさ」を象徴する働きをします。

金は土から生まれ育まれますが、宝石が汚れるため、「土多埋金」といい、強すぎる戊土を嫌い、壬水で洗われることを喜びます。これを「陶洗(とうせん)」といいます。

辛卯につきましては天干の辛には金氣💎が含まれており、地支の卯に含まれる木氣🌳の剋となります。

卯月(三月)の草むしりの時期に小鋏が木の根っこを切っている状態となります。一方で鋏で草木を整えるので、時間を掛けることで美しい盆栽のような洗練されたタイプとなります。

日頃からバランス感覚を身につけるよう心がけることが必要になります。

草木が伸びようとしてもすぐに切られてしまうので、才能が発揮できる環境に身を置くことができるかが重要になります。

十二運で辛は「絶」となります。

「絶」は生命を終えて、次の代に生まれ変わる「胎」にむけた準備期間といえるでしょう。裏星は力強さを象徴する「健禄」です。

卯と酉の関係は先ほど「発展と停止の相互関係」にあると説明しましたが、辛金の「絶」は卯の時期に発展を極めた「健禄」の果実が、酉に食べられて、種子が遠くに運ばれている状態です。したがって周囲の影響を受けやすい人生となります。

力及ばない世界から人生を左右されることが多いので、感受性が豊かで霊感の強い人が多かったり、「胡蝶の夢」のような妄想に耽る人が多いです。

ウサギ🐰のチャーミングで情報感度の高い部分がありつつ、天干である辛💎は人に見られてこそ価値が出る高級ブランド志向ですので、流行を先取りするファッション業界やインスタグラマーなどの人気商売に向いています。

辛卯は「絶」の状態にありますので、金銀財宝のような現物の宝石というよりも、周りの人気に価値が左右されやすいブランドやアート作品のような高級品や芸術品のイメージに近いかもしれません。

女性の場合ですと卯特有の愛くるしさのなかにも、積極的な一面をもつという「可愛い系」「キレイ系」が同居しているような、華やかな品の良さがありつつも庶民性がみえる、つかみ所の無い対照的な性質を含むタイプが多いです。

泥汚れを落としてくれる壬水が巡れば情報感度が高くなり、流行のトレンドにのることができますので、さらに辛の魅力をいっそう輝かすことができます。

ただし子水との組み合わせとなると「無情の刑」となることがありますので、強い発展は見込めますがいっそう波乱が多く、人付き合いが長続きしなくなる可能性があります。職種によっては良い作用に働きます。

剋す力は財星となり、財運に恵まれてはいますが、偏財が強くでますと多くの収入がある一方で、支出も多く、なかなか安定しづらくなります。日柱にあると人生の波乱万丈は避けられないでしょう。

もともとウサギ🐰は敏感でストレスに弱い生き物です。
地支を剋す辛卯の人は現実と理想のギャップに苦しむことがあります。

また、宝石💎である辛卯の人は努力をして自らを磨くことを是としており、美容に強い興味を持つ人が多いですが、自らの支を剋していますので、ネガティブな部分が分かりやすくでると、人間不信(泥臭さへの偏見)やコンプレックスからくる心の病(整形依存など)になりがちです。

こだわりが強いわりに計画性もなく忍耐力に欠けるといわれて注意されるときもたびたびあるでしょうが、無理しても長くは続かないので、スピーディに動ける行動力をポジティブに評価して、生かせる環境を探しましょう。

熱しやすく冷めやすいタイプですので、自分の自由な生き方を認めてくれる人間関係を築いていくのがいいです。

宝石を磨くように研鑽を重ねていくうちに、多くの人から支持される人気者となれるかもしれません。

癸卯(みずのとう)

立春 → 雨水 → 啓蟄

「癸(みずのと)」は雨水を表わすとされます。

卯の蔵干との組み合わせは「水生木」の相生関係となります。

癸卯は天干が水氣💧が自分の地支を助ける働きをします。春のピークの雨水となります。

卯ると書いて「しげ」ると読みますが、癸水が土を豊かにして、卯の木氣🌳である作物の豊穣に作用するような、物事の成長に欠かせない人となるでしょう。

ウサギ🐰の情報収集能力と、水のクールさが相まって、合理的に考える知的なタイプとなりますので、物静かで勤勉な人柄が多いです。

水💧の印星は「知識」「理性」の象徴として表れることがあります。したがって、主にデスクワークのように予測を立てて、計画を練るようなコツコツとした仕事に向いています。

癸水からみた十二運は「長生」となります。
内側に宿っていた力が徐々に外側に発露されていく時期となります。
春先の卯木は雨水を糧にすくすくと成長します。

学習意欲が高く、吸収するペースがとても早いです。
水には形がありませんので、周囲に合わせることも上手です。
日柱にあれば夫婦円満な家庭を築くことができるでしょう。

トップに立って周りを支配するほどの力はありませんが、繁茂する向上心がありつつも、冷静で落ち着いており、協調性があります。

慈雨により支えを活かす、インテリタイプとなるでしょう。

配偶者を助ければ自分が助かる、部下や後輩に教育を施す、あるいは先輩から施されるといった周囲との助け合いで道が開けてきます。

ただし、恵みの雨といえども、春先の雨水が多すぎれば冷酷になり、卯の木氣🌳を腐らせてしまいます。

木の根が腐ってしまい、徐々に物事が進まなくなるという現象が起こります。

本来卯木を応援するはずの水氣💧が「水氣刑」のよって冷たい雨水に晒されることになりますので、卯のもつ不安定な要素が悪い部分に作用すると、クールな魅力が冷笑的になりやすく、孤立を招く原因となります。

卯の刻(朝6時前後)から大雨が降ると、お出かけに消極的になるのと一緒で、寒い時期は現実的で物事に熱中することがあまりないので、くよくよして臆病になりがちです。

癸水には器用さと要領の良さがある一方で、面倒事やもめ事を嫌い、慎重派で冒険をしない特徴があり、兎の警戒心も相まって先立つリスクを考えるので、恋愛に対しても興味が薄く、消極的です。

ときには知識の枠から離れて、思いやりを持って温情に寄り添った行いをしてみることも必要となります。

先生と生徒のような環境に身を置くと発展が見込まれるでしょう。

「因幡の白兎」の物語は水瀬を渡ろうとした知恵者の兎の特徴をよく捉えています。

慎重なウサギは洞察力がとても鋭く、物事の本質を見抜くことが得意であり、神の使いとしてアドバイスをする優しい性格である一方で、頭脳の良さが裏目に出ると冷酷になって人を欺いたり、また逆に欺かれたり等の裏目に出てしまうという一面もあります。

自らの利のためだけに策を弄すると、墓穴を掘ることになりますが、恩義に報いようとするところもあります。

理と情のバランス感覚が求められるタイプです。

因幡の白兎の神話は白兎=月読尊であるという説もあり、単純な教育的童話とは言えない部分が多くあります。

陰陽五行だけでなく、古代の日本の自然観や、生き物とのかかわりを考えると、地支からの読み解きがいっそう興味深く感じるかもしれません。


詳細版になります。
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神話や逸話を基にしたオリジナリティ要素が強いです。

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「四柱推命の道しるべ」プランに入りますと、掲示板で命式の解釈や読み解き方の意見交換ができるようになります。

いろいろな人の生の意見を参考にしたい、どのような言葉で相手に伝えたらいいのか分からない、という人に強くオススメします。


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